ネクソン、「カウンターストライクオンライン Japan Championship 2011 Final」を開催
激戦を勝ち抜け、初の日本一となったのは、東京代表の「X3」


12月23日開催

場所:ベルサール秋葉原



 株式会社ネクソンは、12月23日、ベルサール秋葉原で開催中の「『第4回 秋葉原PCゲームフェスタ』Powered by Galleria」のB1Fホールイベントステージにて、「カウンターストライクオンライン Japan Championship 2011 Final(以下、「CSOJC 2011 Final」)」を開催した。

 この大会は、オリジナル(爆弾解除)モードの日本一を決めるオフライン大会で、「カウンターストライクオンライン」初の全国大会となる。10月~11月に、福岡・仙台・東京・京都の4か所で予選が行なわれ、「CSOJC 2011 Final」はこの4カ所で勝ち抜いた4チームがぶつかった。


■ 福岡・仙台・東京・京都の4か所の予選を勝ち抜いたチームが秋葉原で激突

福岡予選代表「Romeo」
京都予選代表「ReBelLe」
東京予選代表「X3」
仙台予選代表「Vaultral Hi」

 「カウンターストライクオンライン(「CSO」)」は、米ValveのFPS「Counter-Strike」をベースに韓NEXONが開発したオンラインFPSで、協力して生き残る「ゾンビサバイバル」や、防衛装置が設置された拠点を奪いあう「メタルアリーナ」など多彩なゲームモードを搭載している。「CSO」ではこれまでオフラインでの大会はゲームイベントとして行なったことはあるが、今回の「CSOJC 2011」が初の全国大会となる。

 今回開催された「CSOJC 2011 Final」は、福岡・仙台・東京・京都の4か所で行なわれた予選を勝ち残った4チームによる決勝戦だ。参加チームは1チーム5名で、メンバーの入れ替えは無し。使用キャラクターは主催側が用意したもので、アイテムはあらかじめキャラクターに付与されているものだけ使うことができる。

 大会での対戦は「オリジナル(爆弾解除)モード」で行なわれる。このモードは、テロリスト側が爆弾設置を目指し、カウンターテロリスト側がそれを阻止するという「Counter-Strike」から引き継がれているモードで、「CSOJC 2011 Final」ではテロリスト、カウンターテロリストの役割を交代しながら戦う。1ラウンドは2分で、8ラウンドを先取したチームの勝利となる。7ラウンド目でテロリストとカウンターテロリストを交代し、最大で14ラウンドの対戦が行なわれる。それでも勝負がつかない場合は、延長戦となる。

 対戦での使用マップは「トスカーナ」、「ヌーク」、「列車」、「インフェルノ」、「ダスト2」から選ぶ。対戦の際、チームの代表がじゃんけんによって、マップか最初の所属勢力を選ぶ。「CSO」のマップは、各マップごとにテロリストかカウンターテロリストどちらかが有利なバランスになっている。ジャンケンで勝って得意なマップを選んでも、有利な勢力は相手チームに取られてしまう。不利なチームは前半の7ラウンドでどこまで食い下がれるかが大きなテーマとなる。

 使用マップは「トスカーナ」、「ヌーク」、「列車」、「インフェルノ」、「ダスト2」から選び、チームの代表がじゃんけんによって、マップか最初の所属勢力を選ぶ。「CSO」のマップは、各マップごとにテロリストかカウンターテロリストどちらかが有利なバランスになっている。ジャンケンで勝って得意なマップを選んでも、有利な勢力は相手チームに取られてしまう。不利なチームは前半の7ラウンドでどこまで食い下がれるかが大きなテーマとなる。

 「CSOJC 2011 Final」の第1試合は福岡代表「Romeo」と、京都代表「ReBelLe」がぶつかった。ReBelLeは今大会で“優勝候補”といわれているチームだ。今回、京都予選は非常に激戦で、実力伯仲のチームがひしめいていた。ReBelLeはそこを勝ち抜いたチームであり、ファンからの期待の声が大きかった。会場で見学者に聞いてみたのだが「ReBelLeはすごい」と人気も高かった。

 第1試合の対戦マップは「インフェルノ」。カウンターテロリスト側が有利で、Romeoは防御を重視し、爆弾を仕掛けようとするReBelLeを迎え撃った。1ラウンドはRomeoが勝ち、2ラウンドもお互い戦力を削りながらもRomeoが勝利した。3ラウンド目にRomeoの選手の1人マシントラブルで参加できなくなるが、そのまま試合は続行され、6ラウンド終了時点で5:1という展開になった。しかしここで試合は中断となり、審議が始まった。マシントラブルの原因はRomeo側の選手が持ってきたデバイスとの相性問題だったのだが、「どういった形で再開するか」で調整に難航し、1時間近くも試合が中断されてしまった。

 結果RomeoとReBelLeの対戦は、3:1から再開となった。1ラウンドRomeoが取るもののここからReBelLeが2ラウンド取り、4:3で攻守の交代となった。テロリスト側となったRomeoは不利を覆して1ラウンド取るものの、続いて2ラウンドを連続で取られ、ついに5:5のタイに持ち込まれてしまう。カウンターテロリスト側が有利なマップであり、波に乗るReBelLeがそこからさらに3ラウンドを取り、Romeoは逆転負けとなってしまった。白熱した試合展開だったが、「試合の中断がなければどうなっただろう」と考えてしまうところもあった。

 第2試合は東京予選代表「X3」と、仙台予選代表「Vaultral Hi」。X3のリーダーbarusa選手と、Vaultral Hiのリーダーyukisiro選手は「クロスファイア」でも有名な選手で、同じクランのメンバーだという。試合前は、yukisiro選手が挑発するようなパフォーマンスをするが、barusa選手は緊張しているのか、照れてしまってノリが悪かった。しかし試合開始が近付くと一変、barusa選手は厳しい顔と大きな声でメンバーに積極的に声をかけていた。

 barusa選手は勢力交代時にも席を立ち、他のメンバーに声をかけたり、綿密に打ち合わせを行なっていた。かなり張り詰めた雰囲気だった。対照的にVaultral Hiは和やかで、相手チームにわざと聞こえるように「アレでいくぞ!」など、ブラフなのか真剣なのかわからない掛け声をかけたりしていた。そんな2チームがぶつかったマップは「ダスト2」である。本作の代表的なマップで、プレーヤー達誰もがやりこんでいる。だからこそ作戦以上に個人の技量が重要になるマップだ。

 テロリスト側が有利なマップで、前半はテロリスト側だったX3が多くのラウンドを取り、5:2で勢力交代となった。しかし有利になったVaultral Hiが猛追撃を開始、7:6まで迫った。お互いメンバーを減らしながら、2対1を逆転したり、1対1での緊張した読み合いが展開したりした。1対1では煙幕を張ってから反対のルートを進んだり、どちらも相手の裏をかこうとする。そんなときは会場中が静まりかえって選手達の行動を見守るのだ。最後の1戦はbarusa選手1人だけが生き残ったものの、爆弾のタイマーはあとわずか。あわや爆発、というところで爆弾を止め勝利し、X3の決勝進出となった。


試合の実況を担当したOooDa氏と、解説のQoofooRiN氏。各選手の様子は選手席の前のモニターに表示され、倒されると真っ暗になる
福岡予選代表「Romeo」と、京都予選代表「ReBelLe」の戦い。マシントラブルと、その後の調整で、1時間近く中断してしまった
リーダー同士が他のゲームの同じチームだという東京予選代表「X3」と、仙台予選代表「Vaultral Hi」。チームの雰囲気も対照的だった

■ 倒される仲間の屍を越えて相手を撃つ戦い。優勝は東京予選代表「X3」

日本一となった東京予選代表「X3」
準優勝の京都予選代表「ReBelLe」
MVPのbarusa選手

 決勝戦は8ラウンド先取の戦いを3本勝負で行なうという、かなりの長丁場のものとなった。準決勝戦を勝ち進んだX3とReBelLeによって、「CSO」日本一の座が争われた。第1戦のマップは「ダスト2」。テロリスト側が有利なマップだ。最初のテロリスト側はX3となった。

 FPSのチーム戦では「カバー」が重要な要素となる。複数で動くとき、先頭のチームメンバーが攻撃された時、それをどうカバーするかに勝利の鍵がある。うまいプレーヤーは、後ろの味方に敵の位置を的確に教えられるように敵の攻撃を誘いだす。試合では1人のメンバーが一気に3人の敵を撃ち倒すこともあるが、この場合でもそのプレーヤーの腕はもちろんであるが、その前にいる味方プレーヤーが巧みだからこそ実現する事が多いのだ。

 決勝戦の2チームはこのカバーが非常に巧みで、お互いメンバーを減らしていくぎりぎりの戦いを繰り広げていた。どちらの方向に何人のプレーヤーがいるかというのも読み合いが重要となり、2人倒したから前進しようとしたら、それは読み違いで、残っていた1人の敵に3人が全滅させられてしまった、という場面もあった。うまいプレーヤー同士だからこその高度な読み合いによる見応えのあるシーンが連続した。

 ある試合では待ちに徹し、ある試合では一気呵成に飛びこむ。敵の資金を計算してこちらの作戦も変えていく。また、少人数での読み合いも熱い。会場も時には静まりかえり、時には大きく声を上げる。試合が進むごとに会場の熱は高まっていった。

 第1戦では序盤X3が3ラウンド先取するという圧倒的な展開になったが、そこからReBelLeの追い上げが凄まじく、3:3となった。X3は引き離しをはかり4:3で折り返した。ここから有利なテロリスト側になったReBelLeが5:5に追い付くものの、追撃もここまで。その後X3が3ラウンド連続で勝利し、第1戦を取った。

 第2戦のマップはカウンターテロリストが有利の「インフェルノ」で、X3はテロリスト側だったが“勢い”はX3に味方しているように見えた。実力は伯仲していたのだがぎりぎりのところでX3が勝利を重ね、勢力交代で一気に突きすすみ、結果8:3で第2戦も勝利し、見事優勝し、日本一となった。

 勝利者のインタビューでbarusa選手は1番苦しかったのは準決勝のVaultral Hiとの試合だったと語った。相手の実力に加えて、ヘッドセットの調子が良くなかったため、結果として声を張り上げて連絡を取らなくてはいけなかった。厳しい雰囲気と大きな声でメンバー達に話しかけていたのは、機器のトラブルも原因だったという。barusa選手はチーム全体を勝利に導いたとしてMVP選手にも選ばれた。barusa選手はユーザー間の有名人でMVPの償金を得たときは、会場で多くの見学者が彼の前でカメラを構え、声をかけた。barusa選手ははにかみながらもカメラのフラッシュを浴びていた。

 マシントラブルや、トラブルの対処で試合が中断されてしまったのは残念だったが、「CSO」、そしてオンラインFPSコミュニティの繋がり、盛り上がりを目にできたのはとても楽しい経験だった。今回のイベントでは次回の「CSO」の大会開催などはアナウンスされなかったが、今回の経験を活かし、積極的にこういったイベントを開催して欲しい。


決勝戦第1試合。不利なテロリスト側にも関わらず、X3が一歩先に行く展開に
第2試合ではReBelLeが追いすがるも、X3は勝ち点を重ねた。優勝した瞬間X3のチームは抱き合って喜びを表現した

Copyright(c) 2011 NEXON Co., Ltd. All Rights Reserved.


(2011年 12月 23日)

[Reported by 勝田哲也]