任天堂が最新の情報を配信する「Nintendo Direct」を配信

Wii U版「ドラゴンクエストX」や「モンスターハンター3(トライ)G HD Ver.」の話題も


10月25日 配信



オープニングはいきなり「大合奏!バンドブラザーズ」最新作の制作発表

 任天堂は、岩田聡代表取締役社長が直接ユーザーに情報を発信するインターネット放送「Nintendo Direct」を10月25日にUSTREAMとニコニコ生放送で配信した。現在、任天堂のホームページで全編視聴することができる。

 今回の「Nintendo Direct」では、オープニングでいきなり「大合奏!バンドブラザーズ」のバーバラが登場。2013年発売を目指して開発中であることが明らかにされた。今後同社のホームページにおいて情報発信が行なわれるという。

 引き続き発表されたのは、ニンテンドー3DS用ダウンロードソフト「引ク落ツ」。「引ク押ス」の続編に当たるが、今作ではブロックを引きぬくと上のブロックが落ちてくる仕様となっており、より先の展開を考えながらプレイしなければならなくなった。また回り込んで裏側を見なければ解けないなど、思考パズルとして磨きがかけられている。10月31日からニンテンドーeショップにて配信予定で、10月30日まで、前作「引ク押ス」をディスカウント価格で販売する。

 もう1タイトル、ダウンロードソフトから発表されたのが「ぐるっとスプラッシュ!」。ニンテンドー3DSを傾けながら水を操作し、ゴールを目指していく。物理法則に従って動く水を本体を傾けて操作していくが、ゲームを進めていくと、気化させたり、氷にして進めていくなど、様々なギミックが用意されているようだ。

 ここからは、任天堂、サードパーティのいわゆるパッケージタイトルに関連する情報がズラリ紹介された。中にはゲーム開発者のインタビューなども交えて新作紹介が行なわれ、ゲーム開発者自らのプレゼンテーションはかなり長時間のものも用意され、見応え十分の内容となった。

 まず最初は、ニンテンドー3DS「New スーパーマリオブラザーズ 2」のコインラッシュ専用追加コース第2弾の配信について。パック4とパック5の配信が放送直後から配信が開始された。


【パック4】
【パック5】

 また、11月8日発売開始と間近に迫ってきたニンテンドー3DS「とびだせ どうぶつの森」についてはゲームの概要が説明された。今回は村長となって村を育てていくが、インターネットを使って人の村を見学したり、自分の村を公開することができる「夢見の館」が登場するという。これは夢の中という設定で、他のプレーヤーから荒らされることはないという。また、11月8日から夢見の館で見学できる「ニンテンドー村」がオープンする。村を見学できるのはもちろん、任天堂のキャラクターにちなんだマイデザインを受け取ることもできる。

 さらには、「とびだせ どうぶつの森」のゲーム内で着用できる「DJ K.K」(DJけけ)のTシャツが11月8日から配信されるほか、公式HPに掲載されるQRコードから入手する事も可能だという。加えて「DJ K.K」のTシャツと、「どうぶつの森」シリーズに登場するグレースのブランド「GracieGrace」のコーディネートを、「わがままファッション GIRLS MODE よくばり宣言!」で配信するといったコラボレーションも予定されている。

 発売日には「ニンテンドー3DS LL とびだせ どうぶつの森パック」が発売されるが、すでにかなりの台数に達しており入手困難な状況だという。このことを受け、すでに増産体制に入っており、11月8日には間に合わないが、順次出荷していくとしている。


「わがままファッション GIRLS MODE」とのコラボも行なわれる

 このほかにもカプコンの「エクストルーパーズ」、ポケモンの「ポケモン不思議のダンジョン ~マグナゲートと∞迷宮~」などの紹介が続き、カプコンの巧舟氏のプレゼンテーションによる「レイトン教授VS逆転裁判」が登場。巧氏がレベルファイブの日野晃博氏に口説かれてシナリオなどどっぷりと関わるきっかけなどの裏話から、日野氏と意見を戦わせながらゲームの制作を進めていった様などが語られた。巧氏は「ファンの皆さんが待ち望んでいる場面が満載で、クスクスしっぱなしだと思う」と語るほか、両作の良いところを尊重しながらも、新しいシステムも満載で、かなりの自信作に仕上がっているようだ。


巧舟氏もプレゼンテーションを行ない、たっぷりとゲームについて語ってくれた「PAPER MARIO スーパーシール」についても紹介がされた。ネタバレに繋がる……ということで戦闘シーンについての解説が行なわれた。シールの使い方が重要な要素となっている

 ニンテンドー3DSに関する話題は、数タイトルの話題作の紹介がダイジェストに紹介されたあと、最後にレコチョクのサービスが12月よりサービスが開始するという話題が紹介された。無料の専用ソフトをインストールすることでサービスを利用できるようになる。音楽配信サービス「レコチョク」の100万曲のラインナップからインターネットを通じて楽曲を購入でき、購入履歴がクラウドで管理されるため、ニンテンドー3DSで購入すれば、他のデバイスで管理でき、その逆に他のデバイスで購入してもニンテンドー3DSで聴くことができる。


3DSで「レコチョク」のサービスが利用できるようになった1度購入すればニンテンドー3DS以外のデバイスでも利用することができる

 番組の後半は発売が迫ってきたWii Uについての情報が公開された。1つ目はスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」について。Wii版のアップデート関連の話題に引き続き、Wii U版の内容について。やはり話題はWii U GAMEPadについて。「ドラゴンクエストX」ではWii U GAMEPadだけでプレイできるという。プレゼンテーションを行なった齊藤陽介プロデューサーは「いまからWii U GAMEPadを使って寝転んでプレイするのが楽しみ」と語り、「気分が乗ってきたときに、『テレビを見たいんだけど』と言われても辞めずにWii U GAMEPadでプレイできる」と利点を説明した。ソフトウェアキーボードが画面上に半透明で表示されるため、チャットも可能。

 気になるスケジュールについても言及された。同氏によれば「可能な限り2013年2月にはβテストを始めたい」と語り、「Wii U PREMIUM SET」を購入した人は全員βテストに参加できるという。さらにβテスト時のデータは製品版で引き継げるよう現在開発中だという。齊藤氏は「99%引き継げるよう開発している」と放送の中でコメントしている。発売は2013年春を予定している。


齊藤プロデューサーによるプレゼンテーションで、Wii版のアップデートからWii U版の各種新発表まで行なわれた

 引き続き紹介されたのはWii U版「モンスターハンター3(トライ)G HD Ver.」。フルHDに対応し、非常に美しい画面で狩りを楽しめる。グラフィックスだけでなく、UIに関してもHD仕様を考慮して作り直されている。また、Wii U GAMEPadのディスプレイがニンテンドー3DSの下画面と同じ役割を果たし、ここにUIの一部を表示させ、テレビ画面をより広く使うことが可能だという。Wii U版ではさらに一歩進んでおり、Wii U GAMEPadにターゲットカメラなどのUIを表示させ手元に置き、Wii U PROコントローラーでゲームを操作するといったゲーマー感涙の仕様も実現可能だという。

 さらに、ニンテンドー3DS版とデータの共有が可能となった。専用のソフトをニンテンドー3DSにインストールすることでデータをWii Uに転送したり、逆にWii Uのセーブデータをいニンテンドー3DSに持ってくることができる。これによって、家でも外でも「モンスターハンター3(トライ)G」三昧といった環境が出来上る。

 Wii U版とニンテンドー3DS版のリンクはこれだけでは終わらない。Wii Uと3台の3DSでローカルプレイが可能。さらに、Wii Uではインターネットを利用した4人までのプレイが可能となり、その利用料金は無料であることも発表された。全ダウンロードコンテンツも入っており、かなりのボリュームとなりそうだ。


辻本良三良三プロデューサーによるプレゼンテーション。インターネットを使用したプレイが無料という点については、反響が大きかったようだ

 年末に向け、ハードもソフトも話題作が多く、また新情報も盛り込まれた「Nintendo Direct」。昨年から始まったこの放送も1周年を迎えたことが知らされて、放送は幕を閉じた。


ラストに発表された3DS用「ルイージマンション2」。発売がずれて2013年第一四半期となったユーザーから不安の声が届けられたとして、ニンテンドー3DSからLLに引っ越す時の手順についても丁寧な解説が行なわれた

(C)Nintendo

(2012年 10月 25日)

[Reported by 船津稔]