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【E3 2014】ディレクター宮崎英高氏が解説するアクションRPG「Bloodborne」

高い難易度での“死闘”が楽しめる、凄惨なゴシックホラーに注目!

6月10日~6月12日開催(現地時間)



会場:Los Angeles Convention Center

 E3 2014のSCEAブースで人気を集めていたのがプレイステーション 4向けアクションRPG「Bloodborne」だ。ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアと「Demon's Souls」を生み出したフロム・ソフトウェアがタッグを組み生み出される次世代アクションRPGとはどのようなものなのだろうか? 今回はディレクターを務めるフロムソフトウェア取締役社長の宮崎英高氏がデモプレイを解説する形で、ゲームの概要が語られた。

 「Bloodborne」はゴシック風の世界観で、プレーヤーは人が風土病で恐ろしい“獣人”に変わる中、それを恐れ街の人々が獣人を狩りながら正気を失っていく街を探索していく。周囲はすべて敵という過酷な状況と、アクション性の高い戦闘でのぎりぎりな戦sいが楽しい作品という印象を持った。

【Bloodborne(ブラッドボーン) デビュートレーラー】

変形するギミック武器を駆使し、戦いを繰り広げる、ハイレベルのアクションRPG

アクション性の高い戦闘が本作の魅力
獣人を火あぶりにする群衆。彼らも敵だ
ギミック武器を展開。リーチと攻撃速度が変わる
出現する巨大ボス。どう戦う?

 今回のデモでは、フロム・ソフトウェアのスタッフがデモプレイを行ない、宮崎氏が解説を加えるという形で進行した。本作は3つのテーマで製作されている。1つめが「未知の探索」、ストーリー、マップ、攻略法などすべてが謎に包まれていて、それを探していく楽しさがある。

 2つめが、「バトルの死闘感」。敵はとにかく強く、演出面でも恐ろしく描かれている。プレーヤーはこの恐ろしい敵に“能動的”に戦いを挑まなくてはならない。3つめが「ユニークなオンライン体験」。こちらは今回は詳細を明かせないという。

 プレーヤーキャラクターは巨大なカミソリのような中折れ式の刃物を右手に、左手には巨大な銃を持っている。黒いコートに身を包み、ロンドンの貧民街を思わせる煉瓦造りの街を歩いていくのは独特な雰囲気がある。

 この街の名前は「古都ヤーナム」。時代は19世紀の“ヴィクトリア朝”をイメージした、ゴシック調の雰囲気となっている。街は人が獣に変わる風土病に襲われており、人々は武器を手に「獣狩り」に蜂起し街を徘徊しているが、彼ら自身も獣の病に冒されており、主人公を見つけると問答無用で襲いかかってくる。

 デモの舞台は深夜の街。空には巨大な満月がかかっている。街にはいくつものかがり火が燃えている。これは獣狩りの住人達が、獣に変わった人を焼き殺している炎だ。獣狩りは集団で動いていて、見つかると囲まれてしまうので注意が必要だ。

 主人公の右手の武器は「ギミック武器」と呼ばれていて、中折れ式の刃を変形させて使う。刃を開いた状態の場合はリーチがあるが振りが遅くなる。変形させながら切る場合は早く振れるがリーチが短くかわされやすい。武器を当てるとザクリという感じで切れ、敵の身体からおびただしい血が噴き出す。

 マップにいるのは、ほとんどが主人公を見かけたら襲いかかってくる敵で、手に大きな鉈を持っていたり、細くそりかえった刃物を持つ敵や、銃を持っている敵もいる。彼らから逃げることもできるが、追いつかれ囲まれることもある。距離を詰めて一気に攻撃する敵もいて、ザコといえど侮れない。さらに閉ざされたドアをたたき続ける巨大な体躯の獣人などもいて、ホラーな雰囲気満点だ。

 戦闘は“死闘”という表現がふさわしい。敵は取り囲むように迫ってきて強力な攻撃をしてくる。主人公はダッシュなどで敵の攻撃をかわしたりして隙を作り、巨大なギミック武器をたたきつける。また左手の銃はショットガンで、近距離で当てると大ダメージを与えられる。

 敵の攻撃はうまくカウンターを当てることで大ダメージを与えることができる。そのタイミングはシビアで、プレイになれたスタッフでも苦戦する状況が多かった。今回のデモではキャラクターは強く設定されており、「通常プレイでは数回は死んでいる」という状況だという。かなりのぎりぎりの戦いを楽しめるバランスのようだ。

 今回のデモでは、山羊のような頭を持ち、左手が木のツタのような筋肉に覆われ醜く肥大化したボスモンスターが最後に現われた。耳障りな甲高い声を上げながら攻撃してくる敵で、攻撃範囲が広い上に、こちらの攻撃はつぶされてしまうことも多く、「どうやって戦うんだ?」と思わずにはいられない敵だった。今回は決着を見せないままデモは終わった。

 質疑応答では“謎”を強く意識させるもので、宮崎氏は武器の種類や、「Bloodborne」というタイトルの意味、他の街の存在などもすべて「ネタバレは避けたい」ということで答えはなかった。ただし、ギミック武器は変形することで様々な使い方ができるものから、1つの目的に特化した物まで様々なものがあり、基本は右手がギミック武器、左手が銃の構成となる。左手は明かりを確保するためにたいまつを持つこともあるという。

 独特なダークな世界観、駆け引き要素の強いシビアな戦闘、多彩な戦闘が楽しめるギミック武器など、奥深いゲーム性と世界観が楽しめる、コアプレーヤーの挑戦心を強く揺さぶるゲームとなりそうだ。今後の情報にも期待したい。

【スクリーンショット】
おどろおどろしい雰囲気は、作品全体を覆っている

(勝田哲也)