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【TGS2022】エレコム、ハイクラス・ゲーミングデバイスシリーズ「ELECOM GAMING V custom」を発表
第1弾はマウス2種とキーボード4種
2022年9月17日 13:46
- 【ワイヤレスゲーミングマウス VM500】
- 発売日:9月16日
- 参考価格:9,980円
- 【ワイヤレスゲーミングマウス VM600PE】
- 発売日:9月16日
- 参考価格:14,980円
- 【メカニカルゲーミングキーボード VK200 / VK210】
- 発売日:9月16日
- 参考価格:11,980円(青軸)、11,980円(茶軸)、12,980円(銀軸)
- 【メカニカルゲーミングキーボード VK300 / VK310】
- 発売日:9月16日
- 参考価格:15,980円(青軸)、15,980円(茶軸)、16,980円(銀軸)
9月15日、エレコムは、東京ゲームショウ2022の同社ブースにおいて、ハイクラス・ゲーミングデバイスシリーズ「ELECOM GAMING V custom」の発表会を開催した。発表会では、新製品のプレゼンテーションが行われたので、その様子をレポートする。
エレコムは、国内のPC周辺機器メーカーとしては老舗のメーカーであり、キーボードやマウスをはじめ、ネットワーク機器やスマートフォン関連製品などさまざまな製品を開発・販売している。エレコムは、これまでにもゲーミング向けのキーボードやマウス、ゲームパッドなどを販売していたのだが、市場であまり存在感があるとはいえなかった。今回、同社が発表した新シリーズ「ELECOM GAMING V custom」は、勝ちにこだわるゲーマーのためのハイクラス・ゲーミングデバイスであり、海外メーカーなどの競合も多い激戦区に、満を持して参入した形となる。
国内ゲーミングデバイス市場における日本メーカーのシェアは3%に過ぎない
発表会ではまず、エレコム 取締役社長 柴田幸生氏が登壇し、新製品に込めた想いを語った。その中で柴田氏は、ゲーミングデバイスの国内市場のシェアのグラフを示し、ゲーミングデバイスでは圧倒的に海外メーカーが強く、日本メーカーは全て合わせても3%程度のシェアしかないことを明らかにした。そこで、30年以上にわたって、マウスやキーボードなどの入力デバイスを手がけてきたエレコムとして、本腰を上げて取り組まなければならないという決意を持って、このプロジェクトを発足した。日本人プレーヤーの活躍と日本のeスポーツシーンへの貢献を目指し、真剣に勝利を求めるプレーヤーに向けた製品が、「V custom」であると語った。
続いて、人気YouTuberのたこまる/TAKOMARUさんが登場し、開発担当者とともにトークショーを行った。ワイヤレスゲーミングマウス「VM600PE」の特徴は、26,000DPIという高い分解能を実現し、リフトオブディスタンスをカスタマイズできることである。海外メーカーの製品では、日本人の手にはやや大きい場合があるが、形状やサイズも日本人の手指の大きさにフィットするように最適化されている。また、独自のワイヤレスゲーミングエンジン「ELECOM Wireless S.P.S Engine D+」を搭載し、同社の有線ゲーミングマウスに比べて約35%の高速化を実現しているという。
また、「VM600PE」は、8ボタン搭載ながら、肉抜き穴を使わずに約75gという軽量設計であり、ワイヤレスゲーミングマウスとしてはトップクラスの軽さを実現している。さらに、追加ソールのありなしによって、操作感を選べる「2-Modeゼロエッジソール」を採用し、カスタマイズ可能なフルカバーグリップシートも付属。充電ケーブルには柔軟性の高いパラコードを採用している。
また、メカニカルゲーミングキーボード「VK300/VK310」は、誤操作を防止する新キー形状(ネオクラッチキーキャップ)を採用し、65%サイズとテンキーレスを選べ、それぞれ3種類の軸バリエーションが用意される。ワイヤレスゲーミングマウスと同様に、独自の「S.P.S Engine for Keyboard」を搭載し、応答速度を高速化。同社の有線ゲーミングキーボードに比べて約55%の高速化を達成したという。こちらもグリップシートや交換用キーキャップが付属し、カスタマイズが可能だ。
プロチーム「FAV gaming」とのスポンサー契約を締結
続いて、柴田社長がもう一度登壇し、国内のeスポーツプロチーム「FAV gaming」とのスポンサー契約を締結したことを発表した。もちろん、エレコムがeスポーツプロチームとスポンサー契約を結ぶのはこれが初めてとなる。FAV gamingのメンバーも登壇し、Minty選手が、「今回の新製品は、プロゲーマーの視線から見ても、細かい機能が充実しており、とても満足している」とコメントした。
また、発売記念キャンペーンとして、9月16日から10月31日まで、最大18%オフの特別価格での販売が行われ、30日間の返品・返金保証がついてくることも発表された。
ハイエンドセンサーを採用したワイヤレスゲーミングマウス「VM600PE」
今回発表されたゲーミングデバイスは、ワイヤレスマウスが2製品、キーボードが4製品だが、キーボードはそれぞれスイッチの軸を3種類から選べるため、合計では12モデルとなる。第1弾からかなり気合いが入ったラインナップといえるだろう。
ワイヤレスゲーミングマウスは上位が「VM600PE」、下位が「VM500」である。外観やサイズなどは変わらないが、搭載している光学センサーが異なる。分解能やトラッキングスピードといったマウスの基本的な性能は光学センサーによって決まるが、「VM600PE」では光学センサーとして分解能26,000DPIを誇るハイエンドセンサー「PixArt PAW3395DM」を搭載。さらに、リフトオブディスタンス検出用の「D sensor」も搭載しており、専用ツールによってリフトオブディスタンスをほぼ0~1.5mmの範囲で変更できる。
下位の「VM500」では、光学センサーが分解能12,000DPIの「PixArt PAW3311DB」になり、D sensorは非搭載となる(そのためリフトオブディスタンスの変更は不可)。分解能は、「VM600PE」が100~26,00DPI、VM500が100~12,000DPIとなり、それぞれ100DPI単位で変更できる。最大トラッキングスピードは、「VM600PE」が650IPS、VM500が300IPS、最大検出加速度は「VM600PE」が50G、「VM500」が35Gである。
レポートレートは両製品とも最大1,000Hzである。8個のボタンを備えており、内蔵リチウムイオン電池で最大約95時間動作する。ロゴはRGB LEDで点灯するようになっており、DPIによって点灯色が変わる。DPIは、底面のDPIスイッチによって400~3,200DPIの範囲で変更が可能だ。
ブースでは、「VM600PE」と「VM500」の特徴である、滑り心地を選べる「2-Modeゼロエッジソール」を体験できるようになっていた。実際に試してみたが、追加ソールありなしでかなり操作感に違いがあった。プレイするゲームや好みに応じて、摩擦抵抗を変えられるのはなかなか便利だ。また、マウスのサイズもちょうどよく、手にフィットして使いやすいと感じた。素早い動きへの追従性なども優れており、海外メーカー製のハイエンドゲーミングマウスと比べても遜色はないと感じた。
3種類の軸を選べるメカニカルゲーミングキーボード「VK300/VK310」
VK300/VK310は、キートップの形状にもこだわったメカニカルゲーミングキーボードである。「VK300」と「VK310」の違いはサイズの違いで、「VK300」が71キーの65%サイズ、「VK310」がテンキーレスの90キーとなる。それぞれスイッチの軸を青軸、茶軸、銀軸の3種類から選べることが特徴だ。青軸はクリック感が強く、茶軸はバランス型、銀軸はスピード重視タイプである。キーストロークは青軸が4.0mm、茶軸が4.0mm、銀軸が3.5mm、アクチュエーションポイントは青軸が1.9mm、茶軸が1.9mm、銀軸が1.4mmとなる。
また、バックライトLEDとして全てのキーにRGB LEDが内蔵されており、1つ1つ独立した色で点灯が可能だ。キートップは、ネオクラッチキーキャップと呼ばれる新設計のもので、力を入れても指がずれにくいデザインになっている。Nキーロールオーバー対応で、全てのキーの同時入力が可能である。また、省略されたキーの交換用キートップやキートップのグリップ力を高めるグリップシートも付属しており、カスタマイズ性も高い。
「VK200」は、「VK300」からバックライトLEDを省略したモデル、「VK210」は、「VK210」からバックライトLEDを省略したモデルであり、それ以外の仕様は同じだ。バックライトLEDが不要な方はこちらを選ぶとよいだろう。
実際に「VK310」を使ってみたが、確かに指に食いつくような感触で、快適にタイピングが行えた。コンパクトな「VK300」は日本の家庭環境にマッチする製品であり、ゲーミング用途以外にもおすすめできる。
今回発表された6製品は、ゲーミングデバイスとしての完成度は高く、エレコムが本気で取り組んでいることがよくわかった。今後の展開にも期待したい。