アクワイア、ブラウザゲーム「フラゴリア」体験レポート
インストールせずに遊べる本格派MMORPG


9月10日より オープンαテスト実施予定


 株式会社アクワイアは、WEBブラウザ用MMORPG「フラゴリア」のオープンαテストを9月10日から開始する。「フラゴリア」はロシア産のMMORPGで、ロシア、中国、ドイツなどで既に正式サービスが開始されている。基本料金は無料で、インストールの手間もいらないという手軽さを持ちながら、重厚な雰囲気と多彩な機能も併せ持つ、本格的なMMORPGとなっている。

 今回はこの「フラゴリア」の体験プレイをする機会をいただけたので、簡単なゲーム紹介とプレイした感触をお伝えしたい。空いた時間で手軽に遊べるよう、シンプルな内容のものが多いブラウザゲームにおいて、本作はその波にあえて逆行し、本格派MMORPGと呼ぶにふさわしい内容になっている。


【スクリーンショット】
俯瞰視点でキャラクターを操作するMMORPG。ブラウザとマウスだけでプレイが可能だ



■ 懐かしい雰囲気を持つシンプルなグラフィックス

 「フラゴリア」は中世ファンタジー調のMMORPG。ある日地震によって異世界に飛ばされた大陸フラゴリアを世界中に散らばった光を集めることで元の平和な姿に戻す。というのが目的だ。

 グラフィックスは、最近のオンラインゲームでは主流というべき「萌え系」ではなく、リアルで味のある、いわゆる洋ゲー的なテイストになっている。キャラクターに抵抗のある方も多いかもしれないが、これらのキャラクターが画面内でちょこちょこ動いてる姿を見ると、一昔前にプレイした「Ultima Online」や「Diablo」などを彷彿とさせ、懐かしい感じがして愛着が持てた。ブラウザゲームということで、グラフィックスには特に期待をしていなかったのだが、懐古心をくすぐられるという形で、すんなりとゲームを始められた。

 街並みなどの風景についても同様のことがいえるが、さすがにそこは最近のゲームだけあって、丁寧に作られている。雲の上や海の中といった地域や、溶岩が吹き出る演出などもあり、懐かしさばかりではなく新鮮さも十分に感じられた。


【スクリーンショット】
ブラウザゲームとしては珍しく、硬派なキャラクターグラフィックスを採用
背景も細部まで綺麗に描かれている。写真のような幻想的なエリアも数多く存在していた
凶暴なモンスターたちだが、どことなく愛嬌も感じる



■ 誰でもすぐに馴染めるシンプルな操作

 本作はマウスだけで全ての操作が可能になっている。様々なショートカットキーを利用すれば、それだけスムーズにプレイできるが、導入部分ではマウスだけでも全く問題ない。MMORPGのプレイ経験が少ない初心者でも迷わずプレイできるだろう。

 ゲームを始めると、頭上に「!」マークがついてるNPCを見つけた。これらのNPCに話しかけるとクエストを受けられる。クエストをこなしていくことで、ストーリーを楽しみながら、自然に必要な操作を覚えつつレベルアップできる。

 ここでひとつ覚えておくと面白いことがある。「フラゴリア」の特徴でもあるのだが、クエストの中にはロシアのおとぎ話をモチーフにしたものがいくつか登場する。今回の体験プレイの中にも、カブの下半分と稲の上半分を騙してひとり占めする話や、いつもお腹を空かせた三頭竜の話などが、ロシアのおとぎ話を基にしたものだと紹介を受けた。何気なく消化しがちなクエストもそういう話を聞くと、また違って見える面白さがある。興味のある方は、基のおとぎ話を探してみてはいかがだろうか?

 キャラクターが一定レベルに達すると転職も可能だ。ゲーム開始当初は全てのキャラクターが「トレッカー」という職業だが、レベル9の転職で物理攻撃系の「ハスキー」か、魔法攻撃系の「魔法使い」に分かれる。さらにレベル15の2次転職で「ハスキー」は「ハンター」か「ソルジャー」か「ウォーリア」に、「魔法使い」は「ウィザード」か「ヒーラー」に転職と、より専門的な職に進むことで、それぞれ強力なスキルを覚えられる。

 さらに、レベルアップ時に得られるポイントをステータスに割り振れる。このポイントの割り振り方で、同じ職業のキャラクターでも、移動が速いスピード型や攻撃力の高い火力型など、全く違うキャラクターを育てられる。ちなみにポイントが割り振られたステータスは、あるアイテムを使えばリセットできるそうで、納得のいくまで試せるのは嬉しい。

 ちなみに体験プレイの時点で、既にその先の3次転職まで実装されていた。どれも強力なスキルを持っていそうな魅力的な職業ばかりだったので、転職時にどの道を選ぶかでプレーヤーは頭を悩ませることになりそうだ。


【スクリーンショット】
転職で新たなスキルを覚えることで、キャラクターは大幅にパワーアップする行きたい場所をクリックすれば、キャラクターが移動する。遠くへ行きたいときはマップ上をクリックしてもOKだ



■ パーティプレイやPKも可能なバトルシステム

 「フラゴリア」の戦闘は、攻撃可能な対象をクリックしてターゲットしただけで攻撃するようになっていて、攻撃スキルを持っていればショートカットで発動させられる。戦闘のテンポも早く、次から次へさくさくと狩りができた。ゲーム開始直後なので簡単なのは当たり前なのだが、あまりに簡単すぎて心配になってしまったほどだ。

 しかし、それはこの後に体験したダンジョンで、すぐに間違いだと気づかされた。「フラゴリア」のダンジョンは、フィールドとは比べ物にならないほどの強敵が潜んでいた。試しに適正レベルのキャラクターでプレイさせてもらったが、ダンジョンで最初に登場したモンスター1匹さえ倒せず、前に進めなかった。

 このような強敵には、パーティを組んで挑むことになる。「フラゴリア」では最大10人でパーティが組めるので、みんなでワイワイ騒ぎながら、そしてドキドキしながら最深部を目指して欲しい。最深部にはボスが待ち構えていて、討伐に成功すればレアなアイテムが手に入ることもあるようだ。


【スクリーンショット】
マウスでターゲットするだけで自動的に攻撃。スキルは画面下のショートカットで使用可能だ
パーティ必須のダンジョン。ここではフィールドとは違う敵が現われる

 「フラゴリア」ではプレーヤー間の戦いの要素も充実している。プレーヤーはお互いのレベル差が5以内であれば、街にある闘技場で決闘時間を予約して対決できる。この決闘に勝利すると、相手の持ち物からアイテムを奪える上に、対戦ポイントがたまってキャラクターのランクが上がっていくという。対戦ポイントをためることによって、どんなご褒美があるかは明かされていないが、最強を目指すプレーヤーはぜひ最高ランクを目指して欲しい。

 もうひとつプレーヤー間の戦いとして、地域限定で行なわれるものがある。「フラゴリア」は特定の地域に限りプレーヤーへの攻撃が可能になっていて、そこでは相手の是非もなく一方的に攻撃を仕掛けられる。いわゆるPKといわれるものだ。ただし、PKで相手を倒したとしてもアイテム報酬やランクに関するポイントは得られず、逆にマイナスポイントが加算され、街を利用できなくなるなどのペナルティもあるという。今のところPKによる直接的なメリットはないようだが、そういった行為を容認する場所があるというのも、ライトなブラウザゲームとは一線を画した「フラゴリア」の特徴といえるだろう。


【スクリーンショット】
決闘は街の中にある円形の闘技場で予約する必要がある地域によっては突然襲われることも!?



■ 卵から育てるペットシステム

 「フラゴリア」では、プレーヤーのペットを育てられる。体験プレイ時に確認したペットは「オオカミ」、「トラ」、「パンダ」の3種類。これらのペットはクエストなどで得られる卵に、ペット誕生促進剤を使うと孵化し、フードや成長剤といったアイテムを使うことで成長していく。ペットが一定レベル以上になると、モンスターとの戦闘にも参戦させられるので、戦闘を楽にこなすためにもペットは育てておきたい。ただしペットのレベルはプレーヤーキャラクターのレベルが上限となっているので、高レベルのペットを育てたければ、まず自分のレベルを上げる必要があるようだ。


【スクリーンショット】
ペットのトラと冒険中。ダンジョンでも頼れる味方となるか!?


 ここで紹介したほかにも、武器の強化やモンスター変身など、「フラゴリア」にはまだまだ奥深い要素がたくさん詰まっている。さらに現在公開されているのは全体マップの約半分ということなので、これからのアップデートでの追加コンテンツにもまだまだ期待が持てる。

 また体験プレイ中に聞けた話として、これらのアップデートでは既に正式サービスが始まっている他国のものとは別に、日本人向けのゲームバランス調整や追加コンテンツも含まれるという。特にユーザーの意見に柔軟に対応していきたいということなので、9月10日から始まるオープンαテストに参加する方は、積極的に要望を出してみてはいかがだろうか。

 最後に「フラゴリア」をプレイしてみての感想だが、1番感じたことは、何といっても一昔前の欧米産2Dオンラインゲームをプレイしているような懐かしさだ。ハイスペックPCを用意して高額の電話代を払いながら夢中になっていたゲームが、ブラウザ上でいつでも気軽に楽しめるようになったのだ。しかもこれが基本プレイ無料だというから、時代の流れというのは恐ろしい。それらのゲームにハマった経験のあるプレーヤーならば、自然と「フラゴリア」の世界に入り込めるだろう。WEBブラウザのお気に入りに追加して、空いた時間でゲームを楽しんでみてはいかがだろうか?


(C)Acquire Corp. All rights reserved.
(C) Developed and licensed by DATCROFT Corporation LLP. All rights reserved.

(2009年 9月 9日)

[Reported by 徳弘径]