Taipei Game Show 2012レポート

【Taipei Game Show 2012】「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」イベントレポート
プロデューサー新妻氏が魅力を紹介、プロゲーマーのエキシビション、インタビューも


2月2日~6日開催

会場:南港展覧館

入場料:大人200元、子供100元


 SCETブースは、連日イベントが目白押しだ。とりわけ日本の開発者がゲストとして招かれたイベントは、どれも台湾の熱意を持ったファンの大歓迎を受け、イベントは大いに盛り上がった。本稿ではその中から「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」のイベントを紹介したい。ステージには、本作のプロデューサーを務めるカプコンの新妻良太氏が登壇し、「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」のPS Vita版の魅力を語った。

「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」のプロデューサーを務めるカプコンの新妻良太氏
日本のプロゲーマーであるマゴ選手と、台湾のプロ選手であるGamerBee選手のデモ対戦
ニューヨークのイベントでのみ配ったという限定のTシャツと、PS Vitaが来場者にプレゼントされた

 「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」はカプコンが発売している対戦格闘ゲームで、「X-MEN」や「スパイダーマン」などMARVEL COMICSのキャラクターと、カプコンのキャラクターが40人以上も登場し、戦いを繰り広げる。本作はPS3/Xbox 360版が発売された後に、PS Vita版が台湾、日本共にそれぞれのローンチタイトルとして発売されている。

 拍手を浴びて登場した新妻氏は、来場者に向けて事前に練習してきたという中国語で挨拶した。新妻氏の挨拶に会場は大きく盛り上がった。新妻氏は台湾の印象を聞かれると、「台湾のユーザーも日本と負けないくらい熱いというのがわかりました。ゲームショウに関しては、オンラインゲームなどは日本では少ないので、新鮮でした」と語った。

 続いて新妻氏は「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」のPS Vitaならではの特色を紹介した。このイベントで紹介された内容は、すでに様々なメディアで公開されているが、会場で改めてファンに向けてのタイトルの魅力がアピールされた。

 新妻氏は、「ボタンやレバー類を使用せずタッチパネルだけで操作ができる」、「オリジナルカラーとして『ゴールドヘラルドカラー』がある」、「PS Vitaの『near』機能を利用し、ヘラルドカラーのキャラクターをプレゼントすることができる」といった要素を丁寧に紹介した。

 続いて、日本のプロゲーマーであるマゴ選手と、台湾のプロ選手であるGamerBee選手のエキシビションマッチが行なわれた。マゴ選手はウェスカーとマグニート、バージル。GamerBee選手は、フェリシア、ゴーストライダー、リュウという構成だった。対戦は非常に素早く、大技も乱れ飛ぶ派手な展開だった。実力伯仲で、攻守がめまぐるしく変わる中でも、観客を意識した必殺技の応酬など、2人のプロゲーマーの実力とサービス精神を感じさせられた。勝負は3本勝負で1ポイントずつ取ったが、最後はマゴ選手の勝利となった。

 観戦していた新妻氏は勝負の展開に合わせて解説を行なっていた。勝負の感想として新妻氏は「うまい人はスピーディに展開しますが、初心者もタッチパネルの簡単操作でも技が出せます。うまくなれば選手達のように戦えますので、是非遊んでみて下さい」と語った。さらに加えて、「スティック操作にこだわる人はPS Vita版では、と思う人がいるかもしれないですが、好き嫌いせずに触ってもらえれば、きっと楽しんでくれると思います」と語った。

 この後、ニューヨークのイベントで配ったという限定のTシャツとPS Vitaが来場者にプレゼントされた。抽選で選ばれたファンも激しく喜ぶと言うよりも、ちょっとはにかみながらステージに上がり、新妻氏からプレゼントを受け取っていた。イベント中、ステージ周辺は黒山の人だかりで、全体的に台湾のファンの開発者に向ける暖かな気持ちが伝わってくるイベントだった。

 イベントの最後では、この後のイベントに登壇予定の「ストリートファイター X 鉄拳」のプロデューサーを務めるカプコンの小野義徳氏と、「鉄拳」シリーズのプロデューサーを務める原田勝弘氏がいきなりステージに登場するという、ユニークな演出(?)もあり、楽しいイベントとなった。


マゴ選手と、GamerBee選手の対戦。1ポイントづつ取り、最後はマゴ選手が勝利した
PS Vita版ならではの特色を語る新妻氏、クイズで一斉に手を上げる来場者達。右はいきなりステージに登ってきた「ストリートファイター X 鉄拳」のプロデューサーを務めるカプコンの小野義徳氏と、「鉄拳」シリーズのプロデューサーを務める原田勝弘氏



■ 台湾メディア向けショートインタビュー。「個人的にもコラボレーションのゲームは作っていきたい」

台湾メディアのインタビューに答える新妻氏

 イベント終了後、新妻氏は台湾メディアからのインタビューを受けた。最初の質問は「『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』をPS Vita版として発売したのはなぜか」という質問で、新妻氏は「やはり、時期的なものがありました。カプコンでのPS Vitaの研究にちょうど良い時期だったといえます」。本作はエフェクトやキャラクターの色合いが派手で、PS Vitaのディスプレイに映えるというのも魅力だったという。

 ただし、PS Vita版の開発はかなりタイトで、5~6カ月での開発だったという。コンテンツ開発とは別にPS Vitaの研究はカプコンで進められており、MTフレームワークを活用することでも開発には大きかったとのことだ。

 ゲーム大会に関しては、今後の「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」の全世界での売り上げ、展開を見てからだという。アーケード版の展開に関しては、「MARVELというアメリカに強いコンテンツなため、アーケードが弱いアメリカ市場を考えると、今はちょっと展開は難しい」と答えた。

 昨今ではMARVELは映画でのコンテンツ展開の動きが目立っているこちらの動きとの連動はあるか。また、「バットマン」や「スーパーマン」などのDC COMICSとの展開予定は、という質問も出たが、「MARVEL VS. CAPCOM」という枠組みでの契約のもとで進められているプロジェクトであり、今のところ映画や、DC COMICSとのタイアップはないとのことだ。

 ただ、ゆくゆくは様々なコラボレーションを行なおう、という意識はカプコンとして持っており、その1つが、「ストリートファイター X 鉄拳」とのことだ。新妻氏は個人的にもコラボレーションのゲームは作っていきたいという。

 最後に新妻氏は、台湾のユーザーに向けて「今回初めて台湾にきたのですが、ユーザーさん達の盛り上がりとか、肌で感じることができて非常に嬉しく感じました。今回は『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』のPS Vita版のイベントとして来ましたが、今後も色々なゲームを作っていきたいと思いますし、カプコンとして色々なゲームを届けたいと思っています。引き続きよろしくお願いします」と語った。


Amazonで購入

(2012年 2月 5日)

[Reported by 勝田哲也]