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日本国内に敵なし! 「GALLERIA GLOBAL CHALLENGE 2019」準決勝開催

AbsoluteとIgnisが決勝進出! 宿命の対決再び

9月22、23日開催



会場:LFS池袋

 「GALLERIA GLOBAL CHALLENGE 2019」は、昨年までの「GALLERIA GAMEMASTER CUP」からタイトルを一新、「Counter-Strike: Global Offensive(「CS:GO」)」のプレーヤーが"世界挑戦への関門"として本戦に挑む大会である。賞金100万円を目指し、36のクランが参加、9月22日に行なわれた準決勝戦では4つのクランが戦いを繰り広げた。

 勝ち上がったクランはIgnis、SCARZ、Absolute、Updraftの4チームだ。Ignisはファンからの人気の高いチームで昨年は惜しくも2位だった。そして今大会で優勝すれば3連覇となる絶対王者Absolute。彼ら2チームは当然のように予選を勝ち進んできた。

 注目はAbsoluteだろう。昨年はSCARZ Absoluteというプロチームだったが、Absoluteはマネージャーも含む形でプロ契約を自らの意志で打ち切り、アマチュアチームとして現在活動している。新設されたSCARZはプロチームとして今大会での存在感を示すべく新しいメンバーを募っているが、まだメンバーが足らず、2人の助っ人を加えてのチームとなった。しかしその力はさすがで、今回の準決勝に姿を現わした。Updraftも「CS:GO」の有力プレーヤーで構成されている。今回はSCARZ以外の3チームはアマチュアチームで、このことが「CS:GO」の現状を表わしていると言えそうだ。

Ignis
SCARZ
Absolute
Updraft

 今回、改めて観戦して感じたが、ゲームを極めた人しかわからない駆け引きがある。FPSで求められるのは相手の身体に素早く銃口を向け撃ち抜く「エイム力」だが、超ハイレベルの彼らにはそれは当然のように兼ね備えている。敵のいる場所を察知し即座に反応する反射神経も当たり前だ。

 神業的に見事なのは「投げモノ」といわれる投擲武器の駆け引きだ。相手の目をくらませる「フラッシュバン(FB)」、着弾地点で炎を広げる「モロトフ」、視界を奪う「スモーク」……これらをどのタイミングでどう投げるか、その駆け引きは実に奥深い。味方が前に進むとき、相手の前をふさぐとき、自分の存在を知らせるとき、わざと敵を誘導するとき……連携の要に、相手の揺さぶりに、その引き出しが多いほど戦いは有利になる。そしてそれを実現するのは圧倒的な練習量なのだ。

司会のooda氏
アナリストのMamE氏
解説のnoppo氏とXrayN氏
実況のabara氏とSaDraI氏

 準決勝第1試合はIgnis対SCARZ。なんとしても決勝でAbsoluteを倒したいIgnisにとっては負けることができない戦いだ。SCARZも新生プロチームとしてのそのプライドを問われる場面である。しかし戦いは圧倒的と言える結果となった。終始IgnisがSCARZを圧倒、ラウンド数で常に上回られ、差が開き、Ignisの力を見せつける結果となった。

 試合後解説によって筆者も彼らがどんなことをしているかがわかるのだが、とにかくIgnisはことごとくSCARZがやりたいこと、進めたいことをつぶしていった。先手を取り、定石と言える勝てるパターンに持ち込み、勝つ。それは圧倒的な経験値がなしえる技である。高いレベルの上級者だからこそ、チームとしての動き、連携に差が生まれる。

SCARZを封じ込め、見事勝利をつかんだIgnis

 第2試合のAbsolute対UpdraftはこちらもAbsoluteの力を見せつけることとなった。ただし、ラウンド2でのマップ「Vertigo」。3月に追加されたマップで、世界大会でもあまり使われていないマップだ。これを選んだUpdraftが、Absoluteをどこまで翻弄できるかが注目となった。

 「Vertigo」は高層ビルの上層を舞台としたマップで、上下2層での駆け引きが試されるユニークなマップだ。しかし戦いの経験値はやはりAbsoluteが高かった。他のマップより動きが堅いのかな? とも思わせたのだが、やはり連携とお互いをカバーするチーム力がすさまじかった。途中Updraftが盛り返すが、前半でAbsoluteが大量にポイントを取っていたため、追いつくことができなかった。

Updraftは高層ビルの上層を舞台としたマップ「Vertigo」で勝負を挑むも、Absoluteの密接な連携にはかなわなかった

 試合後今回の司会を務めたOooDa氏と少しだけ話ができたのだが、やはり国内において、Absoluteと、Ignisの力は突出しており、「CS:GO」のチームとして彼らに並ぶ者がいないということを証明した準決勝だったという。ものすごくハイレベルだからこそ、チームとしての"阿吽の呼吸”が如実に出たというのは、筆者にもしっかりわかった。

 9月23日の昼に両者は激突する。彼らの目標は国内にとどまらず、世界にある。まず宿命のライバルである彼らの戦い、そして世界を目指す今後の活動に注目したい。