アップルストア銀座で女性向けiPhone/iPadアプリイベント開催

イマジニアが「リラックマ」、カプコンが「ハローキティ」のアプリを発表


7月6日 開催

会場:アップルストア銀座



イマジニア株式会社と株式会社カプコンは、7月6日にアップルストア銀座で開かれたイベント「I love iPhone×Apps Vol.4」で、新作iPhoneアプリを発表した。イマジニアは「リラックマTouch!」、「リラックマPhoto」、カプコンは「ハローキティのパラシュートパラダイス(仮)」。いずれも女性向けのコンテンツだ。

 「I love iPhone×Apps」はアプリヤ株式会社が開催するiPhone/iPadアプリの発表会イベントだ。今回のテーマは「女性」で、出版社の株式会社ディスカバー・トゥエンティワン、株式会社電通、アプリヤ株式会社を含めた全5社から、女性向けの新作アプリが発表された。またファッションモデル兼フォトグラファーのシトウレイさんが、自身の写真集アプリ「STYLE from TOKYO」の紹介を交えてトークショーを行なった。

 国内の正確なデータはないが、確かに最近ではiPhoneを利用する女性を、街中でよく見かけるようになった。ファッション雑誌「anan」でiPhoneの特集が組まれ、「iPhone女子」といった言葉も聞かれるほどだ。アプリヤ執行統括責任者の新城健一氏も冒頭で「iPhoneユーザーの男女比率は半々にまで近づいている」とコメントし、「女性」という切り口でイベントができるまでに成長したiPhoneの現状をアピールした。




■ リラックマ7周年を記念してアプリを投入 ~イマジニア~

iPad付きリラックマと登場した藤林麻衣氏

 イマジニアでモバイルメディア事業グループ・企画プロモーションチームに所属する藤林麻衣氏は、「癒し系キャラクターのリラックマが7周年を迎える」と切り出し、これを記念して2本のアプリをリリースすると説明した。リラックマはキャラクターグッズなどを手がけるサンエックス株式会社で2003年に誕生し、20~30代のOL層を中心に人気を集めている。イマジニアでも過去にリラックマが題材のモバイルサイトなどを手がけてきた。

 「リラックマTouch!」はコミュニケーションアプリで、画面上のリラックマをなでたり、
押したり、つついたり、弾いたりして楽しめる。このほか傾ける、振る、息を吹きかけるといったアクションも可能だ。頭をなでると喜んだり、足をつつくと嫌がるといった、思わず癒される内容になっている。発売時期は7月予定で、価格は無料だ。

 「リラックマPhoto」はiPhoneで撮影した写真を、リラックマのキャラクターたちで飾ったり、演出できるアプリだ。アプリを起動し、その場で写真を撮影するか、カメラロールから撮影済みの写真を選択すると、ランダムでフェイスアイテムとキャラクターのアニメーションが合成される。アイテムは花かざりやキャラクター帽子、ナイトキャップなど、さまざまなバリエーションが用意されている。同じく7月発売予定だが、こちらは予定価格が350円だ。

 同社ではモバイルサイトとして「たれぱんだ」をはじめ、さまざまなキャラクターコンテンツを配信しており、これからも順次キャラクターのiPhoneアプリを投入していく予定だ。また女性向けに限らず、同社が過去に手がけてきた英検・漢検などの学習コンテンツについても、iPhoneアプリ化していくと説明された。


【リラックマTouch!】
画面をなでたり、本来を振ったり、息を吹きかけるなどして、リラックマと遊べる。頭をなでると気持ちよくて眠ってしまうなどの反応が見られた

【リラックマPhoto】
カメラロールの写真を選ぶと、アイテムなどがランダムで合成される。完成した合成写真は100枚まで保存でき、「アルバム」から閲覧できる



■ ハローキティで幅広いユーザー層を開拓 ~カプコン~

プレゼンを行なった水上太介氏(左)と道口正人氏(右)

 iPhone/iPod touchアプリとして極めて高い完成度を誇る「ストリートファイターIV」を筆頭に、これまで5本のアプリを投入しているカプコン。同社でオンライン事業統括ネットワーク事業推進部MC営業戦略チームに所属する水上太介氏は「男性よりのコンテンツが多い」、「カプコンIPのタイトルが多い」と分析した上で、今後は「メインターゲットが女性」、「ゲームになれていない人でも楽しめる」タイトルも投入していくと表明。その第1弾として「ハローキティ」が題材のキャラクターゲームを発表した。

 タイトルは「ハローキティのパラシュートパラダイス(仮)」で、タッチ操作を活かしたカジュアルアクションだ。キティちゃんをゴムパチンコの要領で打ち上げ、パラシュートでふわふわと落ちてきたところで、本体を左右に傾けて操作し、アイテムを回収していく。回収したアイテムは、キティちゃんの部屋で自分好みに飾れる。部屋の様子はスクリーンショットに撮影し、メールで友達と交換可能だ。発売は2010年夏を予定している。

 本作はSanrio DigitalとZIO Interactive,Inc.が開発し、北米で「Hello Kitty Parachute Paradise」としてリリースされ、高い評価を得ているタイトルの日本語版。いわば日本向けにカプコンがパブリッシュする「逆輸入版」となる。MC営業戦略チーム長で、水上氏の上司に当たる道口正人氏は「iPhoneユーザーの拡大に伴い、従来のカプコンファンにとらわれない、幅広い層に向けたアプリ投入を検討していたところ、タイミングよく先方から売り込みがあった」と発売の経緯を述べた。

 道口氏はこれまで女性向けモバイルコンテンツといえば、「着うた」、「デコメール」などが人気で、アプリ購入というイメージはなかったが、iPhoneでは風向きが変わってきたと分析。今回は「女性」向けアプリだが、それだけに囚われず、より幅広い層に向けたアプリのリリースを進めていくと語った。


【ハローキティのパラシュートパラダイス(仮)】
画面にはアイテムとお邪魔キャラクターが散りばめられ、かなりガチに遊べる様子。アメリカのApp Storeでは最新バージョンが1.5で、平均で★4の好評価を得ている



■ iPadは史上最速の速度で普及

 イベントのラストではアプリヤ株式会社から、iPadの最新マーケティングレポートも紹介された。それによるとiPadの年間販売台数は、全世界で控えめに見ても1,300万台、順調にいけば1,600万台にのぼるという。これはiPhone、ニンテンドーDS、PSPを含むすべてのモバイル機器よりも早いペースだ。さらに米国ではiPadユーザーの34%を女性が占めており、また約75%が35歳以上だという。

 また日経ウーマンオンラインの調査結果によると、国内でiPadが欲しいと答えた女性で、勤労層と主婦層では興味深い違いが見られた。前者では「WEBサイトやメールを使いたいから」という理由が多かったのに対して、後者では「映像や写真を楽しみたいから」が多く、コンテンツを能動的に楽しみたいという傾向が見て取れた。「デザインがいいから」という項目でも主婦層が倍以上の差をつけるなど、iPadのファッション性が幅広く受け入れられている様子が感じられた。

 また有料アプリの人気ジャンルもiPhone/iPod touchではゲームが圧倒的なのに対して、iPadでは分散傾向にある。トップ25位の平均単価も1.51ドルに対して5.79ドルと4倍近い差が見られる。こうしたデータをもとに、同社では「iPadはPCともiPhoneとも異なる独自の市場を形成しつつある」と分析。アプリを開発する際も、両者の市場特性を意識することが肝心だとコメントしていた。


【データで見るiPadの現状】
史上最速のペースで普及しているiPad。その背景には女性ユーザーからの支持が上げられる。また年齢層がiPhone/iPod touchより高く、アプリの平均単価も高い点が特徴だ

(2010年 7月 7日)

[Reported by 小野憲史]