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ヘリテージ・オークションズ、2025年度上半期総売上高が同社史上最高額となる9億6,200万米ドルを記録

コミック&コミックアートなど各部門での記録的な落札結果が好業績を牽引

7月23日 発表

 ヘリテージ・オークションズは、2025年上半期(1月から6月)の総売上が9億6,200万ドル(約1,420億円)に達したことを明らかにした。

 同社は、米国最大のオークションハウスであり、世界最大の収集品オークショニア。今回の売上は、創業49年の歴史における中間期売上として過去最高の記録であり、昨年2024年同期に樹立された9億2,400万ドルという売上をさらに更新する結果となった。

 この好調な業績は、複数の大型イベントや世界的に著名なコレクションの出品が予定されている2025年後半にも継続すると見込まれており、2024年の総売上18 億6,700万ドル、2023年の17億6,000万ドルに続き、5年連続で年間売上記録を更新することが期待されている。

 また、ヘリテージ・オークションズのオークション参加者数も着実に増加しており、5月にはオンライン入札会員数が200万人突破を記録している。
(※日本円は発表時の為替レート)

2025年上半期も複数の記録的オークションが過去最高売上を牽引

 2025年上半期のヘリテージ・オークションズの業績は、同社の中でも特に成長著しい主要カテゴリーであるコミック&コミックアート、スポーツ、エンターテインメント、アメリカンアート、そして紙幣・コイン部門における際立った成果によって牽引された。

 年初に開催されたコミック&コミックアート・オークションでは、落札総額1,079万ドル(約15億8,900万円)を記録し、複数のオークション記録を更新した。1979年発行「アメイジング・スパイダーマン」第194号のオリジナルカバーアート(“衝撃の新悪役”ブラックキャットが初登場する表紙原画)は、102万ドル(約1億5,020万円)で落札され、スパイダーマン関連のカバーアートとして史上最高額となる新記録を樹立した。また「ディテクティブ・コミックス」第38号におけるロビン初登場号が13万2,000ドル(約1,940万円)で落札され、この歴史的な号としての最高記録となった。

1979年発行「アメイジング・スパイダーマン」第194号のオリジナルカバーアート
「ディテクティブ・コミックス」第38号ロビン初登場号

 2月には「ウィンター・スポーツカード・カタログオークション」が開催され、総額1,069万ドル(約15億7,400万円)を記録。中でも、アレン・アイバーソン選手のNBAカードが70万1,500ドル(約1億300万円)で落札され、これまでの記録である7万9,200ドルを大きく上回り、新たな最高額を更新した。

 またマイケル・ジョーダン選手の1997~98年の「SkyBox Metal Universe プレシャスメタル・ジェムズ」インサートカードは、PSA評価エクセレント5というグレードにもかかわらず、37万8,200ドル(約5,570万円)で落札され、このグレードとしては過去最高額を記録した。このカードは、ジョーダン選手最後の優勝シーズンに発行された希少な1枚としても知られている。

アレン・アイバーソン NBAカード
マイケル・ジョーダン 1997-98年「SkyBox Metal Universe プレシャスメタル・ジェムズ」インサートカード

 続いて開催された「ウィンター・プラチナナイト・スポーツカタログオークション」では、総額2,447万ドル(約36億400万円)の売上を記録し、ロジャー・マリス選手が1961年の伝説的な61本塁打シーズン中に着用したニューヨーク・ヤンキースのピンストライプ・ユニフォームが158万6,000ドル(約2億3,350万円)で落札された。これは、マリス選手関連のアイテムとして史上最高額となる。

ロジャー・マリス選手が1961年の伝説的な61本塁打シーズンに着用したニューヨーク・ヤンキース ピンストライプ・ユニフォーム

 貨幣部門では、1月だけで1億ドル超(150億円以上)を売り上げ、コインおよび紙幣分野における同社のリーダーシップを改めて示した。また、3月には西洋のオークション史上最も高額となった「日本アニメーションアート・オークション」が開催。スタジオジブリの作品を中心に「AKIRA」や「ドラゴンボールZ」など、ほぼ全品が日本のアニメ作品で構成された本オークションでは、落札総額149万1,000ドル(約2億1,950万円)を記録している。

ポップカルチャー、ファインアート、デザイン部門も躍進

 4月に開催されたコミック&コミックアート・オークションでは、総額1,850万ドル(約27億2,460万円)を記録。中でも「マーベル・スポットライト」第32号の表紙原画(ギル・ケイン氏作)が69万ドル(約1億160万円)で落札され、現在「スパイダーウーマン」として知られるキャラクターの初登場を飾るこの作品は、ギル・ケイン氏の新たなオークション記録を打ち立てた。

「マーベル・スポットライト」第32号 表紙原画(ギル・ケイン氏作)「スパイダーウーマン」初登場

 ファインアート部門では、4月のプリント&マルチプル・オークションにおいて、キース・ヘリング氏の1986年作「Andy Mouse」の版画が32万5,000ドル(約4,780万円)で落札され、同作品のオークション史上最高額を更新した。

キース・ヘリング氏 1986年作「Andy Mouse」の版画

 5月に開催された「インペリアル・ファベルジェ&ロシア美術品オークション」では、ファベルジェ製のパンチボウルセットが75万ドル(約1億1,000万円)で落札された。クラシックなアメリカンアートはヘリテージが誇る中核カテゴリーのひとつであり、5月16日に開催された同分野のオークションには、ノーマン・ロックウェル氏、モーリス・センダック氏、アーニー・バーンズ氏といった著名作家の重要作品が出品され、総額1,200万ドル(約17億6,700万円)を記録した。中でも、センダック氏による1963年の名作「かいじゅうたちのいるところ」のオリジナル原画は62万5,000ドル(約9,200万円)で落札され、同作家の過去最高落札額のおよそ2倍となる記録を打ち立てた。

ファベルジェ製のパンチボウルセット
センダック氏1963年の名作「かいじゅうたちのいるところ」オリジナル原画

 ラグジュアリー分野も大きな成長を見せた。6月には、希少な1969年製「ポール・ニューマン」ロレックス デイトナ Ref.6239が25万ドル(約3,680万円)で落札され、「ウォッチ&ファインタイムピース・オークション」の総売上は383万ドル(約5億6,400万円)に達した。

 同月に開催された「HKINF(香港国際貨幣フェア)オークション」は、希少な日本貨幣を含む世界屈指のアンティークコイン・コレクションである「Peh family(白家)コレクション」およびオランダ紙幣コレクションとして過去最高額を記録した「Toele コレクション」が牽引し、落札総額は1,520万ドル(約22億3,800万円)を超えた。また同じく6月には「アクション・コミックス」第1号の表紙が単独で出品され、40万8,000ドル(約6,000万円)で落札されている。この落札は、総額2,260万ドル(約33億2,850万円)を記録した「コミック&コミックアート・オークション」を牽引するハイライトとなった。

1969年製「ポール・ニューマン」ロレックス デイトナ Ref.6239
「アクション・コミックス」第1号表紙 スーパーマン初登場

2025年下半期もさらなる話題作が続々登場

 2025年下半期は、7月15日から18日に開催された「ハリウッド/エンターテインメント・シグネチャー・オークション」には、ハリウッド映画のプロデューサーで巨匠監督だったセシル・B・デミル氏の生涯コレクションをはじめ、数々の象徴的な映画小道具が登場した。中でも注目を集めたのが「市民ケーン」の「バラのつぼみ(Rosebud)」のそりで、1,475万ドル(約21億8,300万円)で落札された。これは、2024年のヘリテージのオークションで落札された「オズの魔法使」の「ルビーの靴」(3,250万ドル/約48億1,000万円)に次ぐ、映画関連メモラビリアとして史上2番目の高額落札となった。

 また「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」で使用されたブルウィップ(鞭)が52万5,000ドル(約7,770万円)で、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」の撮影用オリジナルミニチュア「レッド5」X ウイング・スターファイター(ルーク・スカイウォーカー機)は37万5,000 ドル(約5,550万円)で落札された。

 8月に開催される「サマー・プラチナナイト・スポーツオークション」では、マイケル・ジョーダン選手とコービー・ブライアント選手の両者がサインした、2007~2008年製「アッパーデック・エクスキジット・コレクション デュアル・ロゴマン・カード」が出品される予定。落札予想額600万ドル(約8億8,800万円)以上とされており、史上最も高額なNBA カードのひとつとなる可能性を秘めた注目のカードとなっている。

 年内には、ヘリテージ・オークションズとSAG-AFTRA(全米映画俳優組合・テレビラジオ芸術家連盟)が共同で、ハリウッド関係者の個人コレクションから選りすぐりの品々を出品する、画期的なオークションも開催される予定。

【ヘリテージ・オークションズ CEO兼共同会長 スティーブ・アイビー氏 コメント】

 2026年に創業50周年を迎えるにあたり、当社はこれまでにない勢いで成長を続けています。また、コレクターズアイテム市場における世界的リーダーとして、当社は新たなオフィスの開設やカテゴリーの拡充、そして数々の記録的成果の達成を続けており、さらには、ポップカルチャー分野への情熱をきっかけにオークションの世界に足を踏み入れた多くの初参加者を含む、次世代の新たな顧客層を歓迎しています。

【ヘリテージ・オークションズ共同会長 ジム・ハルペリン氏 コメント】

 私たちがヘリテージを創業したのは、透明性、革新性、グレーディングの標準化、信頼できる来歴と真正性、そしてコレクションへの情熱こそが、コレクティブル市場を次のステージへと導くと信じていたからです。そして、こうした最近の成果こそが、その信念の正しさを証明しています。最も楽しみなことは、これがまだ始まりにすぎないということです。ヘリテージは、収集家がオークションと関わる方法を再定義し、世界中の人々がより自由にアクセスできる環境を整えることで、文化的遺産を守り、称える取り組みに、かつてないほど多くの方々が参加できる未来を築こうとしています。