YNK JAPAN、WIN「ラストカオス」が大型アップデートと共に再始動
新要素の詳細と、参加者限定先行テストの模様をレポート


10月30日~11月3日参加者限定先行テスト
11月5日サービス開始

利用料金:無料(アイテム課金)



 株式会社YNK JAPANは、Windows用MMORPG「ラストカオス」の正式サービスを11月5日から開始した。「ラストカオス」は韓国のBarunson Gamesが開発したヨーロッパ風の世界観を持つファンタジーMMORPG。日本では、過去にドリームエンターテイメントによって4年間サービスが行なわれていたが、今年9月に1度サービスが終了した。その後、YNK JAPANに運営が完全移管され、大型アップデート「ラストカオス・エクステンションパック1」と共にサービス再開の運びとなった。

 「エクステンションパック1」では、3つの新ダンジョンや、モンスター狩りと対人戦を楽しむ事ができる「エクストリームキューブ(以下、キューブ)」と呼ばれる新しいダンジョンシステム、レベル139までの新装備とスキル、委託販売といった新要素が追加された。また既存要素の見直しも行なわれている。特にモンスターのAIを見直すなど、ゲームの根幹に関わる部分にも変更が入って、生まれ変わりをアピールしている。

 このレポートでは、新しく導入された要素を紹介すると共に、正式サービス直前に行なわれた参加者限定先行テストの様子をお伝えする。



■ ヨーロッパ風のファンタジー世界を舞台にしたオーソドックスなMMORPG

アバターで、左のような学ラン姿も可能に

 「ラストカオス」は、「アイリス」と呼ばれる大陸の統一を目指してキャラクターを育てギルド間で競い合うオンラインゲーム。攻城戦など大規模対人戦が主体となっているが、戦いそのものは専用の攻城戦サーバーで行なわれるので、不意をおそわれることはない。non-PVPサーバーと攻城戦サーバーは行き来でき、毎回ログインの時にどちらのサーバーに入るか決める事になるので、その日の気分で使い分ける事もできる。

 プレーヤーが受けられるクエストには一般クエストと特別クエストの2つがある。一般クエストはフィールド上でモンスターを倒したり、お使いをしたりといったごく一般的なもの。特別クエストは、クエストが始まると、フィールドと切り離された空間が生成され、そこで誰にも邪魔されることなくソロ戦闘を行なう事ができるというものだ。戦闘は敵をターゲットしてクリックするオーソドックスな自動戦闘スタイル。スキルは右下のショートカットに入れて使用する。移動もクリック移動のみで、視点の移動だけがキーボードでも操作できる。

 ゲーム開始時に選択できるクラスは以下の6種類。各クラスごとに性別は固定で、髪型と顔が3パターンの中から選べる。レベルが上がるとさらに2種類の2次職のいずれかに転職する事ができるようになる。武器は1次職の間は2種類を使い分けることができるが、2次職に転職すると専用の1種類のみしか使えなくなる。装備はできるのだが、専用の武器でなければスキルを発動できなくなるのだ。

・タイタン
 強い力を持つ「タイタン族」を使用する、パワータイプの近接攻撃クラス。ブレードとアックスが使える。1対1の戦闘に優れた「ハイランダー」と、全クラスで最強の体力を持つ「ウォーマスター」に転職できる。

・ナイト
 剣と盾を持って仲間を守る事もでき、2刀流で戦う事もできる万能タイプ。強い防御力を持つ「テンプルナイト」や2本のデュアルソードを使う「ロイヤルナイト」に転職できる。

・メイジ
 攻撃魔法や、相手を混乱させる呪魔法を得意とするクラス。スタッフを使い、強力な範囲方や全体魔法を使う「ウィザード」やメイジワンドを使い、呪いや黒魔法など暗黒系列の魔法を得意とする「ウィッチ」に転職できる。

・ヒーラー
 精霊の力を借りて回復や治療魔法を使うハイエルフのクラス。遠距離から弓で攻撃する「アーチャー」と、ヒーラーワンドを使う回復の専門家「クレリック」に転職できる。

・ソーサラー
 4大精霊の力を借りた、属性魔法を使うハイエルフのクラス。サイズという鎌のような武器を使い、精霊を召喚して共に戦う「エレメンタリスト」と、ボールアームという武器を使い、精霊の力を借りて自身を強化して戦う「スペシャリスト」に転職できる。

・ローグ
 敏捷さに優れ、近接武器と遠中距離武器を使いこなす攻撃型クラス。「ダガー」で相手を踏みにじる近接戦のプロ「アサシン」と、「クロスボウ」で中距離から攻撃し、落とし穴などの罠を使いこなす「レンジャー」に転職できる。


タイタンナイトメイジ
ヒーラーソーサラーローグ


■ 敵を殲滅していく侵攻型ダンジョン「エクストリームキューブ」

部屋の中にあるキューブの色で、室内の状況がわかる

 今回の大型アップデートの目玉と言える「エクストリームキューブ(以下、キューブ)」は、パーティーやギルド単位で専用エリアに進入し、モンスターハントや対人戦を楽しめる新しい要素だ。「キューブ」はメラク地域というエリアにある、四角いキューブ形のシンボルから入場することができる。入場は有料で、入るたびに入場券を買わなくてはならない。パーティーを抜けたり、パーティー全員が死亡すると、入り口に戻る事になる。

 入場すると次々にモンスターが襲って来る。対人ができるサーバーなら、モンスターの代わりに対人相手がいる場合もある。全てのモンスターや相手を倒すと、次の部屋へ移動するための青いキューブが生成されるので、それを破壊する事で新しい部屋にワープできる。部屋に入って敵を倒すというミッションを25回完了すれば、紫色のキューブが生成され、ボスのいる部屋へ移動する事ができるようになる。

 部屋の中央には、外にあるのと同じ形のキューブがある。キューブの色は部屋の状態で変化する。赤は他のチームが入っている事ができるキューブ。オレンジはそれ以上チームが入場できないキューブ。青は他チームが入って来られない部屋で、ミッションが完了している時のキューブ。紫は25のミッションを完了すると現われるボスの部屋に移動するためのキューブだ。青いキューブは何もしなくても1分後に壊れて次の部屋へ飛ばされる。

 入場の時にパーティーメンバーがその場にいなかったり、入場券を持っていなかったりするとそのメンバーは中に入れない。「個人入場」を使ってパーティーと合流する事ができるのだが、入場できるのは次の部屋へワープするための青いキューブがある間だけだ。外からは中の様子が見えないので、中にいるメンバーにチャットで教えてもらわなければならない。



■ 3つの新ダンジョンは高レベル向けの新しい狩り場

 キューブ以外に、既存のフィールドにも新しい3つのダンジョンが追加された。新ダンジョンは「ミスティ峡谷」、「エボニ炭鉱」、「フロライム洞窟」の3つ。いずれも適正レベルが120以上という高レベル向けのダンジョンだ。

・ミスティ峡谷
 メラク南部地域にあり、スペクターと言う異教徒が作った新魔合成の失敗作や異世界から召喚された悪魔族など、異形の巨人たちがうろついている。峡谷の奥には宮殿があり、そこにも多くの悪魔がいる。適正レベルはレベル124~139。

・エボニ炭鉱
 ジュノ地域にあり、多くの宝が眠ると言われている炭鉱だが、ゴブリンやトロール、ハーピーと言った凶暴なモンスターに支配されている。適正レベルはレベル123~140。

・フロライム洞窟
 神々の最後の激戦地エゲハにあるダンジョン。異世界のような雰囲気の洞窟に、奇怪な姿をしたモンスターが蠢いている。適正レベルはレベル124~139。


新ダンジョン「ミスティ峡谷」



■ モンスターのAI変更で、戦闘システムを改善など既存システムもリニューアル

ペット操作がUIも変更されて、より使い易くなる

 ダンジョン以外にも、プレーヤー間の売買に使える委託販売など、ゲームの雰囲気を刷新する様々な要素が追加された。特に、モンスターのAIが一部改善され、モンスターがどこまでも追いかけてくるといった挙動が修正された事は、今までのプレイスタイルを変える事になるほど大きな変更だろう。さらに、本作ではペットを飼う事ができるが、そのペットのAIウインドウが修正され、ペットのマクロ設定が可能になった。

 「モンスターコンボ」と呼ばれるシステムも拡充された。「モンスターコンボ」は、特設フィールドで自分が選択したモンスターを、ソロやパーティで討伐するシステム。今回のアップデートで、選択できるモンスターのレベル上限が99から140へと引き上げられた。

 同時にランダムにアイテムが獲得できる「モンスターコンボ黄金ボックス」が導入された。「モンスター黄金ボックス」はレベル135以上の高レベル向け武器や防具がランダムで出現する箱で、NPCの商店から購入する事ができる。この商店を開店するために必要な「モンスターコンボ装身具」は、「モンスターコンボ」のミッションをクリアした後にもらえるプレゼントボックスからドロップする他、モンスターを倒す事で獲得できる「コンボポイント」でも交換できる。


「モンスターコンボ」では延々と選んだモンスターを狩り続ける事ができる



■ 新規と復帰者が入り混じって行なわれた参加者限定先行テスト

いきなりレベル100なので、街の広場には豪華装備のキャラクターが溢れる
どこかのクイズの司会者みたいと言われていた格好のGMがキューブへ送ってくれた

 上記のように、沢山の要素が追加されてリニューアルオープンを果たした「ラストカオス」。参加者を絞って行なわれた「参加者限定先行テスト」の様子を覗いてみた。このテストでは既存の自分のキャラクターを使えない代わりに、ワイプ前提でいきなりレベル100から始める事ができた。

 早速プレーヤーキャラを作成する。クラスによって性別が固定で、選べるバリエーションも顔と髪型が各3種類ずつと少ない。バリエーションの少なさに寂しさは禁じ得ないが、グラフィックス自体のクオリティはそれなりの水準を保っている。他にもATOKだと日本語入力できないことや、移動がクリック移動のみであったりと気になる部分もあった。

 ゲームを開始すると始めにチュートリアルが始まる。細長い回廊のようなダンジョンを、敵を倒しながら反対側の出口までいくという単純なもので、どちらかというと「プライベートダンジョン」の体験プレイという色合いが濃い。敵は大量に沸いてくるが、一撃で倒せるほど弱いので、どんどんなぎ倒していく。「プライベートダンジョン」はこの爽快感が売りの1つだ。

 チュートリアルが終了して街に着くと、ゲームマスターが新要素「キューブ」の体験会を開いていた。参加する前に、「転職してスキルを覚えて、戦闘の準備をして下さい」というアナウンスがあったので、さっそく転職に向かう。転職は街中にいる、それぞれのクラスのマスターが請け負ってくれる。

 スキルはスタート時点では1つしか持っていなかったが、CBTではステータスに振って能力を上げる「成長ポイント」や、スキルを獲得するために必要な「スキル値」が大盤振る舞いされていたので、あっという間にキャラクターを強化する事ができた。ちなみに「スキル値」は9,999あったのだが、これでも転職後の全てのスキルを完全に習得して成長させることはできなかった。

 参加者に限定ゲーム内アイテムがプレゼントされるという特典もあって、参加していたのは初心者よりもむしろ、サービス休止までずっと遊んでいた経験者が多くいるように見受けられた。実際、いきなりレベル100からの要素を体験するというCBTの趣旨も、どちらかというと経験者向けだ。そのため、プレイの基本的な方法については特に説明などがなく、何をすればいいのかわからない新規プレーヤーが、広場で立ったままぼんやりしているといった姿もあった。



■ 新システム「キューブ」はかなりの高難易度

フィールドに忽然と現われた異空間への入り口

 「キューブ」は、ルービックキューブに似たキューブ状の入り口から進入する。シンボルはフィールドにある魔方陣のような場所に同心円状に並んでいる。テストでは街からここまでワープしてもらったため、周囲がどのような場所なのかはわからないが、帰参者によると「行くのはなかなか大変」な場所にあるらしい。入場するにはパーティーが必須条件だ。パーティーに入った上で、シンボルをクリックして入場券を購入すれば、あとはパーティーリーダーが入ったとき自動的に飛ばされる。

 だがどういった理由かは不明だが、入場申請の時に数名が取り残されたまま始まってしまう事が数度あった。1度始まってしまうと、1回のミッションが終了するまで再入場できないが、外からはそのタイミングがわからないので「どうですか?」と中のメンバーにチャットで聞くしかない。しかし、中で戦っている人たちは、敵を倒すのに一生懸命でチャットの余裕がないこともあるので、返事がなく手持ち無沙汰なまま「個人申請」を繰り返すという事態になった。

 中は四角い狭い部屋で、部屋中に次々とモンスターが現れる。狭いので逃げ場所はない。出現場所はランダムなので、始まって最初にするのは、パーティーがポジション取りをして終結することだ。モンスターはレベル100のキャラクターでも苦戦するような強さで、逃げ場所もないので、1つのミッション内でもかなり苦戦した。モンスターが沸かなくなって、中にあるキューブが青くなるとミッションクリアで、次の部屋に飛ぶ。部屋は基本的な形こそ同じだが、何種類かのバリエーションがあり、そのいずれかにランダムに飛ばされる。

 何度か別のパーティーで挑戦したが、25回勝ち抜いてボスに行けるパーティーはないはなく、経験者に聞いてもかなり難しいとの感想だった。どうにもクリアできなさそうだという事で、結局3回目のミッション終了後に「キューブ」は諦め、パーティー用の新ダンジョン「ミスティ峡谷」に行ってみた。ここは巨大な悪魔族などが徘徊するダンジョン。キューブほど狭くはないので、絡まれても逃げ回ることができる。装備品のドロップもあって、他の2つの新ダンジョンと共に、新たな人気の狩り場となりそうな雰囲気だった。


パーティーメンバー全員が入場券を購入しなければならない入場は「ギルドキューブ」という特別なキューブ以外は、基本的にパーティー単位だ入り損ねてしまったパーティメンバーは「個人申請」を使う
狭いキューブ内部にはモンスターが大量にひしめいている



■ 現在、成長促進アイテムがもらえるイベントを開催中!

 テストではGMが何かと手助けしてくれたが、通常はその手助けは受けられないことを考えと、懇切丁寧なチュートリアルを行なう最近のMMORPGの傾向から評価すると少々説明不足の感があり、新規にとってはそこが最初の壁になるのではないかと思えた。だがその説明不足を補うように、復帰してきたプレーヤーが広場で初心者の支援をしていたりと、暖かいコミュニティの存在を感じた。

 正式サービス初日の雰囲気も、始まったばかりの熱気というよりは、旧知の仲間と再会した同窓会的な雰囲気が強く、このゲームの再会を心待ちにしていた根強いファンの多さに驚いた。システム的に驚くほど新しい部分はなく、むしろオーソドックスさが目立つ。丁寧に作り込まれている部分は好印象だが、如何せん多少古さを感じてしまうのが残念だ。グラフィックスのレベルは高く、独特の世界観を持った作品だけに、そこが気に入れば充分楽しめるだろう。12月3日までは、サービス再開を記念し、初心者を歓迎する下記の4大イベントが行なわれるので、スタートするなら今がチャンスだ。

 「エッグハントイベント」は、イベント期間中ワールドの全モンスターが、経験値アップや装備強化に使うアイテムがランダムにはいった「アニバーサリーエッグ」をドロップする。「新規キャラクター応援イベント」では、期間中に新しく作成したキャラクターに獲得経験値3倍などの成長補助アイテムがプレゼントされる。「初心者支援イベント」では、レベル60以下のキャラクターにNPCが一定時間ステータスを向上する支援魔法ををかけてくれる。「レベルアップお祝いイベント」では、レベル31と60に達したキャラクターに、武器や防具がプレゼントされる。

 4年間の積み重ねがあるゲームだけに、やれる事は豊富すぎるほどに用意されている。キャラクター強化だけでなく、ペットの育成や生産、レイドなど豊富なコンテンツを楽しめる。11月には中国や韓国などサービス地域が一堂に会した世界大会も開催される予定だ。かつてこのゲームから離れていった人も、大きく進化した「ラストカオス」の世界を久しぶりに訪れてみてはいかがだろう。


Copyright (C) 2009 Last Chaos by Barunson Games Corp. All Rights Reserved. YNK JAPAN Inc. Presents

(2009年 11月 6日)

[Reported by 石井聡]