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「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」で「妖怪ウォッチ」が最優秀賞を受賞

日野晃博氏「チーム」とは「悪ノリ仲間」

11月20日 開催

会場:原宿クエストホール

 ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会は、毎年各業界で最も顕著な業績を残したチームを表彰する式典「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」を原宿クエストホールで開催した。ノミネートされた3チームのうち、レベルファイブの3DS「妖怪ウォッチ」プロジェクトチームが最優秀賞を受賞した。

 表彰式に出席した「妖怪ウォッチ」プロジェクトチームは、代表取締役社長/CEOの日野晃博氏とゲームディレクターの本村健氏を始め、「ようかい体操第一」作詞と振り付けを担当したラッキィ池田さんなど9人(ケータくんとジバニャンを含めると10人+1匹)。人気子役の加藤憲史郎さんがゲストプレゼンターを務めた。

 受賞の感想を求められた日野氏は「『妖怪ウォッチ』は“普遍的なコンテンツ”を作りたい、『ドラえもん』など長く続いて皆に愛されるものを、今この時代に作ってみたいと企画した。ひとつの企画を多方面で展開し流行させる“クロスメディア”において、『妖怪ウォッチ』はあらゆるものが成功した非常に珍しい状態で進められている。チーム一同、大変喜んでいます」とコメント。

 ラッキィ池田さんは「今から6年ほど前に、古くからの友人で音楽プロデューサーの高木貴司さんから連絡があり『ラッキィ、何か面白いことをやろうよ』と始まったのが『イナズマイレブン』シリーズの音楽制作。そこからレベルファイブさんとは長いお付き合いがあり、色々なものを制作してきた結果、子供たちに大ヒットして凄く嬉しい。たとえば、学校で喧嘩をした友だちが『ようかい体操』や『ゲラゲラポーの歌』で歌ったり踊ったりして仲直りしたり、親御さんもそれを喜んでくれたり、そういったことを想像して作ってきた。これからも子供たち、家族、みんなが楽しめるものをたくさん作っていきたい」とコメント。直後、加藤憲史郎さんのお願いにより「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」バージョン「ようかい体操第一」がステージにて披露された。

日野晃博氏
ラッキィ池田さん

主人公のケータ君とジバニャンも出席

加藤さんのお願いにより「ようかい体操第一」を受賞者一同で披露。キメのポーズは手をつないでチームの絆を表現

 受賞トークセッションには、総合プロデュースのおちまさとさん、委員長の斎藤孝氏、日野氏の3人が出席。「妖怪はいつ思いついたのか?」との問いには「ゲームの世界では“モンスター”が多用されるため、違うものを使わないと先行するコンテンツに対して弱い。そろそろ妖怪がいけるかな? と直感的に思った」と説明。協力各社のプロ意識を最大限リスペクトしているといい、「妖怪メダル」の大ヒットも「物凄い工夫のもとに作られている。計算されたノウハウと戦略がある。ぼくらも相乗効果が生まれるよう一緒に作戦を練る。そういう会社を超えたチーム力が『妖怪ウォッチ』では特別に強かった」とコメント。

 続けて「家族皆で楽しめるもの。TVアニメも、子供たちに向けた展開と、大人しかわからないギャグを入れたりして“家族に会話を生む”コンセプトで作っている。ひとつひとつを各分野の人が知恵を出し合えたので、今の『妖怪ウォッチ』チームは“どのコンテンツにも負けない”感じがする」という。

 「チームとは」のフリップに日野氏が記したのは「悪ノリ仲間」。会議中の空気がまさにこのノリといい「皆が恥ずかしげもなく発言し、まとめていく。たまに苦情がきて謝罪みたいなこともあるんですけど(笑)。そういうエネルギーのあるチームになっている。会議風景を取材された際に『居酒屋にいるみたいですね』といわれたが、僕らにとっては凄い褒め言葉。楽しいことを皆で考えようぜ! というノリでやっている。ビジネスというよりも、子供が集まって悪だくみをしているみたい」とコメント。正スパイラルを描く「妖怪ウォッチ」の勢いは、来年以降もさらに加速していきそうだ。

(豊臣孝和)