AQインタラクティブ、「KORG DS-10 お誕生会」で
「KORG DS-10 PLUS」をお披露目
アーティストの熱気で4時間あまりを無事完走!


7月25日 開催

会場:club axxcis(渋谷)

【KORG DS-10 PLUS】

9月17日 発売

価格:3,990円
    5,985円(Limited Edition)

CEROレーティング:A(全年齢対象)


AQインタラクティブの岡宮氏(左)、キャビアの佐野氏(中)、コルグの金森氏(右)

 株式会社AQインタラクティブが2008年7月24日に発売したニンテンドーDS用音楽ツール/ソフト「KORG DS-10」。KORGのアナログシンセサイザー「MS-10」をモチーフに、DS上でパッチング可能な2台の2オシレーター・アナログ・シンセ・シミュレーターを作り上げただけでなく、4パートのドラムマシンや6トラック/16ステップのシーケンサーも搭載。データの記録に加え、パッチングやDSならではのカオス・パッドやキーボードによるリアルタイムな音色変化や演奏が楽しめる1本として、アナログシンセ体験世代から、未体験の新たな世代まで、楽器として、道具として話題を呼んだタイトルとなった。

 その発売1周年を記念して、本作のプロデュースを手がけた株式会社キャビアの佐野信義氏、AQインタラクティブの岡宮道生氏をMCに、DS-10で動画配信サイトやライブを盛り上げてきたアーティストたちが集合、4時間30分あまりのパフォーマンスを繰り広げるという「KORG DS-10 お誕生会」が、渋谷club axxcisにて7月25日に行なわれた。



■ DSiで「DS-10 PLUS」の「Dual DS-10モード」を実演、「Limited Edition」には「RYDEEN」が収録!

 このイベントの中盤、株式会社コルグの金森与明氏によって、9月17日に発売予定の「DS-10 PLUS」のお披露目が行なわれた。金森氏は、「DS-10」のプリセット音やデモソングを手がけており、「DS-10 PLUS」でどんなことができるのか、進化した部分をメインに紹介が行なわれた。

 「DS-10 PLUS」では、トラックMUTEのプログラムが可能になり、さらにSONGモード・プレイ中でもパラメーター・エディットが行なえるようになるなど、いくつもの強化ポイントがある。さらに、ニンテンドーDSiの専用機能として「KORG DS-10」2台分の性能となる「Dual DS-10モード」が搭載されている。ステージではこの「Dual DS-10モード」を実演。同時発音数12音、アナログ・シンセ・シミュレーター4台、ドラム・マシン2台にパワーアップした新たなデモンストレーション曲(の一部)が流れると、会場から歓声が上がる。どうやら、ボコーダーを通したようなボイスも聞こえ、しゃべらせることもできるようだ。

 また、岡宮氏からは同時発売となる学研の「大人の科学」とのコラボレーションから生まれた「Limited Edition」には、Y.M.O.の名曲「RYDEEN」がデモソングとして(フルバージョンではないそうだが)収録されることが発表された。アナログシンセで作りたい曲の中では人気の楽曲だけに、それだけでも聞いてみたいDS-10ファンは多いだろう。このデモソングは、「DS-10 PLUS」の通常版のデモソングとは別に収録されており、「Limited Edition」はこの曲が追加収録される形となる。

 岡宮氏や佐野氏からは「DS-10 PLUS」はすでにマスターアップしたとの報告もあり、来場していた関係者も安堵の表情を浮かべていた。前作「DS-10」でもDSの性能をかなりの部分まで使いこなすことで実現していた数々の機能をパワーアップさせることには、相当の苦労があったようだ。


「DS-10 PLUS」のデモソングが実演された


■ キーボードあり、カオス・パッドあり、携帯あり、iPhoneあり、バルーンアートあり、そして最後はMS-20/50などコルグずくしのライブ

 イベントは、佐野氏の妄想を実現したというユニット「DG-10」の初披露からスタート。今井麻美さん(VCO)、長谷川明子さん(VCF)、又吉愛さん(VCA)の3人による新生アナログ・シンセサイザーというコンセプトで、佐野氏の妄想を具体化したオリジナル「アメフリカエル」、テクノのスタンダードナンバー「ハイスクール ララバイ」と2曲を披露。会場ではCDとカセットテープ(これも佐野氏の妄想だそう)の先行販売も行なわれていた。

そこから、「L-eye & baker」、「Suttoko-Dokkoy」、「mryat」、「CardiacTrance」、「DSi to Orchestra」、「Gospely」、「若草レコード(無限軌道、THE 歩兵、孫娘)」、「がりばぁ と こびっつ(神奈川子ども会連合会)」、間に、「ねここ」さんを招いての「Happy Birthday」の合奏とケーキのお披露目をはさんで、「【夜間】」、「怖音」、「Denkitribe」、「koishistyle」、「ヨナオケイシ」とDS-10をコアにアーティストたちが次々にライブを展開。岡宮氏が「これだけすごいことができるなら、『DS-10 PLUS』はいらないのでは?」というぐらい巧みな、そしてアツい出音が印象に残った。

 面白かったのは、キーボードによるリアルタイム演奏をメロディーに持ってくる人、カオス・パッドを使いこなす職人、2台のDS Liteを使いこなす人がいるかと思えば、ショルダーキーボードよろしく1台のDS(初代)を弾きまくる人、携帯アプリやiPhoneのアプリを併用したり、ボーカルを加えた構成を展開する人など、それぞれが独自のスタイルを作り上げて音を構成していたこと。また、DSを操作するアイテムとしては、標準添付のタッチペンの人もいたが、本体に収められてかつ引き伸ばせるタイプのタッチペンを使っている人が多かった。ほかに、外見をデコレートしている人も少しいたが、クリアタイプのカバーをつけている人も多かった。本体は外光での視認度を考えて、初代DSをチョイスしている人もいたが、ほとんどがDS Liteを使用していた。「DS-10 PLUS」リリース後は、DSiが一気に増えるのだろうか? もう1つ、観客も演奏が始まると楽曲に耳と体を預けながらも、手元が映し出されるモニターに目が釘づけ、という人が多かったのは興味深かった。一般的ライブではあまり見られない光景だろう。

 トリをつとめたのは、松前公高さん。「EXTRA」などでもコルグのアナログシンセ「MS-20」をステージに持ち込んでのプレイが印象的だったが、今回は「MS-20」、「MS-50」、「SQ-10」と、シンセサイザー2つにアナログシーケンサーまで舞台に上げ、まずそのセットアップ風景に観客のため息が聞こえてきた。そして、楽曲もアナログシンセの魅力がはっきりわかる独特の音色の変化、そして、いつ展開したのかわからないほどの多彩なフレーズで、聴いているものの予想をはるかに裏切る展開を見せてくれた。「DS-10がうまく使いこなせないので、古い楽器で出させてもらいます」と言ってはいたものの、古くからのゲームミュージックファンだけでなく、「おしりかじり虫」などで松前サウンドを知った人にはインパクトのあるライブとなったことだろう。


新生アナログ・シンセサイザー「DG-10」からイベントがスタートそれぞれが独自のスタイルでステージを作り上げていた。「怖音」さんはDS2台をミキサーの上にスタンドで固定し、スーツといういでたちと、その出音のギャップに会場は恐いやらびっくりするやら
カメラでプレーヤーの手元を映し出し、会場内のモニターに映像を流していた。その手元をアツく見つめる来場者が多かったラストを飾った松前公高さんのアナログシンセ+アナログシーケンサーのステージは、セットアップだけでためいきもの



(C) 2009 KORG Inc. All rights reserved. (C) 2009 PROCYON STUDIO CO., LTD. All rights reserved. (C) 2009 AQ INTERACTIVE INC.
Game Design, Game System and Game Engine by cavia inc. Synthesizer Design and Sound Engine by KORG Inc.

(2009年 7月 27日)

[Reported by 佐伯憲司]