日本マイクロソフト/カプコン、「Xbox 360 感謝祭 in AKIBA」
「ドラゴンズドグマ」、「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ」
ステージイベントレポート


2月26日開催

会場:ベルサール秋葉原

入場料:無料


 日本マイクロソフト株式会社とカプコン株式会社は、両社の最新ラインナップを集めたユーザー体験イベント「Xbox 360 感謝祭 in AKIBA <CAPCOM × Microsoft 新作体験会>」を、東京・秋葉原「ベルサール秋葉原 1Fイベントスペース」にて開催した。

 カプコンは、本イベントに「Dragon's Dogma(ドラゴンズドグマ)」、「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ」、「STREET FIGHTER X 鉄拳」、「ASURA'S WRATH(アスラズ ラース)」の計4タイトルをプレイアブル出展。既報のとおり、カプコンとマイクロソフトの共同制作タイトル「重鉄騎」についてはプレス向けカンファレンス限定のデモプレイのみで、一般向けの出展は行なわれなかった。

 ここでは、カプコンの2タイトル「ドラゴンズドグマ」と「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ」に関するステージイベントのレポートをお届けする。




■ ドラゴンズドグマ

プロデューサーの小林裕幸氏

 登壇者は、本作のプロデュサーを務める小林裕幸氏。作品の概要について質問された小林氏は「本作は“ハイファンタジー”、皆さんがよくご存知の剣と魔法の世界。よく見知ったモンスターも出るし、本当に入りやすい世界観になっています」とコメント。カプコン初になるというオープンワールドの採用についていは「ハイファンタジーの世界を作ろうとしたとき、オープンワールドが1番あっているのではないか」とコメント。「たとえば、画面内のお城にいく、遠くにいるドラゴンのところまでいくなど、見えるもののところまで“ロードなし”で区切りなくたどり着ける」と説明した。

 ストーリーは、主人公のいる街がドラゴンに襲われるところからスタート。ドラゴンに心臓を奪われるが、なぜか死なない主人公。この世界では、ドラゴンに心臓が奪われたまま生きている人間は“覚者(かくしゃ)”と称され、いわゆる“勇者”のような存在になる。主人公は、見た目は人間だがさまざまな能力を持つ特異能力の持ち主「ポーン」3人を従者にパーティを編成。ドラゴンはなぜこの世界にいるのか、なぜ心臓を奪うのか……さまざまな謎をはらみつつ冒険が始まる。

 スタート時、主人公の職業は「ファイター」、「ストライダー」、「メイジ」の3つから選択する。全部で9つあるという職業には、それぞれ独自の多彩なアクションがあるといい、ファイターなら剣と盾、ストライダーなら短剣と弓、メイジなら魔法がメインになる。小林氏によれば、本作にはいわゆる「マジックポイント」という概念がなく、時間やアクションで魔法を使うことになるという。単に剣や魔法で攻撃するだけでなく、「つかむ」アクションにより、ゴブリンなどの小型モンスターを抱えあげて投げ飛ばしたり、巨大な敵モンスターの身体によじのぼって弱点を攻撃するといったことが可能。デモムービーでは、サイクロプスの股間をスライディングで潜り抜けた直後、背中をよじのぼり弱点の頭部を攻撃するシーンが披露された。

 小林氏が「本作最大の特徴」というポーン。ゲーム序盤では、プレーヤーがひとりのポーンをエディット。自分で作成したポーンは“メインポーン”と呼ばれ、パーティの残りふたりはフィールドを歩いているポーンに声をかけて雇うことになる。フィールドを徘徊しているポーンは“世界中の誰かが作成した”それぞれのメインポーン。プレーヤーが作成したポーンも、Xbox LIVEを通じて他プレーヤーのフィールドに配信され、ときには誰かの従者となって冒険を助けているかもしれない。小林氏によれば、好みや状況に応じて雇うポーンを入れ替えていく遊び方になるという。なお、ポーンの貸し借りはXbox LIVEのメンバーシップとは関係なく行なえる。「シルバーだから他人のポーンは使えない」といったことはないわけだ。


ドラゴンに心臓を奪われ、“覚者”とされてしまう主人公アクション性を大きくフィーチャーしているが、ストーリーもしっかり作り込まれているというパーティは4人編成。3人のポーン(従者)を引き連れて冒険に挑む

 オープニングムービー上映の後、キャラクターエディットの実演が行なわれた。まずは性別、名前、ニックネーム(名前とは別に世界中に公開されるネーム)を決定。ベースとなる体、声を選択したら、続いては細部のエディット。顔、髪型、顔の形、目、眉、鼻、耳、体型、特徴など、エディット項目は多岐にわたる。目だけでも上下位置、感覚、大きさ、目の色を左右別々にできるなど、これが本当に細かくて驚かされる。体形は、身長、体重、筋肉量/バスト、胴、腕、脚のほか「姿勢/動き」が設定可能。「姿勢」はスライダー左右が「かがむ」と「そらす」になっており、右に動かすほど胸を張ってふんぞりかえる、逆は猫背になるといった具合。「動き」はスライダー左右が「女らしい」、「男らしい」となっており、左にすると内股であるくようになったり、右だとどっしりした感じであるくようになる。傷痕、顔の皺や化粧なども自在にエディットでき、パッと見「よほど奇異なものでない限り、世の中にあるほとんどのキャラクターが作れるのでは?」と思わされる。


充実しまくりのエディット機能の数々。簡単な操作で無限のバリエーションが生み出せる

 そのまま冒頭シーンがプレイされたが、イベントシーンでは先ほどエディットされたキャラクターがそのまま登場。幼馴染の女性NPC「ティナ」が登場したが、作成したのが男性キャラクターであれば「うまくいけば恋愛関係に発展する可能性もある(小林氏)」という。突如村を襲撃する赤いドラゴンの足に、拾った剣を突きたてる主人公。それを見たドラゴンは、主人公の心臓を奪い去っていく。心臓を奪われたまま生きながらえた主人公は、目を覚ますと「武器を取れ」とドラゴンのメッセージを受け取る。近くには、剣、弓、杖といった3つの武器があり、そこから真の冒険が始まるというわけだ。街中では、頭上に緑色のアイコンが表示されたNPCに話しかけるとクエストが受けられる。複数を同時に受けることも可能で、その場合はどれを先にやるか自分で決めていくことになる。


グラフィックス、モーション、カメラワークの臨場感、すべてが圧倒的なクオリティ。カプコンが提示するオープンワールドのハイファンタジー。これは刮目せざるをえない

 会場ではウィリアム・テルよろしく弓でリンゴを撃ち落としたり、家畜を育てたり、街中の屋根づたいを走り回るといった、本邦初公開となるムービーが上映された。このムービーは、公式モバイルメールマガジン登録者向けスペシャル映像として特別配信されるという。イベントの最後に、小林氏は「本当に皆様には、お待たせいたしました。あとほんの少しだけお待ちください。Xboxユーザーの皆様には、近々何か発表があります」とコメント。どのような内容か非常に気になるところだが、ファンは期待して時を待つとしよう。5月24日発売予定で、価格は通常版が7,990円、イーカプコン限定版「ドラゴンズドグマ LIMITED EDITION」が11,990円。

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■ バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ

プロデューサーの川田将央氏

 登壇者は、プロデューサーの川田将央氏。「今回の売りのひとつは、日本語対応。字幕でもプレイできます」とコメントしつつ、川田氏はオール日本語の新トレーラーを上映。「今までのバイオシリーズ以上に、凄くダーティな部分とか血なまぐさい部分をあえて作っている。それにくわえて、今回はシューティングということで、字幕を見ながらプレイするのは難しいんじゃないかということもあり、日本語ボイス対応を行なった。非常に遊びやすくなっているんじゃないかと思っている」とコメントした。

 ゲームの概要について質問された川田氏は「もうひとつの進化系、サバイバルシューターと名づけた。新しいゲームスタイルを構築しています。開発はバンクーバーにあるSlant Six Games。シューター系を開発してきた会社で、カプコンとのコラボレーションは非常に上手くいっていると思っています。バイオらしいキャラクターを強く打ち出すべく、TPSとして制作。ゲームの舞台は、アウトブレイク後のラクーンシティ。ウイルスが蔓延したラクーンシティを、銃を持って走り回れる。『バイオハザード2』、『同3』のファンは、それだけでも楽しんでもらえるんじゃないか」と説明。

 ゲームの主役は、アンブレラ先鋭部隊U.S.S。これまで悪役だった彼等が主役という驚きの設定だが、従来シリーズと真逆の視点で行なわれるキャンペーンは、ファンにとって極めて新鮮。対するライバルチームは、政府直属の潜入部隊SPEC OPS エコー6。直接キャンペーンにはからんでこないが、オンラインのマルチプレイで使用できるキャラクターになるという。そこにシリーズでおなじみのゾンビ、タイラントなどのクリーチャーが多数登場。クリーチャーはU.S.S、SPEC無関係に牙を剥いてくるため、文字どおり“三つ巴”の過激なバトルが展開されていく。なお、サバイバルチーム戦「HEROES MODE」では、レオンなどシリーズでおなじみのヒーローたちも登場する。


シューティング視点でバイオの新たな魅力を創造。開発を担当しているのは「SOCOM」シリーズでおなじみのSlant Six Games

 ステージでは、川田氏の解説を交えつつディレクター氏によるデモプレイが行なわれた。今回、画面内にある遮蔽物に近づくと自動でカバーアクションに入る。隠れたまま銃撃も可能で、銃を持った敵兵士を相手にするときは重要なテクニックになりそうだ。キャラクターのスピーディな動きは、従来のバイオハザードのイメージとは異なる“これぞTPS”といった感覚。RTで銃を撃ち、RBボタンで手榴弾を投擲、Bボタンでナイフなどの近接攻撃。Yボタンはキャラクターごとに異なる「アビリティ」の発動で、デモプレイでは一定時間透明になるアビリティが披露された。4人でチームを組んで遊ぶ本作は、シングルプレイの場合は残りのメンバーをAIが担当する。そのため「色々と難しいと思いますので、プレーヤーさえ生き残っていれば先に進めるルールになっている(川田氏)」という。

 イベントの最後に川田氏は「出せない情報が、まだまだ一杯あります。今後の追加情報にもご期待ください」とコメント。4月26日 発売予定で、価格は通常版が6,990円、イーカプコン限定「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ LIMITED EDITION」が9,490円。


会場の試遊台とは異なるステージを使いデモプレイを披露。ステージ1はチュートリアル的な構成になってるといい、そこで操作の基本が習得できるという

 川田氏によれば、今回が国内初になるというプレイアブル出展。これは是が非でも触らせてもらわねば! ということで、プレスカンファレンス終了と同時に体験コーナーに直行。試遊台は4人協力プレイとなっており、ここは迷わずU.S.Sキャラクターをチョイス。禍々しい外観と、画面を通して滲み出る黒い殺意のオーラがたまらない。

 操作感覚は、一般的なTPSよろしく軽快そのもの。前後左右に自由自在といった具合で、スティックを押し込めばダッシュも可能。出てくるゾンビを片っ端から撃っていく爽快感は「チョー楽しい!」の一言だが、その一方で屋内暗所という重々しいステージの雰囲気には「TPS風に遊んでるけど、こういうところはバイオらしくていいなぁ」と思わされる。ステージは目的地の方向がアイコンで明示され、進行方向がわかりやすく戦闘の邪魔になることはない。

 調子にのって景気良くハンドガンとライフルの弾をバラ撒いていた筆者。残弾ゼロをいいことに「まぁモノは試しですから」と群がるゾンビをナイフでかっさばいていると、突如画面が青くなり「ゾンビに感染しました!」というインフォメーションが出現。野良プレイのうえにデフォルトで抗ウィルススプレーを持っておらず「これは自力でなんとかするしか」とスプレーが落ちていないか探していたら、いつしか画面内のキャラクターは筆者のコントロールを離れて次々と味方に襲い掛かる始末。ちょっと前まで仲間だった人たちから滅多撃ちにされる己の惨状は、なんとも新鮮(?)というか「迷惑かけて本当にすみません……」としかいえなくなる。

 「こういうときって、どうしたらいいんですか?」とスタッフの方にうかがったところ「ゾンビ化したら、もう敵として殺されるしかありません」と、なんとも切ないお返事。ちなみに、協力プレイで次のチェックポイントに進む際は、「死亡」、「ゾンビ化」されたキャラクターは自動で復活する。筆者のケースも、生存者が次のチェックポイントをクリアした直後に元通りとなって復活できた。HPゼロの死亡状態は接近してAボタン長押しで復活させられるため、それもままならないゾンビ化は結構厄介かもしれない。

 都合2回ほどゾンビにされて騒いでいたら(一緒にプレイされた方々、本当にすいません……)、アッという間に体験プレイの制限時間がきてしまった。もう1回くらい遊びたいなぁと思ったが、ブース外にできた長蛇の列を確認して断念。慌てて使い損ねたアビリティなどの各要素、まだ見ぬクリーチャーはもちろん、対戦、CO-OPなどなど楽しみな要素が多すぎて、いまから発売日が待ちきれない。先々こうした機会があれば、ファンはもちろん、興味がある方はぜひ1度体験していただきたい。


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【ストリートファイター X 鉄拳】【アスラズ ラース】
3月8日発売予定。価格:6,990円(通常版)、8,300円(コレクターズパッケージ版)発売中(2月23日発売)。価格:6,990円

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(2012年 2月 27日)

[Reported by 豊臣孝和]