ガンホー、「北斗の拳ONLINE HEROES」先行体験レポート
4月23日より、毎日誰かがケンシロウやラオウに!

4月13日収録




 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、Windows用世紀末バトルRPG「北斗の拳ONLINE HEROES」において、4月23日に第3弾アップデートを実施する。

 2008年7月に正式サービスを開始した「北斗の拳ONLINE」は2009年3月26日より「北斗の拳ONLINE HEROES」と名前を変え、3月26日は転業システムの変更や、装備の修理と強化要素、奥義やクエストの追加が行なわれた。4月9日の第2弾では「北斗くじ」が追加、新しい奥義や近距離武器などが追加されている。今回が名前を変えてからアップデート第3弾になる。

 4月23日の第3弾ではケンシロウやラオウといった「北斗の拳」に登場する登場人物にプレーヤーが変身することができる「ヒーローシステム」や、戦闘システムの変更、さらにヒーローを呼び出すことができる「一指奥義」などが実装される。「北斗の拳ONLINE HEROES」とはその名の通り、「北斗の拳」のヒーロー達にフォーカスを当てた方向性になっている。今回のアップデートはその根幹となる「ヒーローシステム」が追加され、本格始動といった形になる。

 今回、アップデートに先行してガンホー社内で先行体験会が行なわれた。本稿では新要素のスクリーンショットと共に、開発・運営スタッフのインタビューも紹介していく。



■ 指一本で奥義発動! ゲームシステムはより間口が広い方向に

ショートカットに登録することでワンアクションで奥義が発動する。オーラをまとう“溜め時間”に攻撃を止められないようにしなくてはならない
縫製工の新スキル。装備を自分の手で作り出すことが可能に

 今回のアップデートの最大の変更点が「戦闘システムの変更」だ。これまでの「北斗の拳ONLINE」ではZでパンチ、Xでキック、Cでガードとなっていて、このボタンを押しながらマウスをドラッグすることで技をだしていた。一定以上攻撃を当てると敵がダウンし、そのときにボタンを押しながらマウスで様々な図形を描く「奥義コマンド」を入力することで奥義を発動させ敵に大ダメージを与える、という流れになっていたのである。

 今回のアップデートからは最初のマウスドラッグ操作が不要となり、Z、X、Cを押すだけでパンチやキックなどの小技が出るようになった。ハードパンチなどモーションが大きい通常技はキーの長押しで出るようになる。ジャンプキックはXとCの同時押しで出るようになった。これまでマウスのドラッグで上中下の打ち分けができたが、今回からはランダムで上段下段などが出るようになり、また、部位による差もなくなり、駆け引きはシンプルになった。

 奥義に関してはあらかじめショートカットに登録することでワンキーで出せる。これまでは小技を当てて相手がふらふらになった状態でないと出せなかったが、今回からショートカットを押すだけでいつでも出せる。ただし大技は「溜め時間」が存在し、このときに小技でつぶされてしまう可能性もある。敵をダウンさせる、距離を離して大技を使うなどのテクニックが必要だ。また、奥義の中でも威力の低いものは溜め時間が少なく設定されており、強い奥義を溜め時間中につぶす、といった戦い方も可能だ。

 つまり、これまでのマウスドラッグで技を出し、複雑なコマンドで奥義を出す、という従来の戦闘システムは全てなくなり、完全に方向転換をしたことになる。奥義入力のテクニカル要素に関しては、今回の体験会では調整中だったが、奥義の溜め時間にコマンドを入力することでダメージアップなどより強力な追加効果が出るという。これまでの奥義コマンドは複雑なものだったが、シンプルなものにする予定だという。ショートカットキーからさらに追加入力で奥義を強化することでテクニカルな面もアピールしていくとのことだ。

 この他ゲームシステムに関しては、職業に当たる「生業」の1つ、「縫製工」にスキルが追加される。これまで縫製工はキャラクターが使う装備の修理、強化などを行なっていたが、今回のアップデートからは新しい装備そのものを作ることができるようになった。作るための必要なアイテムを調べ、衣装を着せる人形を立てて必要なアイテムをドラッグ、スキルを使うと画面に型紙が表示される。

 この型紙の線を制限時間内にマウスでなぞることで装備が完成する。アイテムを作る縫製工のアクションは本作らしい派手なもので、面白い。「北斗の拳ONLINE HEROES」の生産系に関しては今後地面を掘って鉄を取ることもできるようになり、鋳鍛造工の作成に役立つだろう。

 「北斗の拳」の世界は核戦争の後、高度なテクノロジーは失われているが、悪人は過去世界の遺物を使って悪事を行なう。原作には描かれていないが、ひょっとしたらそれらは、過去の技術を受け継ぐ者達によってメンテナンスされているかもしれない。縫製工を始めとした生産系のキャラクターの役割が今後より重要になってきたとき、原作とはまた違った世界が生まれるかもしれない。戦闘が注目されがちな本作だが、生産系の要素にも注目していきたいところだ。


マウスアクションなしでパンチやキックを出すことが可能に。中央と右は変更された転業システム。目的の生業になる条件がわかりやすくなっている
左は先日追加された接近戦用武器。中央はクエストで習得できる百裂拳だ。右は溜め時間の少ない体当たり。状況に応じて奥義を使いこなすことでより有利に戦える
縫製工のアイテム作成アクション。舞うようにアイテムを作り、ポーズを決める


■ 毎日登場するヒーロー達。課金アイテムには高威力のヒーロー召喚「一指奥義」が

体にケンシロウの力が宿る! 無敵の存在へ24時間変身できる
アイテムである一指奥義を使うとヒーローを召喚できる。技に対応したイラストがカットインされる
盗んだバイクで走り出すクライムシステム。移動速度が上がる

 「北斗の拳ONLINE HEROES」の最大の注目点が「ヒーローシステム」である。これは毎日、夜20時に抽選で選ばれたキャラクターが「北斗の拳」のヒーローになるというシステムだ。抽選は「サザンクロスへ向かう」というドラマチッククエストの序章をクリアした、初期のクエストをプレイしたキャラクターが対象となり、作ってそのままというキャラクターは除外される。まだ仕様は完全に決まっていないが、できるだけアクティブなキャラクターを対象とするという。

 ヒーローは「ケンシロウ」、「ラオウ」、「トキ」、「ジャギ」の北斗の4兄弟に加え、「シン」、「レイ」、「アミバ」、「ユダ」の南斗聖拳の使い手、唯一の女性キャラクターとして「マミヤ」が用意されている。20時になると抽選で選ばれたキャラクターがログインしていた場合は瞬時に、ログインしていなければ入った瞬間変わる。ヒーローになれる時間は翌日の20時までの24時間だ。ヒーローになると元のキャラクターの名前は伏せられ、ヒーローの名前になる。また、ヒーローのチャットは常に全体チャットになっている。

 ヒーローは通常のキャラクターと比べ桁外れの力を持っている。体力も気力も高い上に回復力も凄い。さらに通常のキャラクターと違い奥義にほとんど溜めがない。技の威力も強力な上、専用のスキルが用意されている。ヒーローは圧倒的な力を持つが、ジャギやアミバ、そしてマミヤは他のキャラクターと比べて弱い。また、リアクションに関してはキャラクターイメージに合わないものはできないようになっている。

 ヒーローになった場合の遊び方は様々だろう。1番ポピュラーなのが道行く人すべてを敵にして倒しまくる、というものだろうが、強い力を利用して仲間を募り、ヒーローを先頭にダンジョンの最奥部に挑む、といったことも可能だ。他のヒーローを探し出して戦いを挑むのも面白い。ケンシロウとラオウ、ユダとレイといった宿命の対決も面白いし、トキと彼の偽物であったアミバの対決など、目撃した他のプレーヤーが盛り上がること必至だ。

 24時間以内なら、抽選で選ばれたプレーヤーは何度倒されてもヒーローのまま復活できる。ヒーローになっている間に獲得した経験値は元のキャラクターに還元されるので、このチャンスを経験値稼ぎに使う、というプレイもありだろう。このシステムでプレーヤー達がどんな遊び方をするのか、興味が惹かれる。

 突然無敵の力を持ったプレーヤーが何をするのか、その変化がヒーローシステムの面白さだ。まさにオンラインゲームならではの要素だ。混乱も含めて、楽しみである。一方で原作のようにラオウ軍や、シンの配下のようにプレーヤーがある勢力に所属し、対立している様なシステムがあれば、その代表が突然現われたことでよりドラマチックな変化が生まれたのではないだろうか。今後このシステムをどう練り込んでいくかも楽しみである。

 もうひとつ、ヒーロー達の力を“借りる”ことができるのが「一指奥義」だ。この要素はアイテムという形で提供され、使うと瞬時にヒーローが召喚され、強力な技を繰り出し敵に大ダメージを与える。シューティングゲームのボムのような非常に強力なアイテムであり、使い方によってはヒーローとなったキャラクターも返り討ちにできるという。

 一指奥義ではケンシロウやラオウなどのキャラクターが登場し、技の使用時には専用のイラストがカットインされる。このイラストは原作漫画のものを使ったもので、迫力満点だ。ヒーローが戦っているときに、自分のキャラクターが偉そうに観戦し、勝ったと同時に自分が戦ってもないのに誇らしげにポーズをとるのが面白い。

 ちなみに一指奥義は4月23日に発売される新しい「くじ」の形で提供され、ラオウやトキなどヒーローが登場するアイテムはレアにあたる。レアでなかった場合の一般アイテムは、クエストで出てきたNPCや各生業キャラクターが召喚され戦ってくれる。回数は、一般・レア共に30回との事だ。

 その他の追加要素としては「クライムシステム」がある。これまでも「北斗の拳ONLINE HEROES」ではキャラクターが箱などマップ上のオブジェクトを壊すことができたが、4月23日からは街に置いてあるバイクを盗むことができる。

 これまでバイクやバギーの乗り物は課金アイテムとして登場していたが、盗んだバイクは課金していなくても使うことができる。バイクのある場所は決まっているが、プレーヤーが盗んでも短時間で再登場するので特定のプレーヤーがいつも独占する、ということはないという。盗んだバイクは課金アイテムのものと比べると移動速度が遅く、トルクも弱い。さらにしばらく乗っていると煙を出して移動速度が落ちる。そのまま乗り続けると爆発してなくなってしまう。爆発によるペナルティーはないので、不安定ではあるが移動手段として人気が出そうだ。

 バイクが盗めるのは面白い要素だが、「クライムシステム」と名乗るには正直、やはり物足りないと感じた。今後は、バイクを盗む以外にNPCを殴れたり、壁を壊せるようにするという。しかしやはりクライム、と名前がつく以上ものを壊せたりできるなどの単純なものに終わってほしくない。プレーヤーのアクションがきっかけに他のプレーヤーがリアクションを起こせたり、ロールプレイが楽しめるような要素を追加して欲しいと感じた。


左から、ラオウ、トキ、ジャギ。ヒーロー達は専用のスキルを使うことができる。またエモーションを使うだけでも楽しい
アミバ、シン、レイ。アミバはトキ同様戦闘時以外の秘孔医療スキルも使えるが、失敗してダメージを受けることもある
左がマミヤ、中央でレイを襲っているのはユダだ。ヒーロー同士の戦いはギャラリーが大きく盛り上がるだろう。溜め時間が少ない奥義で敵を倒しまくれるのは爽快だ
一指奥義。非常に強力な技で、ボス戦などで活躍しそうだ。一方、PvPで使うプレーヤーを止めるルール的縛りはなく、議論を生みそうだ
左は盗んだバイクの爆発画面、ダメージはない。中央はヒーロー時のエモーション画面。イメージに合わないリアクションは選ぶことができない。リアクションを使えばラオウとケンシロウが握手するなど原作ではあり得ないシチュエーションも実現可能だ


■ ゲームシステムをシンプルに、ヒーローに注力という方向に変化した「北斗の拳ONLINE HEROES」のこれから

運営のチームリーダーを担当するガンホーオンライン事業部サービス運営本部ゲームサービス部三課の一迫健介氏
開発のアートディレクターを担当するオンライン事業部サービス運営本部ゲームサービス部四課デザイナーの西村大介氏
プランナーリーダーのサービス運営本部ゲームサービス部四課の田口敏之氏
運営で主にアイテム関連を担当しているサービス運営本部ゲームサービス部三課の荻原智氏

 「北斗の拳ONLINE HEROES」はどうしてケンシロウ達が前面に出てくる方向性に変わったのか、戦闘システムを3度も変更したのはなぜなのか。また今後追加される要素と、今後の予定はどのようなものになるか、体験会の後に行なわれたインタビューで、そういった疑問を開発スタッフにぶつけてみた。

 今回話を伺ったのは、制作として運営のチームリーダーを担当するガンホーオンライン事業部サービス運営本部ゲームサービス部三課の一迫健介氏、開発のアートディレクターを担当するオンライン事業部サービス運営本部ゲームサービス部四課デザイナーの西村大介氏、プランナーリーダーのサービス運営本部ゲームサービス部四課の田口敏之氏、運営で主にアイテム関連を担当しているサービス運営本部ゲームサービス部三課の荻原智氏の4名である。

 運営チームリーダーの一迫氏は、「北斗の拳ONLINE HEROES」の方向性に関して、「当初想定したユーザーはPvPなどを好むコアなネットゲームユーザーだったが、運営してみると実際には原作ファンからの要望が多かったため、改めて方向性が議論されるようになった」と語る。サービス開始当初は暴力が支配する世紀末世界を描く「北斗の拳」そのままの世界を再現するため、ゲームシステムも戦い方を覚え、磨いていくような方向性を考えていたのだが、実際には想定したユーザーよりも年齢層が高く、ネットゲーム初心者のユーザーが多かったという。このため「ゲームシステムがわかりにくい」という声が大きく、半年ほど前からより幅広く親しみやすいシステムを目指す方向性に開発がシフトした。

 ユーザーの間からもっともっと原作のキャラクターに会いたい、という声に対して運営側が提示したのが「抽選で原作キャラクターそのものになれる」という要素だ。プランナーリーダーの田口氏は「この要素は、他のゲームでは味わえない本作ならではの要素になると思います。ケンシロウやアミバになれるというところを是非体験してもらいたいと思います」と語った。原作キャラクターの性能、ゲーム内での表現に関しては田口氏がこだわり、これまであまりゲームに出てこなかったアミバやレイ、そして女性キャラクターとしてのマミヤを入れた。

 デザイナーの西村氏は、「戦闘システムの変更に関しては、適当にボタンやレバーを動かして戦う、いわゆる『レバガチャ』でもプレイできるようにしたい、というコンセプトは変えてないつもりです」と語る。これまで以上に操作をシンプルにして、上を目指すユーザーには追加効果としての要素を入れた。また、キャラクターの位置や距離を詰めるタイミング、奥義の溜めなど、駆け引きは楽しめるようにしている。うまい人同士の戦いはより楽しめるものになると考えている。スタッフが力を入れて作っている「奥義」のアニメーションをこれまでライトユーザーはあまり見ることができなかったが、ワンボタンででることでより見てもらえるようになる、ということも期待しているという。

 一方で、誰でもPK可能だったシステムをPvPをプレーヤー同士の許可制にする、転業のシステムをよりシンプルにする、そして戦闘システムの変更と、開発当初のコンセプトがどんどん変更されなくてはならない事に関して西村氏は「社内でも変更に関しては議論がありましたが、ユーザー層を考えた上で、より間口の広いシステムを目指していくことにしました」。田口氏は「最初に提示したゲーム世界ではあまりにも厳しいという意見が多く、わかりやすく、生きていけるようにしたのが現在の世界とルールだと思っています」と語った。

 今回追加される要素では、「一指奥義」が大きくゲームバランスに影響しそうである。PvPの時などはこのアイテムを持っているだけで勝率が全く変わってしまうだろう。この点に関して田口氏は「現在でもPvPをするプレーヤー達は“近接武器禁止”といったプレーヤー間ルールで戦っています。同様にPvPではプレーヤーが自主的に封印すると思います」と語る。現在の仕様ではシステムでの対応ではなく、ユーザーの自主性に任せるという方針だ。荻原氏は「ヒーローシステム自体がバランスブレーカーなので、それに一指奥義で対抗する、というのも面白いと思います。一指奥義はボス戦やピンチの時など、NPCとの戦いで効果が大きく、こちらで有効に使うユーザーが多いと思います」と答えた。

 運営の荻原氏によれば、次回のアップデートでは「相棒システム」が実装されるという。他のMMORPGのペットの様に従順についてくるだけの存在ではなく、自分から敵を呼び込んできたり、時にはアイテムを取ってきたりと、「仲間」としての存在感を強くする者を目指しているという。ログオフしているときに何かを見つけてきたり、様々なアイデアを盛り込む計画だが、AIを含めて現在企画中とのことだ。実装は5月末を予定しており、実装後の追加要素も視野に入れているという。

 田口氏は加えて相棒システムの次にストーリー要素の強いシナリオが実装される予定を明らかにした。原作キャラクターに注力した「北斗の拳ONLINE HEROES」の方向性の流れを汲む原作では語られていないドラマを補完するような“外伝”的なストーリーが入るという。現在、原作者サイドと打ち合わせをしながらストーリーを練り込んでいるところだ。

 一方、開発当初「北斗の拳ONLINE」が提示していた方向性はラオウやシンのように、世紀末世界での覇者になろう、一大勢力を作ろう、というものだった。しかし「北斗の拳ONLINE HEROES」ではそういった要素は見られない。荻原氏は今後は軍団の抗争なども入れていきたいと語るが、一方で現在の「北斗の拳ONLINE HEROES」のユーザーがチャットでコミュニケーションをとったり、コミュニティを作ろうというユーザーの少なさを指摘する。年齢層が高めで、ネットゲーム初心者が多い現状では、まずヒーローシステムなど原作キャラクターと出会える、ソロでも楽しめる要素を注力していきたいという。ユーザーがまず望むコンテンツを入れていくという方向性だ。

 この他、プレーヤー達が特定の場所で戦いを繰り広げることができる闘技場なども考えているという。勝ち抜き戦などできれば面白いのではないか、などアイデアは出ているが、ユーザーの要望も含めて方向性としては「原作のキャラクターになりたい、彼らの活躍を見たい」というものが強いとのことだ。一迫氏によれば大規模戦闘に関しても模索はしているという。ラオウは集団にダメージを与える技を持っているし、百裂拳を出すと後ろの人にも当たるといったシステムも考えているという。

 この他にも力の弱い人達を強制的に働かせている「収容所」の様な場所を軍団(ギルド)で奪い合うといったアイデアも出ているがやはり構想で止まっている。最終的にはそういったものができれば、ということで、大規模戦闘に向けてのシステムや仕様もまだまだこれからというところだ。

 最後に、4人全員に今後、「北斗の拳ONLINE HEROES」をこれからどういった方向性にしたいかを質問してみた。一迫氏は「現時点ではユーザーがヒーローになれるだけで遊び方はユーザーに委ねられています。ここからヒーロー専用の『ドラマチッククエスト』やストーリー要素の強いクエストなどを盛り込み、ストーリーを描いていきたいです」。西村氏は「ヒーローと原作ストーリーというのがユーザーの要望だと実感しています。クエストでもヒーローシステムを問い直すような要素を入れています。より『北斗の拳』のアナザーストーリーを体験できるタイトルとして行きたいと思います」と語った。

 荻原氏は、「原作キャラクターになれるというのは本作の出発点だと思っています。改めて自分のキャラクターが原作のヒーロー達のような存在になるためにはどんなプロセスを踏んでいくのか、そこをユーザーに提示していきたいですね」。田口氏は「オンラインRPGの、RPGというところにこだわっていきたいと思います。ラオウやケンシロウになるのはもちろん、オンラインゲームでありながらストーリーにも注力していきたいと思います」と語った。



 原作世界の「住人」としてのサバイバル生活を体験できるMMORPGとしてスタートした本作だったが、「より原作要素を! ケンシロウを!」というユーザーの声が大きく、方向転換にいたったという流れは興味深い。ゲーム好きではなく、原作好きのオンラインゲーム初心者が何を求めるかの面白さと共に、原作のあるゲームの開発と運営の難しさも感じた。

 オンラインゲームファンの筆者にとっては、「世紀末覇王を目指す」という方向性でのユーザーを導く要素がまだ足りないのも、ものを壊したり盗んだりするだけのクライムシステム、そしてくじによる新アイテムの追加は目新しい点はなく残念だ。世界観が魅力的なだけにもっととんがった、特殊なタイトルになって欲しい。オンラインゲームの初期から運営を続けユーザーを見続けてきたガンホーの経験と、日本のゲーム開発者によるコンテンツだからこそもっともっとMMORPGを革新するような要素を盛り込んで欲しいと思う。

 一方、毎日アミバやケンシロウが現われるというユーザー社会の動きには興味が惹かれる。ゲームルール的には「最強キャラクター」に変身した、というだけかもしれないが、本作のプレーヤーにとって、自分が“ジャギ”であり、“レイ”であり、“ラオウ”になれた時、ルールを越えた意味が存在するはずだ。その興奮が何をもたらすか、ヒーロー達がゲーム世界に現われたとき、世界がどう変わるか、注目したいところだ。

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(2009年 4月 23日)

[Reported by 勝田哲也]