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「SFV」カプコン社内大会「カプコンカンパニーカップ」が東京支社で開催!
同僚・家族も集まって大盛り上がり! 次回はついに大阪対東京の東西決戦へ
2020年1月15日 11:03
- 1月14日開催
- 会場:新宿三井ビル
1月14日、カプコンが東京支社を置く新宿三井ビルにて、「ストリートファイターV」の社内大会が行なわれた。「カプコンカンパニーカップ」と銘打たれた本大会は、開発スタッフから店舗運営スタッフまで、カプコンの社員総勢67名が参加した大会で、14日に行なわれたのはその予選を勝ち抜いた8名の選手たちによるTOP8だ。
実はこの「カプコンカンパニーカップ」は昨年、カプコンの大阪本社で第1回が開かれていた(参考記事)。今大会は大阪での大盛況ぶりを受けて開催された第2回大会となる。東京支社では初の試みだ。
社内eスポーツ活動の活性化を目的とされた本大会には、参加選手のみならず、選手らの同僚や家族までもが駆け付け、会場となった食堂は超満員の盛り上がりだ。社内大会でありながら、実況はキャスターの大和周平氏、解説は「ストリートファイター」シリーズ プロモーションプロデューサー兼eスポーツプロデューサー 綾野智章氏が務めるなど本格的。加えて上位3名にはそれぞれ5万円・3万円・1万円の賞金が用意されているなど、大会としての体裁もきちんとしている。そのせいか選手(社員)たちもやる気まんまんの様子だ。
さらに会場には代表取締役社長である辻本春弘氏の姿もあり、本大会はまさにカプコンのeスポーツへ対する本気度が伝わってくるようなイベントだった。果たしてカプコン社内最強「ストV」プレイヤーは誰なのか!?白熱した大会の様子をレポートする。
プレミア大会顔負けの盛り上がり!
大会を観戦していてまず驚いたのは各選手の「ストV」の上手さだろう。出場しているのはすでに予選を勝ち抜いた猛者たちなので、当然と言えば当然なのだが、店舗販売スタッフや経理の方など「ストV」に直接関わらない部署からも出場しており、いずれもかなりの仕上がりだ。
会場にはそれぞれの選手が自作した自己紹介スライドが展示されていた。これらは「ストV」のキャラクター紹介画面に模して造られているようで、各々“自らのVスキルやVトリガー”まで考えてきている。来場者はこのパネルから優勝者予想をできるようになっていて、的中者には抽選でグッズが当たる懸賞付きだ。自分の上司に投票するか、グッズ獲得を狙うか……そんな駆け引きが繰り広げられていたかもしれない。
それもそのはず、カプコンには歴とした「eスポーツ部」が社内に存在しており、隔週金曜日に集まって「ストV」の対戦会を開いているらしい。TOP8の多くの選手はその部員で、コンボや起き攻めの選択肢からも、日々のやり込みが伺える。
また、対戦カードも社内大会ならではで印象的だった。例えばノジゲイル選手対かな選手の一戦だが、ノジゲイル選手は東京第一制作室に勤務する開発スタッフで、対するかな選手は渋谷PARCOのCAPCOM STORE TOKYOの店長だ。普段は部署の違いから相まみえることのない2人が、こうしてゲームを通して戦っているのはなんとも不思議な光景だ。
そして何といっても本大会は応援が凄まじかった。来場者にはプレミア大会よろしくバルーンが配布され、観客席からは声援とバルーンの打撃音が飛び交う。やはり日頃苦楽を共にしている同僚が戦っている姿を見ると、自然と応援してしまうものなのだろうか。中には手作りパネルで同僚を応援する社員の姿も見られた。
ベテラン対新参! 白熱の決勝戦。表彰式には辻本社長も登壇
大いに盛り上がったTOP8を経て、決勝戦へ駒を進めたのはうわぼん選手とスライディング仮面選手の両名だ。うわぼん選手はTOP8を通して色々なキャラクターを使い分けていたのに対し、スライディング仮面選手はバルログ1キャラで全ての試合を勝ち抜いている。
普段はMO開発支援室で予算の管理をしているといううわぼん選手は、2006年からカプコンに勤務する古株だ。格闘ゲームも学生のころからプレイしているとのことで、「SF」歴は25年以上だという。加えてうわぼん選手は「eスポーツ部」の発起人でもあるらしく、部の面目を保つためにも負けられない。
対するスライディング仮面選手は2019年に入社した新参者で、格闘ゲーム歴も2年と浅い。決勝戦はベテランVS新入りの構図となった、心なしかうわぼん選手に対する声援の方が多いような気もする。しかし両者ともに予選・TOP8を勝ち抜いた猛者、実力は伯仲している。
試合が始まると、バルログ使いのスライディング仮面選手に対してうわぼん選手はポイズンを選択。複数のキャラクターを使いこなす器用さは、長年の格闘ゲームで培った技術か。第1試合はポイズンの遠距離での強さを活かしたうわぼん選手の勝利となる。
しかしスライディング仮面選手も負けておらず、バルログ特有の空中からの攻めやコマンド投げを積極的に使ってうわぼん選手の守りを崩していく。新要素であるVスキルIIの使い方も巧みだ。第2試合はスライディング仮面選手の勝利となる。するとここでうわぼん選手がキャラクターをGへ変更。大会前よりメインキャラはGと公言していたため、その精度に期待がかかる。
この変更が功を奏したか、試合は次第にうわぼん選手のペースになっていく。後にうわぼん選手はバルログ対策不足だったと振り返っていたが、それでもGの爆発力が活かされたゲームプランでスライディング仮面選手を圧倒していた印象だ。スライディング仮面選手も健闘するも、決勝戦はうわぼん選手の勝利、賞金5万円を手にした。
試合後には辻本社長が登壇し、各選手にトロフィーと賞金を授与した。総評を求められると「これがカプコンのeスポーツの力です」と大会の盛り上がりを力強くたたえた。辻本氏としてはこの社内大会を今後も慣例化していきたいとのことで、ゆくゆくは社内東西戦の開催も考えているとのこと。
また、eスポーツについての見解を求められると「eスポーツは夢の競技です。性別や年齢、障害の有無問わず平等に戦えるのがeスポーツ。今後カプコンはeスポーツを他のスポーツ競技と同等に捉え、その発展に尽力していきます。」と述べた。
最後に優勝したうわぼん選手に話を聞くと、「今まで大会での優勝経験は無かったので、優勝できてとても嬉しいです。」と語ってくれた。曰く先週末は今大会に向けて相当「ストV」の練習をしたそうで、その特訓の成果が出て嬉しいとのこと。「eスポーツ部」発起人の名に恥じない戦いを魅せてくれたうわぼん選手を称えたい。
「カプコンカンパニーカップ」は社内の方々も外部の者も存分に楽しめる内容だったと言える。日本のeスポーツ界を牽引する企業のひとつであるカプコンの内部で、ここまでeスポーツの盛り上がりがあるというのは、今後の業界にとっては喜ばしいことではないだろうか。今後も社内でこういった活動が続いていくことを願っている。
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