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発売直前! 「トゥームレイダー」体験レポート

これぞトレジャーハンティング! フィールドでの多彩な探索要素

フィールドには様々なアイテムが隠されている。探索もゲームの大きな楽しさだ
ランタンを撃つと炎が広がり、周囲の敵にダメージを与えられる。ランタンの破壊がチャレンジとなっている場合も

 ゲームが進むとララのアクションはより多彩になっていく。白い岩が露出しているところならピッケルを使って垂直に登れるようになるし、あるアイテムを手に入れればいつでもたいまつを使えるようになったりできる。プレーヤー自身もララのジャンプの距離や、移動のリズム、様々なオブジェクトの使い方を覚えていくことで、より自由自在にララを操作できるようになる。

 そしてそのララの強化された能力をフルに使ってフィールドを探索していくのも本作の魅力となっている。フィールドには「レリック」という宝物があり、机の上に無造作に置かれていたり、遺跡の中に隠されていたり、様々な場所で見つかる。

 本作は日本近海の島を舞台にしているだけに、見つけ出す宝は「般若の面」や「印籠」など、日本の歴史に関係するものとなっている。レリックだけでなく、建物の建築様式や、仏像、お寺の鐘など、ちょっとちぐはぐさを感じさせる部分もあるが、スタッフが様々な日本文化の要素を学び、本作に活かしているのがわかる。日本のユーザーだからこそ楽しめる要素だ。

 この他、森の中に隠されるように置いてあるオブジェクトを破壊したり、フィールドに置かれた「ジオキャッシュ」というアイテムを探すといった「チャレンジ」もある。チャレンジを達成すると経験値が得られ、スキル習得につなげられる。一見通れないように見えるところや、滝壺の近くなど、様々な“隠された場所”があり、そこに宝物が眠っていることもある。探索し、宝物を見つけるトレジャーハンティングがたっぷり楽しめる作品となっている。

【スクリーンショット】
ララはかなり長い距離をジャンプできる。ジャンプの距離やタイミングはプレイを重ねることで覚えていける
オノを使ってロープを滑り降りる
破壊できるオブジェクトや、宝箱などフィールドには様々な仕掛けが隠されている
この島に邪馬台国の秘密があるのだろうか? 様々な時代の“日本風オブジェクト”を目にする。独特の解釈も楽しい

日本語版キャストによって深まるキャラクターへの思い入れ

ララと仲間達。声優の演技はキャラクターのイメージを引き立ててくれる
仲間が置いていったカメラに収録された映像で、ホイットマン博士などララの仲間達のキャラクター像が掘り下げられる

 日本語版ならではの要素も触れておきたい。「トゥームレイダー」の日本語版では英語音声と日本語音声どちらも収録されている。Windows用はSteamで購入する場合は英語版となってしまうが、別途30ドルの「Japanese Language Pack」を購入することで日本語音声も楽しむことができる。単体で考えるとかなり割高だが、もともとWindows版に日本語版が発売される予定はなかったため、PCゲーマーの中には嬉しい人もいるだろう。英語版と日本語版の両方を買うことを考えたら割安となることもあり、状況に応じて利用したいところだ。

 ちなみに日本語版は各キャラクターを洋画などでも活躍する声優が吹き替えている。ララを演じる甲斐田裕子さんは、これまでの日本語版でララを演じていた本田貴子さんに比べ声が高く、序盤は苦痛と恐怖におびえていることもあって“弱さ”を強調しすぎかな、とも思う部分もあった。

 しかし、自分の意思で運命に立ち向かう芯の強さがはっきりしてくるところで、ぴったりとキャラクターと甲斐田さんの演技がはまっていく。また、ララは本作では常に過酷な状況に立たされているが、レリックを見つけたときの考古学者ならではの鋭い考察や、何よりも新発見をしたときの抑えきれない喜びも感じさせられる。本作のララへの思い入れは、甲斐田さんの声の魅力も大きいと感じた。

 個人的に気に入っているのは、島田敏さんが演じる考古学者・ホイットマン博士である。常に尊大な態度で他人に接し、そのくせ大事な場面では全然頼りにならない。とても人間くさいキャラクターに島田さんの演技がぴったり合っている。他のキャラクターも声優達の演技でキャラクター性が強調されている。

 先住者達の油断しているときの会話など、敵である彼らにも様々なドラマがあるとうことも、吹き替えによってより一層わかりやすくなっていると感じた。“邪馬台国の秘密”や様々なドラマを秘めたレリックなど、「トゥームレイダー」の世界観をたっぷり楽しみたい日本のユーザーは日本語環境でのプレイがオススメである。

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(勝田哲也)