NCJ、「リネージュ 2」最新アップデート「クロニクルス」体験レポート
最高難度のフィールドと化した「ドラゴンバレー」でレイドボス退治


12月21日 アップデート実施予定


「クロニクルス」のイメージイラスト

 エヌ・シー・ジャパン株式会社は、12月21日に実装が予定されているWindows用MMORPG「リネージュ 2」の最新アップデート「クロニクルス」のプレス向け先行体験会を行なった。これは韓国では「ハイファイブ(Part1~Part3)」として段階的に実装されたアップデートで、3回分のアップデートが日本では1度に入ることになる。

 今回のアップデートは、韓国では2011年に実装予定の大型アップデート「Goddess of Destruction」(邦題未定)へと続く最初の1歩という位置づけだ。「Goddess of Destruction」ではレベルキャップの開放や、高レベル向けの新たな成長システム「覚醒」が導入される予定だ。今回の「クロニクルス」には様々な成長支援要素が盛り込まれているが、これは現状成長途上にあるキャラクターにも、来るべき大型アップデートを楽しんでもらうため今のうちにレベルの底上げしてもらうという意図がある。

 これまで「リネージュ 2」といえば、レベル上げが大変なゲームというイメージが強かったが、「クロニクルス」ではレベル78以降の成長曲線が緩やかになり、それに合わせてレベルと経験値の再計算が行なわれる。職業バランスについても、33の新スキル追加と、100近い既存スキルのバランス調整が入る。またパーティーが多人数になるほど多くの経験値が得られるよう、パーティーボーナスのシステムも変更された。

 キャラクターを成長させるための新しい遊び場としては、新たな「セブンサインエピッククエスト」が追加される。また、適性レベルが65の狩り場だった「ドラゴンバレー」が、多数のレイドボスが待ち受けるハイエンドコンテンツとしてリニューアルされ、「傲慢の塔」と「悲鳴の沼」にも遊びやすくするための細かい修正が入る。さらに対人用のフィールド「オリンピアード」に、戦略性を増した3つの新フィールドと、褒賞のトークンでもらえる新装備が登場する。

 このレポートでは「クロニクルス」で実装される各コンテンツを実際に体験した印象をお伝えしたい。


今回はモンスターが一新され、大きくリニューアルした「ドラゴンバレー」を中心に紹介




■ ハイエンド用レイドボス生息地に生まれ変わった「ドラゴンバレー」

ドラゴンバレーの入り口。目のようなオブジェを超えると、リンク多発の危険地帯だ

 「クロニクルス」の目玉コンテンツとなるのが、ドラゴンバレーのリニューアルだ。谷には「ドラゴンボテックス」という輝く巨大な眼のようなオブジェが出現し、登場するモンスターがガラリと一新されている。

 適正レベルは80以上のパーティーで、奥にあるダンジョンはレベル85以上のパーティー推奨とされている。フィールドには非常にたくさんの敵が配置されていて、次々にリンクしてくるのでソロだと逃げ場もなく倒されてしまう。体験プレイでは2人で進行しているが、くれぐれも真似はしないようにして欲しい。

 フィールドの中でモンスターを倒していると、ごく稀に「ビッグ ドラゴン ボーン ピース」というアイテムをドロップすることがある。このアイテムを「ドラゴンボテックス」に使うと、7種類のレイドボスのいずれかが呼び出される。今回は「エメラルド ホーン」という緑っぽい羽と牛のような顔を持つドラゴンが現われた。4カ所ある「ドラゴンボテックス」のどこにどのレイドボスが現われるかは完全にランダムだそうだ。

 レイドボスはパーティー用だそうだが、ボスと戦っている最中にも、周りにいるモンスターがリンクしてくるので、できるだけ大人数で挑む必要がありそうだ。レイドボスは召喚のためのアイテムがあればいつでも呼び出せる。


「分離した霊魂」というNPCは「ドラゴンバレー」の複数の場所へとワープで送ってくれる谷の中には、適性ランクがレベル80以上のパーティーというモンスターが密集している
谷の中にいるモンスターはすべて新グラフィックスの敵だ谷の中に4カ所ある「ドラゴンボテックス」
今回現われたのは「エメラルド ホーン」。どのレイドボスが出てくるかはランダムボスと戦っている最中にも、周りの雑魚がリンクしてくるので要注意だ




■ ドラゴンバレーのダンジョン攻略のカギは“マラソン大会対策”

ドラゴンバレーのダンジョン入り口。レベル85でも苦戦するという、最難関のダンジョンに生まれ変わった

 ドラゴンバレーのダンジョンでは、敵のモンスターもパーティーを組んでいるので、常に複数が相手の戦闘になる。このダンジョンで非常に厄介なのが「地竜の巡察者 クノリクス」というモンスターだ。このモンスターは洞窟の中を走り回っていて、プレーヤーを見つけるとかなり遠くから襲いかかってくる。その際、周囲にいた敵を巻き込んで一緒に連れてきてしまうところが凶悪だ。

 「クノリクス」は何匹かいて、ダンジョンの中に3匹いるボスの近くが周回ルートになっているものは、ボスとの戦闘に横やりを入れてくる。体験プレイでもボスとの戦闘中に、3匹程の敵を引き連れた「クノリクス」が乱入してきた。

 洞窟内を走ってるのはクノリクスだけではない。3体のレイドボスがいる洞窟の最深部にあるロータリー状の道には、ドラゴニュート系の敵が何十匹も激しくマラソンしている。1匹に見つかって戦闘になると、後続も続々と襲いかかってくるので、どんなに強いパーティーでも勝ち目はなさそうだ。マラソンのペースが速いうえに数も多いので、倒しながら進むのは不可能だ。

 レイドボスがいるのはマラソンの周回上にある枝分かれした道の奥なので、誰かが敵を引き付けて犠牲になっている間に他のプレーヤーが移動するといったふうに、作戦を練って移動する必要がある。


中のモンスターはパーティーを組んでいて、数匹で襲いかかってくる洞窟内を颯爽と走り回っている「地竜の巡察者 クノリクス」
洞窟の奥にあるロータリーでは、大量のモンスターが走っている。その理由は謎だ試しに絡まれてみた。次から次へと駆け寄ってくるモンスターにあっという間に囲まれてしまう
洞窟の最深部にいる3匹のレイドボスの1つ「ドラゴンビースト」「ドラゴンビースト」と戦っている最中に、リンクしたモンスターを引き連れたクノリクスが乱入してきた




■ ドラゴンバレーにはレベル78以上の成長ボーナスが満載

「ネビトの降臨」のために新たに追加された達成率ゲージ

 今回のアップデートにはキャラクターの成長を助ける要素が多く追加されている。その中には「ネビトの降臨」や、先に紹介したレベル78以降のパーティーボーナスの変更、さらにドラゴンバレーでのみ適応されるボーナスもある。

 「ネビトの降臨」は獲得経験値が増加する「バイタリティーシステム」のゲージを増やしてくれる嬉しいボーナスだ。天使ネビトが祝福の力を込めて地上に撃ち放った光の矢が、キャラクターに活力を吹き込んでくれる。発生すると頭上にネビトが降臨したというメッセージが表示されて、体が赤いオーラに包まれる。

 ネビトが降臨したキャラクターは「バイタリティチャージ」、「獲得経験値がバイタリティ満タン状態になる」、「死亡時経験値減少なし」という3つの効果を得られる。バイタリティチャージは、降臨のしている間、バイタリティゲージの1番下にある細いゲージが光りながら貯まっていくというもの。通常は敵を倒すと減っていくバイタリティゲージがじわじわと増えていくので、通常よりもずっと長い時間、バイタリティゲージの恩恵を受けられる。持続時間は3分間で、この効果はキャラクターが死亡しても継続する。

 ネビトの降臨は、モンスターを倒したり、レベルが上がったり、バイタリティレベルが下がったりした時に上昇する「降臨達成率」を100%にすると発生する。1度発生すると、上昇率は0%に戻って再び貯め直しとなる。1回の使用時間は3分間だが、1キャラクターごとに発生するボーナス時間の上限は1日最大4時間なので、その間は達成率が貯まれば何度でも降臨する。ボーナスの上限時間は毎朝6時30分にリセットされる。

 レベル78以上のパーティーボーナス「士気上昇」は、パーティーの組み合わせによって様々なステータスボーナスがもらえるというもの。特定の職をパーティーに入れることで、職同士の組み合わせや、その職の参加人数などで攻撃力やクリティカル、さらに入手経験値にボーナスがつくような組み合わせもある。組み合わせは公開されていないが、効果の強さは3段階あり、今まであまりパーティーに誘われなかったような職業を入れると有利になるよう調整されているようだ。

 また、ドラゴンバレーでモンスターをスポイルにかかった状態で倒すと、高確率で生命やマナのハーブをドロップする。また一定確率でパーティーメンバー全員が一定時間バイタリティが満タンの状態になる効果を得られる。


達成率100%になって「ネビトの降臨」が発動すると体から赤いオーラが出る




■ 重装備職が高速移動、フォーチュンシーカーが短刀を使う新しい戦闘スタイル

「クロニクルス」で追加される新装備「エレギア」シリーズ

 キャラクターが使うスキルには大きな変更が入る。33種類の新規スキルが追加されるほか、既存スキルの「イージススタンス」、「ラッシュ」、「ラッシュインパクト」、「ダガーマスタリー」、「デュアルダガーマスタリー」、「デッドリーブロー」、「バックスタブ」の7つが他のクラスにも追加される。火力や防御力が上がるなど、全体的に上方修正が行なわれている傾向だ。

 その中でも大きな注目点は、ドレッドノート、デュエリスト、タイタン、グランド カバタリのような重装備職にも高速で移動できる手段として「ラッシュ」や「ラッシュインパクト」が追加されたことだ。これで遠距離職に対しても、一気に間合いを詰めて攻撃することができるようになり、これまでとは戦い方が大きく変わる可能性がある。

 もう1つの大きな変化が、フォーチュンシーカーに「デュアルダガー マスタリー」が追加されることだ。これまで両手武器と片手鈍器しか持てなかったドワーフが短剣で軽やかに攻撃する姿はかなり新鮮だ。こちらも、動きや攻撃の素早さに焦点が当てられた修正と言える。攻撃職のスキルは、アクションがより格好良くなっていたり、エフェクトが派手になっていたりと、使っていて楽しいものになっている。

 回復職には「チェーンヒール」という新しい回復スキルが実装される。ターゲットした対象に対して「チェーンヒール」を使うと、そのターゲットの周辺にいるヒール可能なプレーヤーやNPCも同時に回復させるという少し変わった範囲ヒール。効果範囲もかなり広いので、うまく使えば多人数パーティーでのハンティングはもちろん、攻城戦でも活躍してくれそうだ。


「ディメンションスパイラル」
強力な魔法攻撃。モンスターには追加ダメージが入る
「マルチプルショット」
前方の多数の敵を攻撃する
「ラッシュインパクト」
ターゲットした相手との距離を瞬時に詰める
「チェーンヒール」
ターゲットした相手とその周囲にいるプレーヤーを回復させる




■ 「オリンピアード」に戦略性の高い新しいマップが登場

従来のフィールドは、観客席が綺麗になった

 1対1や3対3の対人戦が楽しめる「オリンピアード」には、戦略性の高い3つの新マップが実装される。新マップは「三分岐道」、「英雄の跡」、「オルビス円形闘技場」の3つ。今後は、3つの新マップに従来のマップを合わせた4つのマップからランダムでステージが選ばれることになる。

 「三分岐道」は溶岩の堀に囲まれたステージ。ステージ中央を堀が分断していて、そこに3本の橋がかかっている。橋にはガーゴイルの石像が立っていて、溶岩から立ち上る煙が視界を阻害する。ステージが狭くて障害物が多いので、遠距離攻撃や「ラッシュ」など、直線状に相手がいなければ発動できない技を出しにくい。

 「英雄の跡」は4つの石像が建っている神殿跡のような場所。石像は入り口の正面に立っているので、対戦がスタートして扉が開くと石像の裏手に出る。すぐには相手の姿を確認できないので、スタート直後に遠距離攻撃で一気に勝負を決めるといった速攻ができない。

 「オルビス円形闘技場」はその名前通り円形の闘技場。中央には8本の列柱に囲まれた円形の広場があり、立ち並ぶ柱が邪魔になって相手をターゲットしづらい。このようにどのマップも、単純な遠距離攻撃では勝てないようにできている。ソロ対戦はもちろん、チーム戦では作戦が有効になる余地があり、単調な対人戦に飽きていた人にとっても新鮮な楽しみを感じられる場所に生まれ変わった。

 新しく3種類のデイリークエストも追加された。クエスト褒賞の「オリンピアード・トークン」を集めると、ベスペル防具やバーペス防具と交換できる。


「英雄の跡」
フィールド内に4体の巨大な石像が立っていて、スタート地点を相手から隠す
「三分岐道」
中央に3本の橋がかかり、溶岩から立ち上る煙が視界を遮る
「オルビス円形闘技場」
中央に8本の柱が立つ円形の闘技場




■ 「セブンサイン エピッククエスト」新章で「エンブリオ」の謎が明らかに

 セブンサインの封印を巡るストーリークエスト「セブンサイン エピッククエスト」は全部で5章のクエストが実装される。クエストは、アデン城にいる神官「ウッド」に話しかけるとスタートする。プレーヤーは盲目のダークエルフ「エルカーディア」に要請されて、実力を試すテストを受けることになる。

 前回のクエストで残された「エンブリオ」という謎の言葉が、今回実装される一連のクエストで明らかになる。ボスキャラクター「エティス バン エティナ」を倒すと、クエスト褒賞として多くの経験値とスキルポイントが得られる上、「忘れられた秘伝書」が手に入る。これを使うとレベル81用の特別なスキルを覚えられる。

 いよいよ未来に向かって動き始めた「リネージュ 2」。「Goddess of Destruction」に向けてキャラクターを育てつつ、盛り上げていきたい。


盲目のハイエルフ「エルカーディア」ボスモンスター「エティス バン エティナ」


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(2010年 12月 17日)

[Reported by 石井聡]