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PS4「龍が如く5 夢、叶えし者」主人公5人の冒頭のストーリーを公開
ひとつの事件へと収束していく5人の物語
2019年6月14日 10:00
セガゲームスは、6月20日に発売を予定しているプレイステーション 4用アクションアドベンチャー「龍が如く5 夢、叶えし者」について、5人の主人公それぞれのストーリーの冒頭を公開した。
一つの事件へと収束していく5人の物語
本作は、4人の男と1人の少女、5人の主人公が全国五大都市を舞台に“夢”をテーマとした重厚な人間ドラマを展開していく。今回は5人の主人公の序盤の物語が公開された。
福岡、札幌、大阪、名古屋……各地でそれぞれの暮らしを営む主人公たちが出くわす、新たな抗争の火種が描かれる。5人の物語は、それぞれが独立した作品として成り立つ十分なボリュームと熱量がこもっている。それらがどうやって1つの事件へと収束していくのか……?
【桐生編】
2012年12月。九州最大の歓楽街、福岡・永洲街で地元極道組織「山笠組」組長の斑目忠と、関東最大の極道組織「東城会」の六代目・堂島大吾が会談。周囲を取り囲むおびただしい数の極道の表情が、事の重大さを表していた。
会談を終え斑目と別れた大吾は、護衛も付けずにひとり夜の永洲街を歩き出す。向かった先は、タクシー乗り場。そこに停まる1台のタクシーに、彼の目的の人物がいた。
大吾は行き先も告げずタクシーを発車させると、ハンドルを握る“運転手”に向かって、東城会の厳しい現状を一方的に語る。
近江連合七代目の危篤……。近い将来、盃で保たれていた平和が終わり、東西全面抗争が始まる。そこで大吾は有事に備え、福岡を仕切る極道組織・山笠組を仲間に引き入れようと盃交渉のために永洲街を訪れていたのだという。だが、運転手はそんな大吾の話に耳を貸さず、黙ってタクシーから降ろすのだった。
「これでも俺なりに精一杯、……棘の道を歩いているつもりなんですよ。……四代目」
去り際の大吾の言葉。だが、それでもその運転手は顔色ひとつ変えることはなかった。
桐生一馬。元東城会四代目。
愛する者の“夢”のため、沖縄を離れこの福岡にやって来た。過去を捨て、偽名を使い、タクシードライバーとして生きる日々。
見知らぬ地で孤独に生きる桐生の心を癒やしてくれるのが、まゆみという女だった。
半年前に出会って以来、半ば押しかける形で桐生の家に転がりこんできては甲斐甲斐しく世話を焼くまゆみ。桐生も口では迷惑そうに応じるが、その実、悪い気はしていなかった。
この博多の地で、ようやく新しい生き方を見つけようとしていた桐生。だが、永洲街で起きたとある事件が、桐生を再び渦中へと引きずり込む。
ある日、いつものように仕事を終えタクシー会社に戻ってきた桐生を、2人の男が待ち構えていた。見るからに極道といった風体の男。その胸には東城会の代紋。会長護衛役の森永と相沢と名乗る2人は、失踪した大吾の行方の手がかりを求めて、四代目の桐生を頼りに来たのだった。
大吾の失踪―― 予想外の出来事に驚きを隠せない桐生。だが極道との関わりを捨てた桐生は、「人違いだ」と無関係を装い冷たく突き放してしまう。
「あなたが東城会の四代目だというなら、どんな事情があれ、我々が手出しすることなどできません。ですが、あくまで一介のタクシードライバーだと言い張るのなら話は別……。力ずくで本当のことを教えてもらうまで」
一刻の猶予もない森永と相沢は実力行使に出るが……。そんな2人の熱い想いも今の桐生には届かないのだった。
やがて事態は混迷を深め、東城会と山笠組の関係は一触即発の状態にまで悪化。そんな折、大阪府警の刑事が桐生に接触を図る。
実は、この博多に近江連合若頭の渡瀬がやってきているのだという。このままでは東西の大戦争が避けられないものになってしまう……。事を荒立てたくない刑事は、事態の収拾を民間人である桐生に依頼する。
すべては“夢”のため……。感情を殺し、事件への関与を拒み続けていた桐生だったが、逃れられない闘いの宿命を徐々に悟っていく。
愛すべき街・博多を舞台に、極道の血なまぐさい抗争が幕を開ける時、伝説の龍が再び立ち上がる――!
【冴島編】
2010年。25年もの長きにわたる獄中生活を経て、直系冴島組組長として東城会に復帰した冴島大河は、ある決断を迫られていた。それは東城会をより強固な組織とするため、冴島が若頭に就任すること……。だがそれは同時に、再び塀の中へと戻り、身を洗わねばならないことを意味していた。
神室町の焼肉屋で、兄弟分の真島吾朗と入所前の最後の時を過ごす冴島。
「約束したんや、桐生と……、東城会をもう一度強うするって。そのためやったら、あと1年や2年……、自分焼くくらいの覚悟はある」
しかし真島にはひとつだけ懸念があった。それは、一度娑婆に出て鈍ってしまった冴島に、再び刑務所での過酷な生活に耐えられるだけの“牙”が残っていないのではないかということ。真島組の組員たちと闘わせ、冴島の実力を測ろうとする真島。これが最後の機会になるかもしれない、直接拳を交えなくていいのか、と問う冴島。だが真島は静かにそれを拒絶する。その顔には、牙を失い、老いてしまった極道の悲しい現実があった……。
冴島が向かった先は北海道・網走。雪ふりしきる最北の地の刑務所に収監されてから、既に2年の歳月が流れていた。
東城会の大幹部という冴島の経歴は、過去極道に関係した者が多く集う刑務所においては目立ちすぎるものだった。冴島をつけ狙い、執拗な暴行を加える囚人・釘原。だが、冴島は決して手を出さず、その意志を貫き通していた。すべては1日も早く出所し、兄弟とともに自らの“家”である東城会を支えるため。模範囚として仮釈放を受ける日が来るまでは、些細な騒動も起こさぬよう、耐え忍んでいるのだった。
同房の馬場や大島、日村とともに日々のつとめを淡々とこなす毎日。だがある日、そんな冴島の苦行を嘲笑うような報せが届く。
「真島吾朗、死亡」
そして届けられた一通の“破門状”……。
突如帰るべき家、兄弟、そして“夢”を奪われた冴島は、自分からその夢を奪った人間を追うべく、刑務所を出ることを決意する。
だが、ことはそう簡単には運ばなかった。謎の死を遂げる刑務所長。取り消される仮釈放の申請。
混乱が刑務所を包み込む。そこに何者かの意思を感じないわけにはいかなかった。
自分を兄貴と呼んで慕う馬場とともに、襲い来る敵を退け、野へと飛び出す冴島。だが敵は人間だけではなかった。雪山という大自然の驚異、いくつもの障壁が冴島の行く手に立ちはだかる。
真島の死に関係する男・北方が待ち構える場所、札幌・月見野を目指し、冴島の決死の旅が始まる……。
【遥・秋山編】
大阪・蒼天堀。1年前、芸能事務所ダイナチェアの社長・朴美麗にスカウトされ、沖縄から単身この地へやってきた遥。優勝すれば大手レコード会社からのメジャーデビューが約束されているという人気テレビ番組「プリンセスリーグ」の決勝戦を目前に控え、歌やダンスのレッスンに余念がなかった。
遥は、朴が全国を探しまわってついに見つけたダイヤの原石。しかし、少し前まではどこにでもいる普通の女の子に過ぎなかったのだ。足りない技量を天性の勘と気力でなんとか補ってはいるものの、遥が一人前のアイドルとしてステージに立つには、絶対的に時間が不足していた。さらにレッスンの合間を縫うように、ファンを獲得するための地道な営業活動がスケジューリングされており、休む暇はほとんどなかった。
1日が終わる頃には身体は疲れ果て、マネージャーの堀江にアパートまで送ってもらうような毎日。だがそれでも、遥はこの千載一遇のチャンスをものにし、“アイドルになる”という夢を実現させるため、泣き言ひとつ言わずに励んでいた。全ては、自分の夢を後押ししてくれた、桐生、そして沖縄の家族のために。
遂に始まったプリンセスリーグ決勝戦。遥は、対戦相手である大阪芸能所属のアイドルユニット、「T-SET」のまいとあずさと出会う。表向きの愛想とは裏腹に、ライバルである遥に陰湿な妨害を行なうT-SETのふたり。さらにそのマネージャー中井も、遥と堀江に対し、敵意を露わに接してくる。
だが関西最大手の事務所、大阪芸能と、遥の所属するダイナチェアでは事務所の規模が違いすぎる。何をされても、黙って耐えるしかなかった。“夢の舞台裏”の厳しさを思い知らされる遥。それでもどうにか決勝戦第1ラウンドをやり遂げる。
しかし、事務所に戻った遥をさらなるトラブルが見舞う。ダンストレーナーの荻田が、遥の育成方針をめぐって朴と対立し、解雇されたのだった。プロは結果がすべて。そう告げる朴の言葉は、遥自身にもプレッシャーとなって重くのしかかる。
仕事に関し一片の妥協も許さない朴。だがその厳格さは“夢”にかける想いの強さ故であった。
ある時朴は、遥のメイクのまずさを指摘する。早くに母親をなくした遥は、化粧のやり方など今まで誰にも教わったことがなかったのだ。呆れながらも、自ら遥にメイクの手ほどきをする朴。突然の朴の行動に、遥は嬉しくてつい笑みを漏らしてしまう。
「女の子には、母親が必要よね」
遥の心の空白を埋めるように、朴は遥を連れて街へ繰り出す。仕事の疲れも忘れて、ショッピングを楽しみ、レストランで食事をして、ゲームセンターで遊ぶ遥と朴。その姿はまるで、どこにでもいる普通の母娘のようだった。
その帰り道、タクシーの車内で朴は遥に自らの過去、アイドルという存在について、そして“遥に託した夢”について語る。朴が自分にかける想いの強さを知った遥は、なんとしてもプリンセスリーグで優勝することを固く決意するのだった。
だが……。
翌日、堀江からの電話を受け事務所に駆けつけた遥が目にしたものは、“自殺”して変わり果てた姿となった朴だった……。
同じ頃、秋山駿は蒼天堀にいた。スカイファイナンス蒼天堀支店。新たな事業を起こすため大阪へとやってきていた秋山は、以前金を融資した女・朴美麗が自殺したという報せを受ける。ダイナチェアに駆けつけた秋山は、そこで澤村遥と運命の再会を果たす。
朴の“夢”にかける想いの強さを知っていた秋山と遥は、朴の死が自殺では有り得ないと断定し、独自に捜査を開始する。それは大阪芸能そして近江連合直参逢坂興業という関西芸能界の暗部、極道社会にまで迫る危険な闘いの始まりだった……。
【品田編】
名古屋・錦栄町で三文風俗ライターを営み、その日暮らしをする男、品田辰雄。その日も怠惰に夕方まで寝ていたところ、玄関のドアを叩く旧知の仲である宇野の声に起こされる。宇野の用件はわかっている。借金の返済を催促しにきたのだ。そのまま居留守を決め込み、二度寝をしようとする品田。だが、そこにもう一人、別の男が現われる。
高杉浩一。いわゆる“闇金融”を営み、名古屋を支配する極道組織・名古屋組との関係も噂される危険な男である。だが、既にこの界隈で品田に金を融資するような金貸しは高杉のほかにはなく、品田にとっては大事な生命線でもあった。借金が返せないなら、指を切り落とし、その保険金で返してもらうまで……。冷酷に告げる高杉の言葉に肝を冷やした品田は、夕方から取材の予定が入っていたことを思い出し、逃げるように家を飛び出すのであった。
取材に向かった先は、風俗店「ふと桃club」。相手はもちろん、品田のお気に入りの風俗嬢みるく。品田は15年以上のキャリアを持つこのベテラン風俗嬢を、ことあるごとに記事に書いて紹介しては編集部に呆れられているのだった。
だが、その日みるくは店を無断欠勤していた。彼女の身内にトラブルが起きていることを知った品田は、なんとしても締め切りまでに取材を済ませて記事を書き上げるため、トラブルの解決に乗り出す。
そんな品田の涙ぐましい努力の賜物である原稿料も、もらった先から高杉に回収されてしまい、手元には小銭すらロクに残っていない有様だった。
その時、懇意にしているバーのマスター、牛島から連絡が入り、会いに行く事に。そこで品田は、名古屋の街で極道がらみの事件が起こり、危険な雰囲気が街に立ち込めていることを知る。
そんな大変な1日がようやく終わろうとしていた時、家路を急ぐ品田の前に1人の男が現われる。男は帽子を深くかぶっており、サングラスとマスクで顔は見えない。明らかに品田を待ち構えていた風の男に構わず、横を素通りしようとする品田。だが、そんな品田の背中に、男はこう呼びかけるのだった。
「元名古屋ワイバーンズ、背番号47番、品田辰雄。お前に頼みたいことがある。お前が15年前に全てを失うことになった9回裏のサヨナラホームラン……。その真相を調べて欲しい」
15年前……。長年の夢だったプロ野球選手。4年のファーム生活を経ての一軍昇格。代打で出場した9回裏の初打席。そして放ったサヨナラホームラン。
だが……。
身に覚えのない野球賭博の疑いをかけられ、たった一夜にして夢を奪われた品田。以来15年、怠惰に暮らしながら、諦めきれない夢をなんとか忘れようと努めていたのだ。だが、そんな眠っていた品田の過去を揺り起こすかのような男の言葉に、品田は思わず叫び声をあげてしまう。
「サヨナラホームランの真相ってなんだよ!? あれは実力で打ったんだ。真相なんて何もねーよ!」
翌日、品田のもとを再び訪れた謎の男の手には、2,000万もの大金。事件の真相を暴けば、報酬として支払うという。それでも頑として事件への関わりを断り続ける品田。だが、そこに高杉が現れたことですべてが動き始める。
借金の返済のため、そして15年間抱え続けた想いに決着をつけるため、品田は遂に謎の男の依頼を受けることになる。
だが、その調査は簡単なものではなかった。当時の状況を知るチームメイトたちへ接触を図る品田。そこで次々と起こる謎の死亡事故。
その先で品田を待ち受けていたのは、球界、極道社会、そして名古屋の街を包む黒い陰謀の渦だった……。
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