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【E3 2014】低重力空間バトルが楽しい「Borderlands: The Pre-Sequel」体験レポート

凍らせたり、粉砕したり、溶かしたり! 未だかつてない立体感のある新感覚バトルを堪能しよう!

6月10日~6月12日開催(現地時間)



会場:Los Angeles Convention Center

 いまや2Kを代表する人気シリーズに成長した「Borderlands」シリーズ。「Diablo」のお株を奪うほぼ無限かつ魅力的なアイテムバリエーション、トレハン魂が炸裂する仲間との協力プレイ、そしてちょっとネジが2、3本外れたぶっ飛んだシナリオなどが受け、「Diablo」シリーズによく使われる“ハック&スラッシュ(切り刻み、叩きつぶす)系のアクションRPG”ならぬ、“シュート&ルート(撃って奪う)系のアクションシューター”の代表格となっている。その最新作「Borderlands: The Pre-Sequel」が、E3 2014で初公開されたのでさっそくご紹介したい。

4人CO-OPで試遊できた
プレイできたのはグラディエーターのアテナ。ダメージを無効化するシールドを持つ
低重力の月面世界が舞台となる
左下のHP表示の下にあるのが「O2」。活動中この数字がどんどん減っていくので、0になる前に酸素ポッドにたどり着かなければならない

 「Borderlands: The Pre-Sequel」は、初代「Borderlands」と「Borderlands 2」の間という舞台設定で、「Borderlands 2」で悪の限りを尽くしたハンサム・ジャック率いるハイペリオンの一員として、反対の立場から見たサイドストーリーが楽しめる。開発はGearbox Softwareと2K Australiaの共同開発で、2K Australiaが主体となって行なわれている。

 なお、発売プラットフォームはプレイステーション 3およびXbox 360で、現行機のみでの展開となる。Gearbox Software本体は現在、次世代機向け初のシリーズとなる「Borderlands 3(仮称)」の開発に集中しているとみられ、「Borderlands: The Pre-Sequel」はいわばそれまでの繋ぎ、ワンポイントリリーフ的な存在となる。

 と思いきや、実際にプレイしてみると、良い意味で期待を裏切られた。正直なところ、グラフィックスは同じ2Kの「Evolve」や、グループ会社Rockstar GamesのPS4/Xbox One版「Grand Theft Auto V」より数段劣る感じで、見劣りしてしまう部分があるが、ゲーム性にかけては、定評の高い「Borderlands」シリーズのシンプルながらも奥の深いゲーム性に加えて、様々な新要素が搭載されていることもあって、10台以上並んだ試遊台で最後の1人になるまで夢中で遊び込んでしまい、スタッフに「そんなにおもしろかったか?」と笑われてしまったほどだ。逆に言うと、わずか15分ほどの試遊で体験できたのは、グラフィックスとゲーム性の部分だけなのだが、「Borderlands」のCO-OPゲームとしての吸引力の強さを改めて感じた次第だ。

 まず、低重力がいい。今回は惑星パンドラではなく、その衛星である月が舞台となっており、空気がなく、重力もほとんどないという月面世界を動き回ることになる。低重力ならではの独特の浮遊感と、若干もっさりした操作感、敵を真上から射撃できるほどの大ジャンプなど、従来のシリーズにはなかった独特の感覚がプレイしていて楽しい。

 FPSでは、どれだけレベルデザインを立体的に構築しても、戦いそのものはどうしても平面的になりがちだが、「Borderlands: The Pre-Sequel」では、基本的なジャンプ力が高い上に、射出装置を使ったジャンプ台があり、さらに低重力のため滞空時間が長いため、空中戦が発生しやすく、立体感のある戦いが楽しめる。これは意外なおもしろさで、「Borderlands: The Pre-Sequel」独自の魅力だ。

 また、武器についても、例によって指数関数的なバリエーションになっており、とりわけ敵を凍らせたり、ジャンプ中に敵を踏みつけたり、銃撃をヒットさせることによって敵を溶かしたりなど、強烈な効果を持つ武器が増えており、バトルに深みを加えている。

 レベルデザインも立体的で、頻繁に高所に登らされるため、戦いが立体的になりがちで、操作が難しいかとも思ったが、先述したように低重力のため、操作感はややもっさりしており、若干スローモーション気味の感覚で戦えるため、それほど忙しくはない。むしろ、凍らせて粉砕するギミックが多用されるため、破片が宙を舞い飛んで、それで視界が遮られて難易度が若干アップしているなと感じたぐらいだ。

 また、新しいパラメータとして「O2(酸素)」がある。理由はちょっとよくわからなかったが、「Borderlands: The Pre-Sequel」では、月面活動中に酸素が減り続ける仕様になっており、一定毎に酸素を充填してくれるポッドに戻る必要がある。ただ、比較的色んな所に配置されているため、それほど困る印象はなく、このシステムの評価はもう少しプレイしてみないとわからない。いずれにしても15分の試遊では、ストーリーやシステム的な部分まではたどり着けなかったため、また機会があればプレイしてレポートをお届けしたい。

【スクリーンショット】

(中村聖司)