「MHF VS.クエスト チャンピオントーナメント in Autumn 2010」レポート

杉浦運営プロデューサーによるアップデート直前レポートも実施


9月26日 開催

会場:Cybex 習志野店

入場料:無料



千葉大会の会場となったCybex 習志野店

 株式会社カプコンは、9月20日から26日にかけて、Xbox 360/Windows用オンラインハンティングアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン(MHF)」のオフラインイベント「VS.クエスト チャンピオントーナメント in Autumn 2010」を、岩手、福島、山梨、千葉の4都市で開催した。

 2009年春から始まったこのイベントは、ゲーム大会に加え、毎回「MHF」の運営スタッフによる次期アップデートのプレゼンと、その先行体験が行なわれることが恒例となっている。今回は9月26日に「Cybex 習志野店」で開催された千葉大会の模様をレポートする。大会の参加者は35チーム70名。観戦者も含めると130名以上が来場した。




■ 予選から荒れた大会。「ドラギュロス」討伐のスピード勝負を制したのは?

ビリヤード場を使った特設会場は広々とした空間。観客も快適に観戦できた

 大会では、まず全チームが参加する予選が行なわれ、クエストのクリアタイムが早かった上位4チームが決勝に進んだ。予選のクエストは4種類用意されており、その中から参加者のくじ引きにより「グラビモス1頭の討伐」に決定された。

 闘技場マップで「グラビモス」の討伐を目的としたクエストだが、同じフィールドには「グラビモス亜種」もおり、その攻撃もかいくぐりながらターゲットを討伐しなくてはならない。武器の種類は選べるが、武器・防具・アイテムは大会側が用意したものを使用するので、ハンターの技術が試される。

 タイムアタックでは剣士装備が好まれることが多いが、会場では「グラビモス」に近づきすぎて「グラビモス亜種」の動きがわからなくなるのを恐れてか、ガンナー装備を選択するチームが目立った。しかしタイムを競う以上、「火事場力」や「餓狼」も使いたい。結果、倒されてしまうハンターが続出し、制限時間5分のタイムオーバーも含めると、35チーム中12チームがクエスト失敗となってしまった。

 そのような中、「阿部島産カジキマグロ」チームは、ヘビィボウガンで攻撃力を重視しつつ、巧みに前転を使った回避で、1分34秒70という早さで2位に30秒近くも差をつけ1位通過した。2位以下では、「闘技党BC待機本部」、「闘技刀【華麗】」、「ふぉーちゅん☆リング」の4チームが駒を進めた。


大会は横の卓球場を使って実施。こちらも広々としていて快適予選での「グラビモス」は4会場で初登場という。画面右には亜種の姿がある2体の「グラビモス」の攻撃をさばききれず、倒されてしまうハンターが続出

 決勝は4チームで行なうトーナメント。クエストの内容は「VS.クエスト」モードでの「ドラギュロス1頭の討伐」。これまでの3会場では、罠の仕掛け合いが見所になっていたようだが、千葉大会においては罠を仕掛ける様子がほとんどなく、実力で勝負しようという傾向が強かった。

 準決勝を勝ち進んだのは「阿部島産カジキマグロ」と「闘技刀【華麗】」。決勝は3試合2本先取で行なわれた。両チームとも片手剣のコンビを選択。双方が全力で「ドラギュロス」と対峙していたが、「阿部島産カジキマグロ」の1人が「ドラギュロス」の突進で距離を離された一瞬の間を使い、「VSタル爆弾」を設置。これを「闘技刀【華麗】」の1人が即座に踏んでしまい倒されてしまった。1度倒されると圧倒的不利と思われたが、先に討伐したのは「闘技刀【華麗】」のほう。「阿部島産カジキマグロ」は遅れること約5秒で討伐となった。

 2試合目も序盤から「闘技刀【華麗】」が1人倒れてしまい、今度は「阿部島産カジキマグロ」が1本取り返した。そして決勝の3試合目は、今度は「阿部島産カジキマグロ」の1人がいきなり倒されてしまった。これで勝負は決まり、予選を3位で通過した「闘技刀【華麗】」が優勝を決めた。「闘技刀【華麗】」チームには、特製トロフィー、「ゴールドクレストI」(片手剣)、Nポイント7,000ポイントが贈呈された。


準決勝、決勝のモンスター「ドラキュロス」。実力勝負の短期決戦となった「阿部島産カジキマグロ」の罠で倒されながらも、あきらめない気持ちで勝利を引き寄せた「闘技刀【華麗】」



■ 運営プロデューサー杉浦一徳氏が「シーズン9.0」の最新情報を出張レポート!

「MHF」運営プロデューサーの杉浦一徳氏

 この大会のもうひとつの目玉となるのが、運営プロデューサー杉浦一徳氏による次期大型アップデートの最新情報レポートだ。基本的なアップデート内容は、既に公式サイトやインタビューで明かされているとおり。

 新たな情報としては、まずクエストのリニューアルがある。クエストの試行数と達成数のデータを見たところ、1週間で1度も遊ばれていない「グイッと一本」などニーズの少ないクエストがあるため、報酬をメインに上方修正するという。このほか、不満の多かったイベント武器の性能見直しも順次実施。開拓遊びのリファインでは、MAPを初期化した際にCPを変換という対策をしたが、これに関して杉浦氏は「技術的に、初期化せず変更することができない、申し訳ない」とした上で、今後のコンテンツは「その後の拡張を前提に、伸びしろを残して作っていきたい」と話した。「シーズン9.0」ではこのほか、「交流区」を新設し、30人部屋を復活することも発表された。
 
 そして気になる今後のアップデートについては、「シーズン10」を2011年1月に実施し、その後、夏、秋と季節ごとに大型アップデートを行なうとした。ただし夏のアップデートについては、「いつも比較的小規模になるので、春か秋にまとめることも検討している」とした。

 「シーズン10」において興味深かったものは、「ハンター同士のクエスト貢献度を競うコンテンツを企画中」というものだ。「現状、ハンターランクは腕前ではなくやりこみ度を示す数値になっているので、プレーヤースキルの指標になるものを用意したい。公式狩猟大会で競うような人と、猟団内で気軽にできるものの2パターンを考えている」という。ただ詳細はまだ詰めている最中で、実装直前の1月末にお話ししたいとしている。

 このほか、フィギュアの同梱で話題となり、売り切れてしまった「MHFアニバーサリー2010 プレミアムパッケージ」および「MHF シーズン8.0 プレミアムパッケージ コレクターズエディション」について、「現在追加生産中で、11月中旬から12月上旬頃に再販予定」と発表した。生産数も「欲しい方全員に行き届くはずの数を作っている」という。


今後のリファイン計画も続々と発表された。既存のコンテンツに手を入れて改良していくのも「MHF」のオンラインならではの魅力だ

 イベントの最後に行なわれた「シーズン9.0」の体験会では、新マップ「高地」で、新モンスター「グレンゼブル」の狩猟を体験できた。重量級パワータイプである「グレンゼブル」は、素早い動きはないものの、地面に角を突き刺した震動でよろめくハンターを尻尾でなぎ払ったり、飛び上がると同時に広範囲のハンターを吹き飛ばす暴風を起こしたりと、ユニークな動きで大ダメージを繰り出していた。初体験となる参加者たちは、決勝進出チームの面々でも何度も倒されてしまうなど、四苦八苦していたようだ。「シーズン9.0」を楽しみにしているハンターたちも、討伐に出る際はくれぐれも気をつけてもらいたい。

 杉浦氏は、1年半続けてきたネットカフェでの大会で「オフラインの楽しさを改めて感じた」と振り返り、「今は全国47都道府県の全県制覇を3年くらいかけてやりたいと思っている」とうれしそうに話していた。今後は地方のハンターにも楽しみなイベントになりそうだ。


初体験のモンスターでモーションがわからないのはともかく、あらゆる攻撃が大ダメージなのが目に付いた。また天候変化で雨が降り出すと、ハンターがばたばたと倒れていくシーンも見られた
ビンゴ大会も開催。3名に「シーズン9.0」のパッケージとNポイントがプレゼントされた体験会の後には杉浦氏が来場者と直接話をして、意見や要望を聞いていた

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(2010年 9月 27日)

[Reported by 石田賀津男 / 石田賀津男]