KONAMI、PSP「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」遂に発売

横浜に1,000人近いファンが大集結!


4月29日 開催

【METAL GEAR SOLID PEACE WALKER】
4月29日 発売

価格:5,229円(通常版)

CEROレーティング:C(15歳以上対象)



まずは小島秀夫監督と新川洋司アートディレクターが登壇。小島監督は大きな拍手を受け「感無量です」と切り出した

 株式会社コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)は、4月29日に発売となったPSP用「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」の発売を記念し、小島秀夫監督らが全世界のファンと交流を図るイベント「MGS PW WORLD TOUR 2010」をスタートさせた。

 初日となった29日には池袋、横浜、葛西などで開催されたが、横浜には小島監督、アートディレクターの新川洋司氏をはじめ、スネークの声を担当する大塚明夫さんらキャスト陣も勢揃いし、会場となったヨドバシカメラ横浜 1階エントランス前は多くのファンで埋め尽くされ、信号を挟んだ反対側の歩道にまで人が溢れる盛況さとなった。

 大きな拍手と声援に迎えられた小島監督は「感無量です。今日発売できて嬉しい」とコメント。新川氏も「たくさん遊べる。友人と遊んで欲しい」とアピール。新川氏は「これまではCGでムービーなどで表現していたが、今回は絵で表現しようということで1番絵を描いた。それだけ思い出深い」と語り「絵を描いてくれたアシュレイ・ウッドと絵のキャッチボールもでき、刺激があり楽しかった」と振り返った。


小島秀夫監督。「MGS PW WORLD TOUR 2010」の初日と言うことで元気な姿を見せた。海外のファンやマスコミもちらほらアートディレクターの新川洋司氏。「たくさん遊べるので、友達と遊んで欲しい」とアピール

写真はぼかしをかけているが、ヨドバシカメラ横浜 1階エントランス前はファンでギッシリ。信号の向かいの通りまで人が溢れていた

 ここでスペシャルゲストとしてキャスト陣が呼び込まれた。大塚さんは開口一番スネークの声で「みんな、待たせたな!」と語りかけると、会場からは割れんばかりの歓声が駅前に響き渡った。大塚さんは「スタッフもお疲れさまでした。僕たちは収録が終るとおしまいですが、スタッフは商品が店頭に並ぶまで終らない。今日までご苦労様でした」と労った。ステージにはこのほか杉田智和さん、井上喜久子さん、菊地由美さん、小林ゆうさんが登壇し、小島監督を中心に制作の裏話などが披露された。

 大塚氏はスネークというキャラについて「カズヒラ・ミラーと知り合い人生が走り始めた。今回は最も人間らしいスネークだと思う。僕の分身に近くなってきた」と振り返った。もちろん大塚さんにとって大切なキャラクターで「1番重要な仕事と言っても過言ではない。もうひとがんばりしようと思える仕事」と心のよりどころとなる仕事として位置づけていることを明かしている。

 井上さんは今回チコという少年を演じているが、小島氏によれば「毎回、井上さんの引き出しを明けるよう配役を考えている」と言い、あまり少年役の声を聞いたことがないということでチコ役に決定した。元気な少年でありながら青年に駆け上がる前の悩み多い年頃を演じている。収録当初は監督と色々と話し合いがもたれたというが、最終的には直球勝負で演じることとなったという。ちなみにチコはUMA(未確認生物)が好きという設定やセリフがあるが、これについては「ここから『モンスターハンター』に繋がるんです。急に出てきたら変でしょ?」という設定上の説明も行なわれた。

 ストレンジラブの役を演じた菊地さんは「本当になにも言えなくて苦しかった」と胸の内を明かした。しかし、事ここに至ってもまだ発売直後と言うこともあり、その秘密を明かすことはできないという。「ゲームを最後までプレイして、真のエンディングを見つけて」とアピール。オファーがあった当初「ストレンジラブなので、映画に引っかけてあるんだろう」と考え、その名前だけでは判断できないと考え、役を引き受けたのだとか。

 ちなみに菊池さんはボーカロイドの音声収録も行なっている。これまた大変な収録だったと言い、小島監督によれば「初めは自分もボーカロイドの収録をしようかと思いましたが、菊池さんの収録風景を見て『絶対に怒り出してしまう』と思って、やめました」と秘密を明かしている。

 小林さんが演じたのは現代っ子のセシール・コジマ・カミナンデス。ほぼ台本が無く、自由だったという……というか、台本通りの収録に至らなかったとか。これに答えたのが小林さん。かなり面白いセリフが多数収められているとか。小島監督によれば「物語の設定が1974年の中央アメリカ。今とかけ離れた設定なので、セシールでユーザーのみなさんに感情移入してもらおうと思った」と説明。ちなみにセシール・コジマ・カミナンデスにはモデルがいるという。イベントにはなんとそのモデルとなったスタッフが登場。KONAMIのフランスを担当するスタッフで、非常に美しいパリジェンヌ。本名もセシールということで、「イベントにこれて嬉しい。モデルに使ってもらえて光栄です。小林さんのような綺麗な方に日本語にしてもらえて嬉しい。彼女のように日本語をしゃべりたい」とコメント。小林さんも恐縮しまくりだった。

 声の収録は9カ月に渡って51日間かけて行なわれたと言い、通常のゲームなら1人ずつブースで収録されるのだが、今回は一時期は17人もスタジオに集め、掛け合いのもと収録されたという。これは声優陣には演技を作る上でかなりの刺激になったようだ。長いシリーズともなると、当初とは色々な面で変わってきており大塚氏は「始まった頃は先輩も多かったが、(自分が歳を取り)今回は自分の立ち位置も考えた。緊張感もある良い現場だったのではないでしょうか」と振り返った。

【スペシャルゲスト】
大塚明夫さん。登壇し「みんな、待たせたな!!」とファンに語りかけると一気に会場の興奮は頂点に達した杉田智和さん。とにかく「METAL GEAR SOLID」シリーズのファンと言うことで、今回ものっけから「トークがすべったらフルトン回収される」とコメントし、会場を沸かせた井上喜久子さん。小島監督によれば「毎回収録にあたり井上さんの新しい引き出しを明けるよう配役を考えている」という。チコは「直球勝負」だったとか。
菊地由美さん。ストレンジラブの役の難しさだけでなく、ボーカロイドの収録が辛かったという裏話も披露小林ゆうさん。収録現場では「小林さんの面白いセリフを聞く時間があった」というほど大ウケだったとか。イベントでも大塚さんの物まねを披露し、爆笑の渦に巻き込んだセシールさん。なんとセシール・コジマ・カミナンデスにはモデルがいた!! KONAMIのフランスの営業を担当しているパリジェンヌなのだとか

イベントのラストは登壇者を初め会場のみんなで「Say Peace!!」とかけ声が掛けられて大盛況の内に終了した

 すでに全国大会も企画されており、小島監督も「ゴールデンウィークに遊んでもらい、明けたら学校や職場の皆とチームを組んで欲しい。東京ゲームショウで決勝大会をします」と語りかけ、「結構遊べるので、2カ月、3カ月と言わず1年遊んでほしい」と締めくくった。

 イベントで小島監督は「METAL GEAR SOLID」シリーズについて、オリンピックのようなもの」と表現。制作中はこれで終わりと考えながら、作品以外のことについては考えず、熱中して作っているが、終るともう次の作品のことを考えているという。

 小島氏は「次のオリンピック(作品)は頭の中にあって、すでに大塚さんには話してある。次回作でまた横浜でイベントをやりたい」と最後に語り、会場から大きな拍手が沸き起こった。

(C) 2010 Konami Digital Entertainment

(2010年 4月 29日)

[Reported by 船津稔]