ゲームロフトが夏以降に配信する新作7本をじっくり体験
3DS「レッツ!ゴルフ 3D」やUE使用の最新FPSをレポート


6月22日 収録


E3 2011のGameloftブース。クローズドで外からはタイトルのイラストしか見えない

 世界有数のモバイルゲーム会社である仏Gameloftが今年、初めてE3にブースを出展した。同社はスマートフォン向けのゲームアプリで人気を集めているが、それだけではなくコンシューマーゲーム機向けのダウンロードソフトやソーシャルゲームにも展開している。

 ゲームロフトが手がけるゲームアプリは、同社が掲げる“リッチゲーム”という方針に従った重厚でボリュームのあるタイトルが多い。E3でのラインナップも、日本でも人気の高いゴルフゲーム「レッツ!ゴルフ」シリーズ最新作や、会場で初お披露目となったUnreal Engine採用のFPS「March of Heroes」など、クオリティの高いものが揃った。

 E3のブースでGameloftが出展した新作タイトルの多くは、日本での発売が予定されている。ただ会場はクローズドブースでの出展で、各タイトルの概要説明を受ける程度の時間しか取れなかった。そこで今回、改めてゲームロフト日本支社のオフィスを訪ね、出展タイトルをじっくりと触らせてもらうことにした。

 この記事では、ゲームロフトの新作ラインナップを、情報とプレイレポートとともにお伝えしたい。




■ 「レッツ!ゴルフ」は3DSとiPhoneアプリの2タイトルで登場

「レッツ!ゴルフ 3」

 現実にはありえないロケーションで気軽にゴルフを楽しめる「レッツ!ゴルフ」シリーズからは、iPhone/iPod touch用の「レッツ!ゴルフ 3」と、ニンテンドー3DS用の「レッツ!ゴルフ 3D」が登場する。

 「レッツ!ゴルフ 3」は、前作「レッツ!ゴルフ 2」からの流れを引き継ぎながら、オリジナルキャラクターのカスタマイズに力を入れたゲーム。本作から基本無料でアイテム課金タイプのゴルフゲームになった。「レッツ!ゴルフ 2」では8人のキャラクターから選択する方式だったが、「3」では性別を選んだ後、肌の色、髪型、顔の形をカスタマイズした自分だけのキャラクターを作れる。アイテムはゲーム内で手に入る「コイン」と、有料の「キャッシュ」を使って購入する。

 コースは全部で6種類あり、ファンタジックなものが揃っている。今回は「宇宙空間」のコースを体験した。宇宙なのでキャラクターは宇宙服を着ているが、操作は通常のコースと変わらない。使うクラブを選んで、距離や方向を見定め、ゲージに合わせてショットを打つ。このとき、なるべく正確に打つと経験値やコインが手に入る。パー以上でホールを終えると「スキルポイント」が手に入るので、これをパワー、コントロール、リカバリー、パッティングの4つのスキルに振り分けてキャラクターを成長させていく。

 なお本作には「エナジーポイント」という数値があり、これによって1回に遊べるプレイ時間が決まっている。エナジーポイントが0になると、ゲームを終了して一定時間が経過するのを待つか、「キャッシュ」を使って回復させるかという仕組みだ。オンラインでの4人マルチプレイモードを搭載しており、友達とチャットしながらのプレイも可能。Facebookアカウントがあれば、ゲームの結果をFacebookに投稿することもできる。配信は2011年夏の予定。


【スクリーンショット】
基本無料になったことで、誰でも気軽に遊べるようになった。4人でチャットをしながらのマルチプレイも楽しそうだ

【トレーラームービー】


「レッツ!ゴルフ 3D」

 3DS用「レッツ!ゴルフ 3D」は、まだ日本語版が開発中のため、E3に出展された英語版を体験させてもらった。「レッツ!ゴルフ 2」をベースに作られており、基本的な内容は「レッツ!ゴルフ 2」と同様だ。8人のキャラクターのうち、最初に使えるのは2人で、ゲームを進めながらアンロックしていく。キャラクターはそれぞれ固有の能力値とスキルを持っている。

 インターフェイスはiPhone版に準じたタッチパネルを使った操作と、ボタンを使った操作の両方に対応している。画面はもちろん立体視に対応。ボールやコースとの距離感が掴みやすくなっており、コースを俯瞰で見た時やパッティングの際にはリアルさを感じられた。発売時期と価格は未定。


【スクリーンショット】
打ったボールをこすってスピンをつけるスマートフォン版のアクションも健在。立体視で開放感の広がったコースを楽しもう



■ スタイリッシュなスパイアクションTPS「Silent Ops」

 「Silent Ops(サイレント オプス)」は、SF的な舞台設定のクールでスタイリッシュなスパイアクションが楽しめる、iPhone/iPod touch用のTPS。近接攻撃を得意とする通称「カードシャープ」や、彼の2人のチームメイトであるスナイパーと、車とITのスペシャリストを代わる代わる操作してミッションを遂行していく。操作するキャラクターはストーリーを進めると自動的に切り替わっていく。

 体験できたのは、カードシャープを操作する潜入と、外から彼を援護するスナイパーのミッション。潜入時にはチームメイトはAIが操作する。敵に関知されると画面左上のアイコンが赤くなり、敵の居場所が矢印で表示される。カバーアクションで物陰に隠れつつ銃撃してもいいし、近づいて格闘で倒すこともできる。

 スナイプのミッションではビルの中にいるカードシャープを助けるために、隣のビルから敵をスナイプする。ビルへの潜入には最新装備のカイトで空中を滑空するカットシーンが挿入されたりと、格好いいスパイアクションが随所で楽しめる。配信は2011年の予定。価格は未定。


【スクリーンショット】
操作するキャラクターによって戦い方やミッションの内容に変化があり、飽きない工夫がされている

【トレーラームービー】




■ ハリウッド映画のような演出のガンアクションTPS「9mm」

 渋い刑事が主役のハリウッド映画が好きなら、iPhone/iPod touch用のTPS「9mm」がオススメだ。ロサンゼルスを舞台に、ベテラン刑事ジョン・カノンとなって、命を狙ってくるギャング集団を追い詰めていく。

 本作の特徴は「バレットタイムエフェクト」を使った戦闘。スクリーンにある「バレットタイムエフェクト」のボタンを押すと、一定時間、敵の動きがスローモーションになる。このシステムは動き回る敵を正確に射撃するためだけではなく、天窓から襲撃し、落下しながら敵を撃つというミッションの演出効果として自動的に発動したりと、映画的な雰囲気を出すギミックとしても使われている。

 視点切り替えは画面を指でドラッグする操作のほか、ジャイロ機能を使って端末を動かすことも可能。BGMにはApathyやビーニー・シーゲル、Freeway、Jake Oneなど米ラップ界の有名アーティストの楽曲が使われていて、乾いた犯罪都市の臨場感を大いに盛り上げてくれる。屋根によじ登ったり、樋を伝って移動したりといったアクションも豊富だ。

 現時点では詳細は不明ながら、オンラインのマルチプレイモードもあるという。配信は2011年夏開始予定で、価格は未定。


【スクリーンショット】
「バレットタイムエフェクト」を発動させれば、敵の動きが遅くなる。制限時間はあるが、TPSが苦手な人でも簡単に敵を倒せる

【トレーラームービー】




■ ハデで軽快な新感覚パズルゲーム「ハマる★ブロック崩し Unlimited」

 とにかく派手なブロック崩しを楽しめる、アップテンポで明るいiPhone/iPod touch用のブロック崩しゲーム。「ハマる★ブロック崩しNeo」から2年ぶりとなるシリーズの最新作だ。

 トンネルや回転するドア、スイッチで開くゲートなど、プレーヤーを飽きさせない多彩なギミックを備えた7つのロケーションで、約100ステージがプレーヤーを待ち受ける。ブロックも、湾曲した列や滑車にぶら下がったブロック、跳ねる球体型のブロックなど今までにない形に進化している。

 操作は画面下をドラッグすることでバーを左右に動かし、玉を弾くという単純なものだが、玉が3つに分裂したり、ブロックの中なから色々なアイテムが現われたり、お邪魔キャラクターが出たりと意外と忙しい。派手な画面とノリのいい音楽で、遊んでいる人の気持ちまでアップテンポにしてくれるようなゲームだ。

 マルチプレイやブロックマスター、タイムアタックなど8つのモードがある。アプリ内課金でスキルやアイテムを購入することで、特殊なスキルを使えるようになる。

 Facebookに結果を配信することができるが、送信ボタンを押すとスロットが回り、アイテムを獲得できるミニゲームになっているのが面白い。配信予定は2011年夏で、価格は115円+アプリ内課金となる予定。


【スクリーンショット】
約100あるステージはどれも個性的。画面下の紫色の部分を指でドラッグするだけのシンプルな操作で遊べる



■ 自由度の高い箱庭アクションゲーム「Back Stab」

 「Back Stab(バックスタッブ)」は18世紀のカリブを舞台に復讐をテーマにしたロマン溢れるiPhone/iPod touch向けのアクションゲーム。オープンワールドの箱庭タイプのゲームで、壁に近づけばどんどん登っていくなど移動の自由度がかなり高い。

 戦闘は敵に向かっている状態で、刀や銃のアイコンをタップするだけだが、連打しているだけで特別な技を繰り出したりと、お手軽に本格的なアクションゲームの雰囲気を味わえる。基本的にはフルボイスで、爆発音や悲鳴など、たくさんのSEが使われていて音での臨場感がかなり重視されている。

 体験プレイでは、住民が逃げ惑う街中で敵を倒しながら大砲まで進み、沖合にいる船を大砲で沈めた。ミニマップと全体マップにクエストポイントが表示されるので、それを頼りに進んでいく。大砲で船を沈めるミッションでは、船に向かって大砲を連打していると船のマストが順番に折れて、船が沈んでいく様が3Dでなかなかダイナミックに描かれていて、かなりの迫力を楽しめた。配信は2011年夏の予定、価格は未定。


【スクリーンショット】
18世紀のカリブを舞台にした重厚な歴史ロマン。だが見た目よりもずっと気軽に遊べるアクションが特徴だ

【トレーラームービー】




■ Unreal Engineが描写する1960年代の戦争「March of Heroes」

 1960年代のヒットナンバーと共にヘリコプターがジャングル上空を進んでいく。そんなシーンから始まる「March of Heroes(マーチオブヒーローズ)」は、ゲームロフトが初めてUnreal Engineを使用して作ったiPhone/iPod touch/iPad用のFPSだ。

 1965年から1979年の世界で、プレーヤーは1人の兵士となり、ベトナム、アルゼンチン、ナイジェリアなどを舞台にした作戦に従事する。デヴィッド・ボウイやジェファーソン・エアプレインなど、冷戦時代を彩ったヒットナンバーをBGMに使って時代の臨場感を醸している。

 体験プレイでは、ゲーム冒頭と中盤に出てくる潜水シーンをプレイした。ゲームの冒頭で主人公がヘリから脱落し、そこから単独で周囲の敵を撃ちながら進む。操作は左手でタッチパッドを使ってキャラクターを動かし、右手で画面をスワイプすることで視点を変える。トリガーも右手で行なうためなかなか忙しいが、照準はセミオートで、敵の近くにサイトを近づけると自動的に合わせてくれるので、忙しいなりに遊びやすいよう工夫されている。

 潜水ミッションは、沈没した潜水艦の中からアイテムを取ってくるというもの。サメやクラゲなど多くの生物が泳ぐ海底で、機雷の爆破で落ちてくる瓦礫を避けながら艦内に侵入する。迷路のような内部を、目当てのアイテムを求めてマーカーで指示される方向に進んでいく。フィールドの細部まで緻密に描かれており、風景をじっくり楽しめるミッションだ。

 本作はオンラインで最大10人までの同時対戦も楽しめる。配信日は2011年中の予定で価格は未定。スクリーンショットはまだ未公開だが、E3でトレーラームービーが公開されている。

【トレーラームービー】



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(2011年 6月 27日)

[Reported by 石井聡]