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ついに来た、「World of Tanks」に日本軍ツリーが実装!
戦前モデルから第二次大戦モデル、戦後第2世代まで、その使い勝手をレポート
(2013/12/26 00:00)
12月24日、ウォーゲーミングジャパンはオンラインタンクバトルゲーム「World of Tanks」の最新アップデート8.10を公開。日本ファン念願の日本軍ツリーが実装された。
去る9月に公式の日本語版サービスが開始されてわずか3カ月。急ピッチで開発が進められたと見られる日本軍ツリーには、Tier1からTier10まで14両の軽戦車・中戦車が収録された。中には史実において計画や試作のみで終わった車両も含まれており、「WoT」開発陣の誠実な努力が伝わってくる出来だ。砲塔側面に輝く日章旗も嬉しいポイントである。
というわけで本稿では、Tier1の「ルノー乙型戦車」からTier5の「三式中戦車チヌ」までをさっそく使ってみた印象をご報告。ドイツ、ソ連、アメリカ、フランス、中国のどれとも違った個性を放つ日本戦車のおかげで、「WoT」の楽しみがまた広がりを見せることは間違いない。
優秀な砲と悪くない機動性と、紙のごとき装甲が織りなすハーモニー
Tier1「ルノー乙型戦車」にはじまり、Tier10「STB-1」(74式戦車のプロトタイプ)まで続く日本軍ツリー。そのうち史実において大戦中までに量産・配備された戦車はわずか4車種ほどにすぎず、まともに実戦を経験した車種は更に少ない。そしてTier8~Tier10にかけては戦後世代だ。こんな技術ツリーからは、伝統的に戦車に重点が置かれなかった日本軍の歴史が透けて見えて面白い。
とはいえ、史実ではプロトタイプしか製作されなくても、設計図オンリーの存在であろうとも、完全整備された車両をいくらでも実戦投入できてしまうゲームが「World of Tanks」だ。年代区分を無視した同Tier帯で競るかぎり(例えば他国では大戦初期の戦車が中心のTier4には早々に大戦末期の日本戦車が登場する)、日本の戦車は意外と使いやすく、同格戦車を悩ませるほどの特性をもつ。
日本軍には重戦車や突撃砲、自走砲のカテゴリーはそもそも存在しなかったため、本作でプレイできる日本戦車は軽戦車・中戦車に限られるが、全体的な方向性で言うと、日本軍ツリーに存在する各戦車の特徴は次のようである。
・各戦車の最終砲は貫通力・威力・手数ともにバランス良く優秀
・全登場国の中でも随一の砲俯角で、狙撃場所を選ばない
・砲旋回速度は遅めで接近戦には弱い
・エンジンは非力ながら軽量&高トルクで加速が良い。最高速は普通
・装甲が薄い、どこを撃たれても抜かれる
・エンジンの炎上率はやや低め、HPは普通
日本軍の戦車はほぼ全車種に共通して、ひとつ格上にもおおむね通用するという主力級の砲を搭載し、攻撃力は十分。山岳地帯の多い国で生まれた戦車ならではの特性として、優秀な加速性能とトップレベルの砲俯角は傾斜地でのハルダウン射撃&高速離脱といった有利な立ち回りを可能にする。トップスピードは控えめなため、他国の高速な軽戦車・中戦車のような前線索敵任務には向かないが、チームと同行しての火力支援には非常に適役だ。
かたや防御面は貧弱だ。例えばTier5でのドイツ中戦車「Pz. IV」は80mm、アメリカ中戦車の「M4」は76mmの前面・砲塔装甲を持ち、敵に対して装甲の厚い部分をあえてさらして耐えるという戦法がとれるが、同格の「三式中戦車チヌ」は1番厚い前面装甲でも50mmと薄い。この傾向は他のTierでも概ね同様で、格下相手でも容易に貫通される装甲厚しかない。特に側面・背後の装甲は無いも同然で、20mm機関砲にすらガンガン抜かれる。とりたててHPが高いわけでもないため、撃たれる以前にそもそも狙われないよう、慎重な立ち回りが求められる。
Tier5の「3式中戦車チヌ」に至るTier2からTier4までは軽戦車ルートと中戦車ルートが存在するが、搭載可能な砲やエンジン、通信機等のパーツはほとんど共通で、装甲の厚さがわずかに違うだけだ。いずれにしても同格相手には通用しない装甲のため、より機動性の高い軽戦車ルートのほうが楽に活躍できる印象だ。
常にチームと行動を共にして真っ先に狙われる状況を避け、素早く有利な地形に展開し、俯角を活かした意外性のある射撃で敵を削る。砲旋回速度の遅さから接近戦には適さないため、格闘戦に持ち込まれるような位置取りは徹底的に避ける。このあたりを厳守できれば、日本軍ツリーの戦車たちは思い通りに動かせて、使いやすいものばかりだ。