SCEJ、PSP「勇者のくせになまいきだ:3D」

発売記念イベント開催。開発者が今作の新要素を紹介


3月7日 開催

【勇者のくせになまいきだ:3D】
3月11日 発売予定

価格:3,980円(UMD版)
   2,800円(ダウンロード版)



 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)は、PSP用ダンジョン・マネージメント「勇者のくせになまいきだ:3D」の発売記念スペシャルイベントを、3月7日に東京・世田谷ものづくり学校にて開催した。

 「勇者のくせになまいきだ:3D」は、破壊神としてダンジョンや魔物を管理・構築し、魔王退治にやってくる勇者たちをやっつける「勇者のくせになまいきだ(勇なま)」シリーズの最新作。3月11日発売予定で、価格はUMD版が3,980円、ダウンロード版は2,800円。開発は株式会社アクワイア。

 発売記念スペシャルイベントは、発売を直前に控えた本作を先行体験できるイベント。といっても、ただ体験するだけではなく、会場として学校の教室を使い、タイトルの「3D」に引っかけて「3年D組」にするという、「勇なま」シリーズらしいユーモアあふれる体験会となった。

イベント会場となった3年D組の教室。正面の黒板の上には「魔訓」があり、後ろも書道の紙が貼ってあるなど、細かいところまでこだわりが感じられた

 一般ユーザー向けの前に行なわれたプレス向けの説明会には、SCEJから林氏と山本氏、そして開発元であるアクワイアの大橋プロデューサーが登場し、ゲームを紹介した。

司会進行を務めたSCEJの林氏と榎本氏SCEJの山本氏アクワイアの大橋氏

■ タイトルの“3D”は“3つのダンジョン”

メインビジュアル

 シリーズ3作目のタイトルのナンバリングを「:3D」とした点について、まず山本氏は「今年はソニーグループを挙げて3D化を推進するということで、そこにバンバン乗っていこうということをコンセプトに、タイトルも『3D』になっています(笑)」と「勇なま」らしい理由を紹介。続けて「もちろん、Dは“ディメンション(次元)”ではなく“ダンジョン”という意味で、3種類のダンジョンのもとでガッツリ遊ぶという内容になっています」とタイトルの意味を解説した。

 そしてダンジョンの説明は大橋氏から行なわれた。1つ目の「メインダンジョン」は、従来と同じく迫り来る勇者をやっつける、ストーリーが展開するゲームモード。「3エリア、33ステージ、3段階の難易度があります。くだらないとはわかっていたんですけど、3固めでさせてもらいました。メインビジュアル(で描かれている世界)がこれまでよりも立体的になっているのは、前作よりも生態系、世界というものを意識していただきたい」とコメント。

 「生態系を扱うゲームにもかかわらず、今まで“水”というものが出てなかったのが非常に気になっていたのですが、うまくゲーム性に落とし込むアイディアが出ませんでした。ところが前作が終わった段階で、ふっと思いついたのでやってみようかなと。そしてこの水が加わったことで新たなゲーム性が生まれました。水から出てくる魔物は、ポンポン生まれて、ポンポン死んでいくっていう性質なので、新たな破壊神様(新規プレーヤー)にも扱いやすい要素になっていると思います」と“魔水”について語った。

 さらに「僕の中で『勇なま』シリーズの真ん中にあるのは、勇者でも魔王でもなく、魔物だと思っているので、ユーザーの魔物に対する愛着というのを持っていただくため、もっとインテリジェンスに動く魔物を導入しました。例えば、トカゲ系の魔物が知能進化するとトーテムポールを作り出し、勇者がそのまわりに来ると電撃を発射して迎撃します。また、従来の“掘”と“軍”に加え、新たに“知”のパラメーターが追加されています。これは“軍知能”というもので、魔物を含めたダンジョン全体でいかに効率的に勇者を迎え撃つかを表わしています」という。

 「さらにダンジョン内の生態系によってはEXTRA STAGEが始まり、Ex勇者が出現します。Ex勇者は、これまでのように魔王を捕まえに来るだけではなく、経験値稼ぎを目的にしているなど、さまざまな目的でやってきます。このEx勇者を倒すと他の勇者よりも大きなボーナスが獲得できます」とシステム面の進化について紹介した。

 また、前作で新たに登場したツルハシスキルも、今作では10種類に増加。前作にもあった「ダンジョンクェイク」のほか、ダンジョンに水を流したり、勇者の移動する方向がわかるスキル、魔王をワープさせるスキル、離れた場所を繋ぎ魔物が行き来できるワープホールなどがあるという。勇者を倒すと「ドラゴンオーブ」を落とし、これをいくつか集めるとスキルが獲得できる。ドラゴンオーブは全44種類。

知能進化図左にあるのが知能進化によって作られるトーテムポール。右側はムシヅカツルハシスキルも全10種類に増加。新しいスキルはドラゴンオーブで手に入れられるという
「勇なま」シリーズの基本はおさえながら、「軍知能」や新しいツルハシスキルなどの新要素が追加されたメインダンジョン

 2つ目のダンジョンは「まいにちダンジョン」。これは「これからプレイ始める人のため、『勇なま』のシステムを分解して、もっと個々に楽しめるように考えた結果」できたゲームモードという。「20カ所掘れ」など短時間でクリアできる手軽なミッションが5つのレベルに各10ステージ、計50ステージを収録。各ステージの1番最後には必ず勇者が出てきて倒すとクリアになるようになっており、これをクリアしていくと「メインダンジョン」を楽しめるだけのプレーヤースキルが身につくようになっているという。

 また、「破壊神検定」というものも用意されており、ここでは全50ステージを通してプレイすることで、自分の弱点などがわかるようになっている。

「勇なま」の個々の要素を取り出し、ちょっとした時間でも楽しめる「まいにちダンジョン」。クリアしていくことでゲームシステムへの理解も深まる

 3つ目のダンジョンは「ファミリーダンジョン」。これはシリーズ初となるマルチプレイモードで、それぞれ「魔王軍」と「ムスメ軍」としてプレイする。お互いの担当するエリアは色分けされているものの、相手側を掘ることも可能で、協力するか邪魔するかはプレーヤー次第となっている。

 また、「ファミリーダンジョン」独自のスキルとして「ザ・ダンジョン」が存在。これは双方のプレーヤーがツルハシスキルを発動すると時を止める効果が30秒間発動する。魔物と勇者の時間が止まるだけではなく、土を掘ることもできないが、「移動キャッチャー」を操作して魔物や勇者、魔王、ムスメの位置を変えることができる。魔王とムスメが勇者に連れ去られそうな時に一気に状況を打開できる究極のスキルとなっている。

 「ファミリーダンジョン」は全16ステージを収録。難易度の低い順に「ファミリーダンジョン」、「ワンダーダンジョン」、「ドリームダンジョン」と分けられている。そしてプレイ後にはお互いの成績とともに相性が表示される。

 このほかにお楽しみ要素として、各ステージごとにリプレイデータを残す「リプレイ機能」と「スクリーンショット機能」を搭載。また、前々作「1」、前作「2」のプレイデータを引き継ぐと、「オリジナルツルハシ」が手に入る連動機能も用意されている。

全16ステージが用意された「ファミリーダンジョン」お互いのエリアはまっすぐではなく、さまざまな形で区切られている30秒間時を止める「ザ・ダンジョン」。2人で協力しなければ発動できない
魔王かムスメのどちらかが捕まっても30秒以内に勇者を全滅させればセーフステージ終了後はお互いの成績を表示さらに2人の相性も診断できる

キャラクターデザインを担当したSCEJの小林氏この場で魔王を描く小林氏。最後はなぜかどこかで見たような顔に……「ファミリーダンジョン」のデモプレイをする大橋氏と小林氏
「ザ・ダンジョン」を発動したところ。30秒間、勇者と魔物、魔王たちの時が止まる公式サイト「:3DTV」内の「NEWS:3D」でおなじみの古瀬絵理さんも登場マイケル富岡さんが出演する「:3DTV」の新作ムービーも公開された

この日の出演者一同

 最後に各出演者からのコメントを紹介する。

 小林氏: 今回、キャラクターがいっぱい増えて、出すのが大変なわりにすぐ死んじゃうやつもいるんですけど、そういうやつもかわいがってください。

 山本氏: 「3D」とタイトル付けているんですけど、もし次があったらどういうタイトルにすればいいかっていうのが思いつかなそうなので、しばらくお休みかなと。(古瀬さんに「年間契約なので出してもらわないと困るんですけど」と突っ込まれ)あ、3月いっぱいまでに出します(笑)。

 大橋氏: 3作目にあたって、またうまい具合に進化して、これまでとは違う楽しさ、他のゲームでは味わえない楽しさを出せたの思うので、皆さん楽しんでいただきたいと思います。


「給食」として出されたメニュー。ご飯の上にいくらが乗った「ドラゴンオーブ丼」とご飯に魔水をかけた「魔水丼」体験会の参加者に配られたエコバッグとステッカー。そして初回購入特典の「飛び出せ!魔界メガネ」

(C)Sony Computer Entertainment Inc.

(2010年 3月 8日)

[Reported by 滝沢修]