セガ、PS3/Xbox 360「爆烈軍団レネゲード」開発者インタビュー
小さなマシンで大破壊! 懐かしくて新しいアクションゲーム


「爆烈軍団レネゲード」

価格:1,500 円(PS3版)、1,200MSP(Xbox 360版)

CEROレーティング:未定


 株式会社セガは、PlayStation Store及びXbox LIVEアーケードにて「爆烈軍団レネゲード(英題「Renegade Ops」)」を2011年秋に配信する。価格はPS3版が1,500 円、Xbox 360版が1,200MSポイント(約1,800円)となる。本作はビークルやヘリなど様々な乗り物に乗り込み、広大なマップを舞台に、襲いかかってくる敵を破壊する、爽快なアクションゲームである。

 本作はE3会場で実際に体験することができた。ゲーム視点はクォータービューで、スクリーンショットだけ見ると、主人公が乗る乗り物は小さく、イマドキのFPSやTPSと比べると地味な印象を受ける。「デザートストライク」などの一昔前のゲームを思わせる。しかし、動き出すと、ド派手な爆発や、細かい敵の動き、物理エンジンによる挙動など、最新のゲーム技術が投入されていることを実感できる。

 本作の開発は過去に「Just Cause」シリーズ等を手がけてきたスウェーデンの独立系デベロッパーAvalanche Studios。発売に先がけ、E3会場で本作のシニアプロデューサーを務めるAndreas Thorsen氏と、ゲームデザイナーのAxel Lindberg氏にインタビューを行なった。いささか古典的にも見えるこの作風に、あえて挑戦した開発者達のこだわりに注目して欲しい。

【「Renegade Ops」Gameplay Trailer】


【プロモーションムービー】



■ 「没頭できるゲーム性を実現できたのは、誇りに思う」カジュアルで深く、激しい戦い

本作のシニアプロデューサーを務めるAvalanche StudiosのAndreas Thorsen氏
ゲームデザイナーのAxel Lindberg氏
小さなキャラクター達がド派手なバトルを繰り広げる。巨大な敵ももちろん登場する

 最初にシニアプロデューサーのAndreas Thorsen氏は、「『爆烈軍団レネゲード』はユーザーに楽しんでもらうように工夫している。目指したのは、“昔のアーケードゲームのような感触”だ。『デザートストライク』などの昔のゲームが持っていた面白さを感じてもらえると思う」と語った。

 「爆烈軍団レネゲード」は、Avalanche Studiosが手掛けた「Just Cause 2」のゲームエンジンをベースに、グラフィックスやフィジックスをさらに強化したものを採用している。大きなマップを舞台に、ビークルで走り回ったり、ヘリで飛び回ったりと、縦横無尽に移動し敵と戦う、シンプルなゲームを目指したという。

 ゲームには4タイプのキャラクターが登場する。4人のキャラクターには得意の乗り物と、発揮できる特殊なスキルが設定されている。ゲームモードはストーリー要素のあるシングルプレイ、2人でのオフライン協力プレイ、そして最大4人によるオンライン協力プレイの3つのモードが用意されている。なお、オフライン協力プレイでは、基本的に画面分割プレイとなるが、両者が近づくと自動的に1画面となり、一体感のあるゲームプレイが堪能できる。

 シングルプレイでは、90年代のG.Iジョーのような、わかりやすくシンプルな王道ストーリーが用意されている。世界中の都市を爆撃する「インフェルノ」という悪の組織があり、ブライアント将軍という人物がインフェルノに対抗するため、世界中から人材を募り「レネゲード(Renegade:反乱軍)」を組織した。プレーヤーはレネゲードのメンバーとして巨悪と戦っていく。

 シングルプレイでは、アニメーションコミックでステージの最初にストーリーが語られる。このコミックではプレーヤーにミッションが与えられ、ブライアント将軍等のキャラクターも登場する。現在はまだ明かせないが、面白い演出などもあるという。

 用意されているマップは複数あり、さらに昼だけでなく、夜になったり、天候によるバリエーションもあり、多彩なシチュエーションでの戦いが楽しめる。ゲームデザイナーのAxel Lindberg氏は「バリエーションの豊富さには特にこだわった」と語った。同じマップでも、シチュエーションが変わった場合、敵の配置や種類も変化する。また攻略ルートによっても状況はめまぐるしく変化する。

 キャラクターには成長要素があり、スキルや武器をアンロックすることで、新たな能力を発揮していく。キャラクターは1つのステージでいくつかの乗り物に乗り換える場合がある。以前発表したゲームトレーラームービーでは、序盤は戦車で走り回り、敵戦車や地上施設などを破壊していく。後半は大型のタンカーとのボス戦ではヘリコプターに乗り換えての戦いになる。

 ちなみに機体がやられると復活地点からの再出撃になる。機体を乗り換える事はできるが、キャラクター単体での戦闘要素はなく、キャラクターは常に何らかの乗り物に乗っている。難易度は3種類用意する予定で、「カジュアル」なら何度でも繰り返し復活でき、「ノーマル」なら3回までコンティニューは可能だが、コンティニューするとスコアが下がってしまう。「ハードコア」はコンティニューも復活もないが、得られるスコアが最も大きくなる。

 このゲームの大きな目標は昔ながらのゲームらしくハイスコアをたたき出すことだ。本作には「チェインコンボ」という要素があり、敵に連続でダメージを与え続けることで、スコアが上がっていく。広大なステージで、目標を破壊しながら、どこまでコンボを繋げ、スコアを上げていくかが、ユーザーの腕の見せ所だという。「ハードコアモードは1度やられるとおしまいだが、スコアは最も稼げる、是非挑戦してもらいたい」とThorsen氏は語った。

 Lindberg氏は「カジュアルモードならば、僕の5歳の娘とも2人プレイで楽しくプレイできる。またオンラインでは“対戦要素”も用意している。同じくらいのスコアのプレイヤーを抽出し、一緒にプレイしてスコアを競うことが出来る。様々な楽しさを提供していきたい。もちろんランキングもあり、世界中のプレイヤーと腕を競える」と語った。

 この他、シングルプレイを楽しくする要素として、「オートログモード」というシステムを搭載しており、フレンドの内で一番高い友人のスコアに近付くと「友人のハイスコアに近付きました」と告知が出て、越えると「友人の内で一番高いスコアです」と祝福してくれる。

 Thorsen氏は、「ゲームの基本要素、コアメカニクスが面白くできたのには気に入っているところだ。チームでデバッグをするとき、本来は10分ほどでよかったのだが、のめり込んでステージの最後までやってしまうことが多かった。没頭できるゲーム性を実現できたのは、誇りに思う部分だ」と語った。

 巨大なボスは本作の大きなセールスポイントだが、情報としてまだ明かせることは多くないという。ヘリに乗り込み大型のタンカーと戦うシーンは、最初に作ったボス戦であり、Thorsen氏が想像していた以上のできばえで、是非見てもらいたいという。Lindberg氏は3面のボスがお気に入りなので、楽しみにして欲しいとのことだ。

 もちろん、小さな敵もこだわりを持って作られており、各ユニットはそれぞれの戦略で戦ってくるので、こちらもそれに対応した戦法を求められる。最も弱い歩兵は、数が多く、こちらを包囲してくる。1体1体は弱いが、対抗するには爆発が広がるロケットランチャーが有効だ。また、戦車は装甲に覆われているため、マシンガンで装甲をはがし、弱点の燃料タンクを露出させる必要があるという。

 最後に日本のユーザーに対してThorsen氏は「デュアルスティックを使ったアクションゲーム、昔ながらのアーケードゲームが好きな人には、まさにこのゲームこそ遊ぶべきゲームだと思う。自信を持ってオススメしたい」。Lindberg氏は「開発チームは“このゲームが作りたい”と志願したメンバーだけで結成した。心のこもったゲームなので、その想いが皆さんに伝わればと思う」と語った。


【スクリーンショット】
ジャングルを突っ走り、敵施設を破壊する。派手な爆発が爽快感をもたらす
巨大な戦車との戦い。倒すと爆発してバラバラに
ヘリに乗り換えて空から攻撃巨大タンカーとの対決も

(C)SEGA