東京ゲームショウ2009レポート

カプコンブースレポート「ゴーストトリック」スペシャルステージ
巧舟氏とプラチナゲームズ神谷氏がクリエイタートーク!
「ラストランカー」スペシャルトークライブでは声優の神谷浩史氏が登場


9月24日~27日 開催(24日、25日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 カプコンブースで開催されたステージイベントより、DS用ミステリー「ゴースト トリック」とPSP用RPG「ラストランカー」のイベントを紹介していこう。

 「ゴースト トリック」スペシャルステージでは、本作のディレクターを務める巧舟氏が登場。スペシャルゲストとしてプラチナゲームズの神谷英樹氏を招き、共に新作を開発中のクリエイター同士が魅力的なトークを展開するライブイベントとなった。

 「ラストランカー」スペシャルトークライブでは、主人公ジグの声優を務める神谷浩史氏が登場。「ラストランカー」は、カプコンが久々に挑むRPGであり、原点として格闘のカプコンらしいバトルを主軸にしたタイトルだ。声の収録についても独特なオーダーがあったということで、裏話が披露された。

■ 「ゴースト トリック」スペシャルステージに巧舟氏、プラチナゲームズの神谷氏が登場!

2010年 発売予定

価格:未定

左から、プロデューサーの竹下博信氏、ディレクターの巧舟氏、右がプラチナゲームズの神谷英樹氏
逆転裁判シリーズを手がけた巧舟氏。逆転裁判ファンが非常に多く登場に沸き立った
プラチナゲームズの神谷英樹氏。元カプコンで巧舟氏の同期。逆転裁判3のゴドー検事の声を担当した人物でもある

 「ゴースト トリック」スペシャルステージでは、「逆転裁判」シリーズを手がけたことで知られ、本作ではディレクターを務める巧舟氏、さらにスペシャルゲストとして元カプコン、現プラチナゲームズの神谷英樹氏が登場した。神谷氏は、カプコン在籍時代に「デビル メイ クライ」シリーズを手がけた事で知られ、巧舟氏とは同期の仲。さらに「逆転裁判3」に登場したゴドー検事の声を担当したという縁もある。イベント進行役は、プロデューサーの竹下博信氏が務めた。

 詰めかけたファンはやはり「逆転裁判」シリーズのファンが多く、巧舟氏の登場には大きな歓声が上がった。続いて神谷氏が登場したことで、さらにヒートアップ。神谷氏が着ているTシャツには、氏が現在制作している「ベヨネッタ」と、巧氏の「逆転裁判」を合わせた“魔女裁判”というパロディの絵柄がプリントされていた。ちなみにこのTシャツは、イベント終了時に脱ぎ、幸運な来場者の方にプレゼントされた。

 巧舟氏と神谷氏のトークでは、2人がお酒の席で互いの作品のアドバイスをしたり、励ましあったりした様々な思い出話から、「ゴースト トリック」を見た神谷氏の感想など多彩だった。神谷氏は「ゴースト トリック」を見て「ものすごく巧舟らしいゲーム」と感じたという。

 また、グラフィックスに関する技術的な面も解説された。本作のグラフィックスは単純な3D描画ではなく、PCで高画質にレンダリングしたものをパターン別に取り込んでDSで再生させているという。これによって、DSとは思えないレベルのよく動くキャラクターが実現できたということだ。神谷氏もこれには関心しているようで、ぜひ実際にDSで見てあげて欲しいと語っていた。

 ここからトーク内容は、次第にクリエイタートークらしいゲームへの考えに。巧舟氏は今作であえて横から見た平面のグラフィックスにこだわったと語ったが、神谷氏からは「個人的にはぜひハイエンドなスペックのゲームも作って欲しい」と巧舟氏にアピールする場面も。神谷氏は、将来カプコンとプラチナゲームズでゲームを作ってみたいとも語っており、今後を期待させる瞬間だった。

 「ゲームを作るとはどういうものか?」という質問には、巧舟氏はゲームを作ることは生活そのもの。日常で呼吸をするようにして、その時々の自分でゲームを作っていると語った。神谷氏はエンターテイナーでありたいとし、安定しているが無難なものより、作り手の個性が強烈に出るゲームを作っていきたいと語った。プライベートでも非常に仲が良いという2人のクリエイターの、充実したトークライブとなった。

同期にして、今はそれぞれ最新のタイトルを制作中の巧舟氏と神谷英樹氏。プライベートでも非常に仲が良く、同期だけに愚痴も気軽に言い合えるいい関係だということだ。注目したいのは神谷氏のTシャツ。ベヨネッタと逆転裁判がコラボした“魔女裁判”というパロディになっている。グッズとして出して欲しい?



■ 「ラストランカー」スペシャルトークライブにはジグ役の声優 神谷浩史氏が登場

2010年 発売予定

価格:未定

写真左が主人公ジグ役の声優を務める神谷浩史氏、右がプロデューサーの松川美苗氏

 ラストランカーの主人公、ジグの声優を務める神谷浩史氏をゲストに招いてのスペシャルトークライブが開催された。司会進行はサウンドマネージャーの田中雅之氏、本作の魅力を語るもう1人のゲストには本作のプロデューサーである松川美苗氏が登場した。

 声の収録状況は、本編収録もこれからとのこと。そのため、神谷氏自身もどんなストーリーになっているのか興味津々だという。ご本人は大のゲーム好きということで、ファミコン時代からたくさんのゲームをプレイしているという。カプコンのタイトルなら何を遊んでいるかという会話では、「魔界村」や「バイオハザード」シリーズの名前を挙げていた。「モンハン」も声優仲間と共に遊んでいるということだ。

 ジグの声を収録した時のエピソードでは、攻撃するときなどに出すかけ声について“格闘ゲームのような太く強い声で”という指示があったという。“スマートにかっこよく”ではなく、全部の音に濁点がついているような全力の声でというわけだ。そのあたりは、カプコンと言えば対戦格闘ゲームをはじめとしたバトルであり、構想の発端にシナリオの新納一哉氏は「ストII」世代というキーワードがあったことなどが理由にありそうだ。

 ジグ以外の他のキャラクターについて、2人が紹介された。1人はファズというキャラで、カンタレラという村でジグと共に育った親友。だが、村を捨てて出て行ったジグといずれ剣を交えることになるようだ。

 もう1人はレンという女性のキャラクターで、ランキングを統括する機構“戦候機構バザルタ”にジグと同じタイミングで参加する同期だという。性格については一言で表現すると“王家ツンデレ”だという。

 本編収録こそはまだこれからだが、一言一言誠心誠意頑張っていきますと神谷氏が締めの挨拶を述べ、イベントは終了した。

写真左が主人公ジグ、中央は同郷の幼なじみファズ、右がランキングを統括する機構“戦候機構バザルタ”にジグと同じタイミングで参加するレン。彼らとどのようなやり取りをするのかはまだ明かされていないが、シリアスな人間関係が待ち受けているということだ


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(2009年 9月 26日)

[Reported by 山村智美 ]