G-Star 2010レポート

【G-Star 2010】NEOWIZブースレポート
「ロックマンオンライン」と「パズルボブルオンライン」で気分は90年代!




11月18日~21日開催

会場:釜山国際展示場(BEXCO)

入場料:大人4,000ウォン(前売り2,000ウォン)
学生2,000ウォン(前売り1,000ウォン)


 韓国NEOWIZのブースでは、カプコンと共同開発中のアクションオンラインMO「ロックマンオンライン」と、タイトーのパズルゲームを新たにオンライン化した「パズルボブルオンライン」が出展されていた。どちらも日本の1980年代を代表するタイトルで、新しさより懐かしさを感じる。

 「ロックマンオン」は言わずと知れたカプコンの代表作の1つ。1987年に発売されて以来、紹介しきれないほどのシリーズ作品とスピンアウト作品を生み出している。そんな「ロックマン」をNEOWIZがオンランゲーム化したのが「ロックマンオンライン」だ。NEOWIZ Games R-onチーム チームマネージャー ジェームズ・キム氏に話を聞くことができたので、ブースでの試遊レポート共に、ゲームの詳細や開発の裏話などを紹介したい。

ブースの中には、大きな「ロックマンX」のフィギュアも。横では輪投げゲームが行なわれていた「ロックマンオンライン」の試遊を待つ行列の横には、大きなイラストボード
ストーリー仕立てのアニメーションのプロモーションムービー試遊用のヘッドホンも「ロックマン」らしいポップなものが使われている




■ カプコンとNEOWIZが共同開発のMORPG「ロックマンオンライン」

話を聞かせてくれたNEOWIZ Games R-onチーム チームマネージャー ジェームズ・キム氏

 「ロックマンオンライン」の開発は、フランチャイズ作品を作りたいというカプコンと、「ロックマン」のIPを使ったゲームを作りたいというNEOWIZの希望がうまく噛み合ってスタートした。現在は、来年上半期のクローズドβテスト(CBT)を目指して開発が進んでいる。そもそもの企画段階ではMMORPGだったという本作。最終的にはMORPGとして開発され、3Dキャラクターを使った2D横スクロールアクションと言う、コンシューマ版に近い形に落ち着いた。

 「G-Star 2010」では、「ガイア」というエリアにある2つのダンジョンが体験できた。1つは森の中にある巨木の枝を伝っていくようなダンジョン、もう1つは秘密基地のような場所だ。使用できるキャラクターは「ロックマンX」シリーズの主人公「X(エックス)」、親友の「Zero(ゼロ)」、「ロックマン8 メタルヒーローズ」に登場した「Duo(デューオ)」の3人。性能的にはエックスが近接型アタッカー、Zeroが遠距離型アタッカー、デュオがパワータイプのタンクという形にオンラインゲームらしいパーティープレイを想定した役割分担がなされている。

 キム氏によれば、今後「ガイア」に加えて「アトラス」、「オケアノス」、「ニケ」という全部で4つのエリアが追加される予定だそうだ。キャラクターも、現在いる3人以外に回復能力を持つ「シナモン」を追加する予定で、さらにその後2、3のキャラクターの追加を考えているらしい。


キャラクター選択画面では、基地のような場所にたたずむかっこいい3人の姿が見られる「G-Star」バージョンのダンジョンがあるエリア「ガイア」

 今回は主人公エックスを使って見た。コントロールは矢印キーで動きを操作し、「Z、X、C」がそれぞれ「攻撃、ジャンプ、ダッシュ」に対応している。「Z」キーを長押しすれば貯め攻撃ができるのはコンシューマ版と同じだ。スキルは4つ使用可能で、「A」~「F」がそれぞれに対応している。また、数字キーでショートカットに登録したアイテムを使うことができる。近距離型のエックスは、カポエラ風の旋回キック攻撃、ジャンプして近くにいる敵めがけて連射する技などレンジは近いが強力なスキルを持っている。

 操作感はジャンプの判定がシビアだったりと昨今のオンラインアクションゲームに比べればややタイトで、正確な操作が求められる、コンシューマ版で苦労した昔を少し思い出すような操作感だ。難易度についてはキム氏も悩んだという。ただ「一部のマニアに喜んでもらえるのはもちろんですが、それだけではなく多くの人に楽しんで欲しい」(キム氏)という方針を決めたのだそうだ。

 「ロックマンオンライン」ではダンジョンの難易度は3段階から選べる。G-Starバージョンは真ん中のミドルだ。一番難しい難易度は最大4人までのパーティー推奨だ。内容的には、敵の配置や強さ、トラップの配置などが違うのだそうだ。

 「コンシューマ版ではトラップの要素が少ないと思いました」(キム氏)というとおり、ボスへの道筋には上に乗ると崩壊する床や、爆弾、スイッチで開閉する扉などなど、様々なギミックが待ち受けている。本作の特徴の1つが上下移動の多さだ。本作は3Dの作品だが、移動は縦横のみで奥行きはない。そこを補うために、上下の移動を多くして広さを出している。


画面中央あたりに4つ並んでいるのがキャラクターの固有スキル、その左上に見えるのは回復アイテムだジャンプで垂直な壁を登っていく。コンシューマでもおなじみのアクション
広範囲にダメージを与える「エックス」の大技乗ると崩れる床。床が崩れる前にイバラの隙間を目指す

 1面のボスは「ロックマンX」のボス「スティング・カメリーオ」をイメージしたカメレオン型のロボット。尻尾をふって上から矢を降らせたり、ジャンプして踏みつけてきたりといった攻撃を繰り返してくる。体力をギリギリまで削ると、画面に「←」「→」「↑」「→」「Space」といった感じの支持が出る。その通りに入力すると、カットシーンの華麗な決め技でとどめを刺してくれる。

 オンラインならではの要素としては、装備のカスタマイズや「バトルディスク」という強化要素がある。カスタマイズできる個所は「頭」、「体」、「武器」、「足」、「カバン」の5カ所。レベルが上がるにつれて装備は変わっていくが、レベル50までの装備についてはすでにカプコンからデザインの承認を受けているそうだ。

 装備以外に「バトルディスク」という専用スロットに装備して使う特別なアイテムがある。これは、キャラクターのスピードを速くしたり、自動的に発射するミサイルを追加できたりする、コンシューマ版でサブウエポンに当たるもので、特定のキャラクター専用のものもある。入手にはショップからの購入、ボスドロップ、課金アイテムなど複数の方法がある。

 マッチングロビーは200人ぐらい入れる街になっており、そこで装備を購入したり、他人とコミュニケーションを取ったりすることができるという。将来的にはPvPを導入する予定もあるそうだ。地形を生かして、お互いの拠点を取り合うような対人を想定しているということだ。日本の版権はカプコンが持っているそうなので、そう遠くない将来日本でも遊べる日が来るかもしれない。キム氏はインタビューの最後に「カプコンとのコミュニケーションを通じて開発はスケジュール通りに進んでいます。韓国でのロックマンオンラインを見ていただきながら、楽しみにしておいてください。なるべく早く皆さんの前にお見せできることを期待しています」と語っていた。


ボスはカメレオン型のロボット。殴りと範囲攻撃を交互に繰り出してくる最後にうまくコマンドを入力すると、フィニッシュ技がカットシーンではいる
イラストボードに登場している唯一の女性キャラクター「シナモン」は今回は使用できなかった




■ あの「パズルボブル」が可愛いアバター付きオンラインゲームに!

試遊ブースの手前はソロプレイ専用、奥は6人の対戦プレイで遊べる

 「パズルボブルオンライン」は、かつてタイトーが2002年にサービスをしていた同名のゲームとはまったく関連のない、タイトーの監修を受けて韓国で開発された新作オンラインゲームだ。

 「パズルボブル」といえば、1994年にタイトーから発売されたアーケードゲームの名作。上からぶら下がったバブルを消していくパズルゲームだ。ブースにはパズルボブルのマスコットキャラクター「バブルン」のぬいぐるみが飾られ、オンライン対戦で勝利した来場者に手渡されていた。

 オンライン対戦は最大6人までが参加できる。登録すると他のプレーヤーが揃うまで待機状態になる。この時にあらかじめ登録していたアバターが「バブルン」に似た小さな怪獣と一緒に小部屋に表示される。このアバターは自由に着替えが楽しめる。

 対戦は自分のバブルを消すことで、相手のバブルを揺らして照準を合わせにくくしたり、相手のバブルをすべて黒く変えてしまったりといった攻撃ができる。ソロプレイはよりパズル色が強くどこから消していくかをじっくりと考えるようなプレイもできる。現在はまだまだ開発中だが、来場者の反応は上々で、ブースはいつも順番を待つ大勢の人でにぎわっていた。


ソロプレイの画面。考えながら消していく必要がある待機中は自分のアバターが「バブルン」似の怪獣と一緒に小部屋で相手を待つ
対戦は最大6人まで参加できるパズルボブルのマスコットキャラクター「バブルン」でも、日本版より少し可愛いくなっている

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(2010年 11月 22日)

[Reported by 石井聡]