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「東京が死んで、僕が生まれた。」の生みの親は?暴露トークも盛りだくさんのイベント「TGSだよ、目がテン!『真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER』」

10月29日 発売予定

価格:
5,980円(税別、通常版 )
13,980円(税別、限定版 )

 アトラスは26日22時より、TGS2020オンラインの「セガアトラスTV」において「TGSだよ、目がテン!『真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER』」を開催した。

 イベントの中で、10月29日発売予定のプレイステーション 4/Nintendo Switch用RPG「真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER」の限定版「現実魔界化BOX」に特典として同梱予定の小冊子、リアル「月刊妖(アヤカシ)特別最終号」と、「新録ピアノアレンジ+レアサントラ全2枚組CD(全37曲)」について、デジタル配信の提供を発表。

 13,980円(税別)で販売予定の限定版は現在品薄状態となっており、限定版の購入が困難なファンの要望に応える形でデジタル配信を決定したという。具体的な配信方法や価格などについては未定。

 また発売直前の10月26日、20時から「発売直前生特番SP」とした生配信が決定した事も明らかにした。

イベント会場の模様
限定版でしか手に入らないとしていた小冊子とサントラのデジタル配信が決定!
10月26日には発売直前の生配信SPも決定した。

マフィア梶田氏の熱い想いが炸裂! あのキャッチコピーは作者不詳?

 イベント開始後、まずはメガテンシリーズの思い出についてフリーライターのマフィア梶田氏は「真・女神転生IIIが初めてプレイしたロールプレイングゲームだった。今回それがリマスター化ということでしびれた」と「メガテン」シリーズとの関わりを披露。「ファンタジーではなく、、現代劇のようなロールプレイングは自分がプレイした中では真・女神転生IIIが初めてだったのも少年時代の僕の心に響いた」と当時の感想を語った。

 また、PVなどでも使われているキャッチコピー「東京が死んで、僕が生まれた。」についても言及、「本作の独特の世界観をシンプルにまとめたキャッチコピーでとてもすばらしい。(主人公役の声優)榎木君はこれが読めるなんてうらやましい。ところが先ほど楽屋で聞いたらこのキャッチコピーを考えた人が誰かわからないというのが驚いた」と楽屋トークを暴露。

フリーライターのマフィア梶田氏。熱烈な「メガテン」ファンとのこと

 これについてはアトラスのディレクター、山井一千氏から「不死鳥のように何度も甦ってきたアトラスなので、そのゴタゴタした時期に開発していた物についてはこういった情報がわからなくなっている物もある」と当時の現場の苦労を語った。

本作のディレクター、山井 一千氏

 また、今回初めて「メガテン」シリーズに触れるという、人修羅を演じる声優の榎木淳弥氏は「収録時間は10分で終わってしまった」と今回の収録の様子を語った。また収録時間が短かった理由についても、「饒舌なキャラクターではないので、あまりセリフがないが、戦闘ボイスに全てをかけた。台本に“じゃ”というのがあったので、これは人間のように感情をこめて叫べばいいのかと、やってみたらスタッフからシンプルに“じゃ”と言ってください、とダメ出しされた。こういった有名なセリフは、当時の熱いこだわりを持って作っている」と現場の苦労を語った。

人修羅役の声優、榎木淳弥氏もゲスト出演した

人気悪魔投票の中間発表も

 現在アトラスのホームページでは「真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER」の発売を記念して、「真3HD思い入れNo.1悪魔決定戦」というイベントが開催中だ。応募期限は9月30日までだが、今回は中間発表として30位~11位までの途中経過が発表された。

 発表された悪魔を見ながら、悪魔についてのユーザーからの思い出が語られた。例えば、「タケミナカタ」は初期の頃から長い間、連れまわしていたので思い出深い、や「ネコマタ」はこのままならかわいいのに、進化後の「センリ」が味のあるデザインというか、個性的すぎるデザインだったため、絶望したなどのコメントも見られた。

 他にも「ギリメカラ」は物理攻撃反射の能力があるため、初見で返り討ちに合う事も多く、「思い出といっても憎しみ票では?」と梶田氏が指摘したり、本イベントのMCを務める松澤千晶氏が「マザーハーロットは美しいです」と心からの感想を漏らすなど、各人の思い出が語られる場面があった。

ゲストMCはフリーアナウンサーの松澤千晶氏が務めたが、言葉の端々から「メガテン」マニア感が伝わる

 今回は11位までの紹介とのことで、一通り紹介を終えると梶田氏からは「俺の好きなバフォメットが出ていない」と発言。大好きな悪魔なのでみんなの力で是非上位に上げてほしい、と配信を見ているユーザーたちに懇願する場面も見られた。

 なお、「真3HD思い入れNo.1悪魔決定戦」の最終結果発表は、10月26日に開催予定の「発売直前生特番SP」にて行なわれるとした。

ランキングの模様。梶田氏は各悪魔についてそれぞれコメントしていたのが興味深い
梶田氏の好きな悪魔の話をしている時に、松澤氏が「てっきりマーラ様かと思った」という発言が意味深だった

初見でも楽しめる! 超絶緩め難易度「MERCIFUL」実装

 実機プレイを前に山井氏からは今回のリマスター開発の経緯について「ユーザーアンケートで『真・女神転生III』はいつも復活希望の1位だった事もあり、いつかやらなければと思っていたが、やっとタイミングが合った。アトラスにある当時の開発機材も老朽化しており、今を逃したら動かなくなる恐れもあったため、リマスターをやるにはギリギリのタイミングだった。PS2なども斜めにしながらソフトを読み込ませたりしていたので、来年だったらもう開発できなかったかもしれない」と冗談を交えて語った。

 ゲームシステムについての話になると、梶田氏が「プレスターンバトルはRPG史に残る発明。単調なRPGのシステムを変えた革命的なシステムだった」と熱い想いを語った。

 またプレスターンバトルでは弱点をつくことで行動回数が回復する仕組みになっている事から、悪魔「モト」の行動が終わらずに敵の攻撃ターンがずっと続く「モト劇場」とユーザーから呼ばれる現象について、梶田氏から「あれは最初から想定されていたんですか?」との質問が飛ぶ。山井氏は多少苦笑いしながら「もちろん意図的です。アトラスのゲームは時にコントローラを投げたくなるような難易度だとよく言われるが、自分も開発中にコントローラを投げて破壊した事がある。そのくらい熱くなる作りを目指した」と当時のエピソードを披露した。

プレスターンバトルでは弱点を突いたりクリティカルが発生すると行動回数が回復する。これにより、敵の弱点を突くなど、うまく立ち回る事で、より優位にバトルが進められる
バトル中に悪魔を仲魔にできる仕組みは昔からのシステムだが今回も健在だ

 難易度については、今回「NORMAL」以外に「HARD」と「MERCIFUL」の3種類が用意される。NORMALの難易度でも十分に難しいとする本作において、HARDの設定まで用意されていることについて松澤氏からは「HARDは何がしたかったんですか?」と辛らつな質問が飛ぶ。これについて山井氏は「プレスターンバトルは1度のミスが命取りになる場合があるシビアな駆け引き。元々難易度の高いアトラスのゲームは、ユーザーもそれ以上の難易度を求める声もあるため、そうした声にこたえるためのHARDモードです」とした。

 また、圧倒的に緩めの難易度というアトラスのタイトルとしては珍しい「MERCIFUL」については、梶田氏から「本当に簡単なんですか?」との疑問も飛ぶが、「より幅広いユーザーに楽しんでもらえるように用意した。オートバトルだけでクリアできるほど簡単にはならないが、エンカウント率が下がるので、他の難易度でやっている人も移動時などに切り替えて使うという方法もある」と、幅広い難易度設定についてコメントした。

難易度は全部で3種類。「MERCIFUL」は「メガテン」初心舎向けだが、移動中などはエンカウント率が下がるため、上級者も有用に使えるようだ

懐かしさとスムースな挙動が気持ちいいリマスター版

 他にもゲームのストーリーについてのエピソードなどを語ったところで、「メガテン」初心者の榎木氏がここで「真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER」の実機プレイを披露する流れとなった。

 実機のゲーム画面はキャラクターのビジュアルの雰囲気こそPS2の頃を思い出させるが、キャラクターの動きなどの挙動は現代期らしく滑らかに動くなどグラフィックスの向上が確認でき、榎木氏も驚く一幕も見られた。

 実機プレイではイケブクロのマントラ軍本宮に主人公が捕まってしまい、決闘裁判の3連戦で勝利しないと死刑にされるというエピソードの3連戦が行なわれた。

 1戦目は悪魔「オルトロス」とのバトル。ここは山井氏から氷属性が弱点と伝えられたため、氷系攻撃のブフで行動回数を増やして連続攻撃することで、楽勝で突破。続く2戦目は悪魔「ヤクシニー」とのバトル。ここではノーヒントながら、色んな属性の攻撃を試した結果、雷属性が弱点である事を自ら発見し、弱点攻撃を中心に連続で攻撃を続けて楽勝ムードで勝利する。

イベントのカットシーン。ポリゴンに古臭さが残るが、PS2の頃からのユーザーには懐かしさを感じさせるし、カクカク度合いが逆に新鮮に感じられるユーザーも多そうだ
オルトロスは氷属性が弱点なので、ブフなどの氷属性攻撃で行動回数が回復できる
ヤクシニーにアナライズを試したが何も情報がわからない。ボス戦においてボス相手のアナライズは無効のためだが、榎木氏はここで「これ婚活サイトでダメなヤツですね! 」と斬新な感想を披露して周囲の笑いを誘った

 最後の3戦目ではランクの高い悪魔「トール」が登場する。ここで弱点を調べようと属性攻撃を仕掛ける榎木氏に対して、「何が弱点かはわからないから色々試してみた方がいい」とアドバイスを送るふりをして、雷撃反射を持つトールに雷属性のジオをさせるように仕向ける梶田氏。

 北欧神話においてもトールと言えば雷神というのは有名な話だが、榎木氏はまんまと口車に乗ってしまい、ジオをトールに向けて撃った結果、反射で大ダメージを喰らってしまった。

 その後は回復スキルをタイミングよく使用したり、味方の攻撃や防御を強化するカジャ系スキルで味方を強化しつつ、敵を弱体化させるンダ系スキルを多めにトールに放ちバトルを進めていくなどセンスの片鱗を見せつける。しかし配信の残り時間が迫り、時間について急かされて焦らされるも、このターンで終わりにしましょう、と宣言された最終ターンの攻撃で見事にトールを撃破! 完璧な時間配分を披露して見せた。

威圧感タップリのトール。サイズもでかく強そう
雷神トールと書いてあればわかりやすかったのだが、悪魔の表記名が「鬼神トール」だったため、雷攻撃が無効なのに気が付かず、雷撃反射が発動! このあと手痛いダメージを受けてしまう
その後、見事な立て直しからの攻撃ラッシュで、制限時間ギリギリで無事トールを撃破!

 最後に登壇者たちから一言として梶田氏は一言では語れないとした上で、「心に地獄を飼っている人、プレイすると地獄が深まるか天国に変わるかはあなた次第、楽しんでほしい」とした。

 「メガテン」初心者で今回初めて「真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER」に触れた榎木氏からは「頭を使って戦略的なバトルが楽しみたい人には是非お勧めしたい」とした。

 最後に山井氏からは「世の中を冷めた目で見ている人にこそおススメしたい」と本作独特の雰囲気を感じさせる紹介で締めくくった。