GDC 2011レポート

Game Developers Choice Awards 2011表彰式レポート
GOTYはやっぱり「RED DEAD REDEMPTION」! 生涯功労賞はピーター・モリニュー氏


2月28日~3月4日開催(現地時間)

会場:サンフランシスコ Moscone Center



 GDCのセッションが本格始動する3月2日には恒例のるGame Developers Choice Awards表彰式が開催され、すでに発表されているノミネート作品の中から各賞が発表された。今年は10部門中6部門にノミネートされていた大本命の「RED DEAD REDEMPTION」がGame of the Year(GOTY)、Best Technology、Best Game Design、Best Audioなど4冠を獲得した。

 今年で11回目を迎えるこのアワードは、ゲーム開発者が選ぶアワードとして、数あるアワードの中でも高い権威を誇っている。セッション終了後に会場がオープンすると、入り口にはバーが設けられ、ショーアップされた会場はお祭りムードになる。各賞の結果は以下の通り。


【Game Developers Choice Awards受賞一覧】
Game Of The YearRED DEAD REDEMPTIONRockstar San Diego
Innovation AwardMINECRAFTMojang
Best Visual ArtsLimboPlaydead
Best Downloadable GameMINECRAFTMojang
Best TechnologyRED DEAD REDEMPTIONRockstar San Diego
Best Handheld GameCut the RopeZeptoLab
Best WritingMass Effect 2BioWare
Best Game DesignRED DEAD REDEMPTIONRockstar San Diego
Best AudioRED DEAD REDEMPTIONRockstar San Diego
Best Debut GameMINECRAFTMojang


【授賞式の様子】
4部門を獲得した「RED DEAD REDEMPTION」GOTYが発表されると、ノミネート席にいたスタッフが歓声を上げて抱きあう場面も
3部門を獲得した「MINECRAFT」。同日に行なわれたIndependent Games Festivalでもグランプリを獲得した
Best Handheld Gameはスマートフォン時代を反映してiPhoneのアプリ「Cut the Rope」が受賞Best Writingを獲得した「Mass Effect 2」の表彰式最多ノミネートだった「Limbo」はBest Visual Artsを受賞した


ステージでDJがディスクを回し、お酒も入って会場は大いに盛り上がる
鈴木裕氏がPioneer Awardを受賞

 今年旋風を巻き起こしたのは、インディーズゲームながら、全世界で100万本を超える売り上げを記録している「MINECRAFT」だ。日本にもファンの多い「MINECRAFT」は、材料を集めて道具や巨大な建築物を作ったり、広大な世界を冒険したりと自由に遊べるサンドボックス型のPCゲーム。Game Developers Choice Awardsの前に行なわれたIndependent Games Festivalでも数多くの賞を受賞し、さらに「Game Developers Choice Awards」でもInnovation Award、Best Downloadable Game、Best Debut Gameの3冠を獲得しインディーズゲームの底力を見せつけた。7部門にノミネートされていた「Limbo」はBest Visual Artsのみの獲得となった。

 日本勢はコンソールゲームは昨年以上に影が薄く、ノミネートされたのはWii用の「Super Mario Galaxy 2」(Nintendo)と「Kirby's Epic Yarn」(Good-Feel & HAL Laboratory)のみ。だが、モバイルが対象のBest Handheld Gameでは「Metal Gear Solid: Peace Walker」 (Kojima Productions) 、「Game Dev Story」 (カイロソフト) 、「Dragon Quest IX」 (レベルファイブ)と5本中3本に日本のタイトルがノミネートされるなど携帯機が強い日本の実情を反映した形となった。しかし、残念ながら日本勢は一歩及ばず結果はiPhoneアプリの「Cut the Rope」(ZeptoLab)が受賞した。

 ビデオゲームの歴史の中で画期的な技術やゲームコンセプトを生み出して道を切り開いてきた人物に贈られるPioneer Award(旧:First Penguin Award)は鈴木裕氏が獲得した。鈴木氏は「これで公式にパイオニアになれました」と喜びの言葉を語った。鈴木氏の授賞を祝って、アワードを笑いで盛り上げるMega64による「シェンムー ファイナルサーガ」のビデオも上演された。かなり奇想天外なストーリーを鈴木氏自身が映像のなかで朗読していた。ゲームキャリアとその成果を讃えるLifetime Achievement Award(生涯功労賞)には「ポピュラス」や「Fable」シリーズの開発者ピーター・モリニュー氏が選ばれた。


【Maga64の「シェンムー ファイナルサーガ」】
主人公芭月涼がアメリカに渡り、最後は月面で超能力バトルを繰り広げるという壮大なストーリー

(2011年 3月 3日)

[Reported by 石井聡]