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日本初「食べられる培養肉」作製成功!! 日清食品と東大竹内教授の研究グループによる共同研究

3月31日 発表

 日清食品ホールディングス(以下日清食品HD)と東京大学・大学院情報理工学系研究科竹内昌治教授の研究グループ(以下竹内教授の研究グループ)は、日本で初めて「食べられる培養肉」の作製に成功したと3月31日に発表した。

 日清食品HDならびに竹内教授の研究グループは、2017年より共同で「培養肉」を研究。その目的は、人口増加によって予見される食肉消費量の増加や、畜肉の生産が地球環境に与える負荷などの問題を見越して、食肉の新たな選択肢のひとつを作ることにある。

 「培養肉」とは、畜肉の細胞を体外で組織培養することによって得られる肉のこと。この研究が実現したあかつきには、家畜を飼育するのと比べて地球環境に与える負荷が低いほか、畜産のように広い土地を必要とせず、さらには厳密な衛生管理が可能となるなど、さまざまな利点がある。

 「食べられる培養肉」作製の課題には、「食用可能な素材のみを使用すること」と「研究過程において食べられる制度を整えること」という2つ課題があった。

 しかし今回、日清食品HDと竹内教授の研究グループは、独自に開発し、いずれも特許申請中の「食用血清」と「食用血漿 (けっしょう) ゲル」を使用することで「食用可能な素材のみを使用すること」という課題を克服した。

 さらに、この成果を基に日清食品HDが「食の安全」に関する知見を生かして構築した「培養肉」を食べるまでのプロセスについても、東京大学の倫理審査専門委員会から承認されたことで、2つの課題をクリアし、「食べられる培養肉」を作製し、3月29日には研究関係者による試食を行なった。

 これにより、従来の機器を使った分析に加え、人による官能評価が可能になったことで、味、香り、食感などの "おいしさ" に関する研究開発が大きく進展し、肉本来の味や食感を持つ「培養ステーキ肉」の実用化に一歩近づいたという。