ニュース
【セガフェス】「新サクラ大戦」新たなる“隊長さん”は神山誠十郎、ヒロインは天宮さくら
田中公平氏「会長! 『サクラ大戦』ファンを代表して、ご決断いただきありがとうございました!」
2019年3月30日 15:45
セガゲームスは3月30日、ファンフェス「セガフェス2019」での発表会「SEGA FAN MEET-UP 2019」において「サクラ大戦」シリーズの最新作となるドラマチック3Dアクションアドベンチャー「新サクラ大戦」を今冬に発売すると発表した。プラットフォームはプレイステーション 4。
発表会では最後にたっぷりと時間を取って期待の新作の発表にあてた。登場した里見治紀会長は「1回の発表会で2回もお詫びをする会長はいない」と語りながら「『サクラ大戦』の新作について昨年の発表以来何も言えなくて申し訳ない」と切り出した。
すでに報じているとおり「新サクラ大戦」は「サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~」から12年後の帝都・東京が舞台となる。プレーヤーは新たなる隊長“神山誠十郎”となり、隊員達との絆が描かれる。発表会では触れられなかったがリリースによれば、敵は帝都に現われた降魔であり、さらには世界の各都市に誕生した華撃団と激突するのだという。これまであった巴里や紐育の歌劇団はどうなったのか? など気になる要素は多数ある。
ゲームのシステムとしては、基本的にはこれまでの作品を継承しているようで、「アドベンチャー」と「バトル」を繰り返していくことで、ヒロインたちとの絆を育んでいく。アドベンチャーパートでは、3Dグラフィックスで描かれる大帝国劇場や銀座の街を自由に探索することができ、帝国華撃団隊員とのコミュニケーションやさまざまなストーリーを楽しめる。アドベンチャーパートでヒロインたちとの信頼関係を築いていくことで、ストーリーが分岐するだけでなく、バトルパートも有利に進めることができるという点でもシリーズを踏襲している。もちろん、アニメムービーやミニゲーム等、さまざまな要素も盛り込まれている。スクリーンショットを見ると、「LIPS」に似たシステムもあるようだ。
スタッフは、プロデューサーは片野 徹氏、メインキャラクターデザインに久保帯人氏、音楽は田中公平氏、ストーリーは「428」などを手がけてきたイシイジロウ氏。会場で公開された映像には新たなる大帝国劇場をはじめ、登場キャラクターの一部が発表された。
登場キャラクター紹介
天宮さくら
CV:佐倉綾音
「帝国華撃団・花組」隊員、17歳。旧花組のトップスタァである、真宮寺さくらにあこがれて花組に入隊した新米隊員。帝都を護る帝国華撃団・花組と、帝都の市民たちの心の支えである帝国歌劇団・花組に強い思い入れがあり、両者を立て直すことを強く願っている。
東雲初穂
CV:内田真礼
「帝国華撃団・花組」隊員、17歳。帝都に代々続く東雲神社の看板娘で、巫女。下町で生まれ、下町や祭り、町のみんなが大好きな生粋の江戸っ子。普段はガサツだが、みんなの頼りになる花組のまとめ役。
望月あざみ
CV:山村響
「帝国華撃団・花組」隊員、13歳。望月流忍者という忍一族の末裔で、幼くして武芸、戦術、武器の取り扱いなどに天才的な才能を持つ。物心つく前から厳しく育てられ、忍の里に古く伝わる「108の掟」を強く信じ、掟を守ることを大切にしている。
アナスタシア・パルマ
CV:福原綾香
「帝国華撃団・花組」隊員、19歳。ギリシャ出身。欧州の劇場で活躍していたスタァ。数々の劇団を渡り歩いたのちに、帝国華撃団に移籍してくる。歌、演技ともにトップクラスの技量を持ち、そのルックスから、男性役からセクシーな女性の役まで幅広くこなす。
クラリス
CV:早見沙織
「帝国華撃団・花組」隊員、16歳。ルクセンブルク出身。本を読むのが好きな、知的で可憐な文学少女。本を通して色々なことを日々学んでおり、好奇心旺盛。本名は「クラリッサ・スノーフレイク」。ルクセンブルグ貴族、スノーフレイク家に伝わる本を使った魔術「重魔導」の継承者。
メインキャラクター設定はマンガ家の久保帯人氏。神山誠十郎はこれまでのシリーズ隊長にはないクールなイメージも感じられるが、片野プロデューサーによれば「ゲームではひょうきんな場面などもあったり、殴られたりもします」と説明。これまでのようなちょっとドジでありながらも熱い気持ちを持った一面を持ち合わせているようだ。
舞台となる一部背景映像も公開されたが、街中をある程度は歩き回ることができるようで、片野プロデューサーは「街の中を歩いて欲しいので、社内の背景職人達が敷石1つ1つを置いており、完成を楽しみにして欲しい」と語り、凝った街中を現在作り上げていることを明らかにした。
前述の通りメインキャラクター設定は久保氏だが、片野プロデューサーは「ブローチや刀など、非常に細かく設定していただいて、さすが久保先生だと思った」とコメントしている。さらに片野氏は「別のクリエイターに参加していただいている」ことを明かしており、詳しくはわからないが、他クリエイターが設定したキャラクターも登場するようだ。片野氏は「主人公にできるほど魅力的なキャラクターが登場する」とコメントしていた。
発表会には音楽を担当した田中公平氏と、ストーリー原案を担当したイシイジロウ氏が登壇。
田中氏は楽曲とBGMを担当。挨拶を求められた田中氏はファンに「ずっと熱い声を届けてもらい、それが復活に繋がった。本当にありがとう。感無量です」と感謝のコメントから入り会場からは熱い拍手が巻き起こった。田中氏は「新サクラ大戦」について、「広井イズム、“サクラ”イズムを引き継いでいる」と明言。今の時代にリブートされながらも、その根底にある部分はキチンと継承されているのだと言う。その際たるものがこの日初お披露目となった主題歌の「檄!帝国華撃団」だろう。田中氏は「毎日、仕事前に聴いている。仕事を始めるテーマ曲になっている」と話す。
新たなる「檄!帝国華撃団」はメロディ先行で作曲されたという。田中氏の頭に浮かんだAメロをメースに広井王子氏が歌詞を担当。このメロディを聴いた広井氏は田中氏に「かっこいいけど、切ないね」と感想を述べたという。
BGMは50曲、ムービーの劇伴が40曲。これ以外は言えないとしながらも、もちろん「キャラクターソングは全部ある!」と明かし、会場からは大きな拍手が巻き起こった。田中氏は自信たっぷりに「1作目からプレイしている人も、初めてプレイする人も全員の期待に応えられる、すごく出来が良い!」とその出来について語った。
一方イシイジロウ氏は、さかのぼること3年前のまだ寒い頃にセガゲームスから初めて相談を持ちかけられたという。スタッフ名は明かされなかったが、初期から「サクラ大戦」の制作を手がけてきていた方らしく、熱く語られたという。その後、なんとか企画が通り制作がスタート。
イシイジロウ氏は「『スター・ウォーズ』や『宇宙戦艦ヤマト』など多くの作品がリブートされ、それに対してファンとしては色々思うこともある。『サクラ大戦』は僕もプレーヤー世代の作品で、業界を代表するIPの1つ。今回はオリジナルスタッフの想いが凄かった。(だからこそ)裏切らない作品となった」と、ファンはもちろんのこと制作側の大きな愛もあったタイトルであることがわかるコメントを残している。
そんな「新サクラ大戦」についてイシイジロウ氏は「新たなる花組の物語。古いものも大切にしていて、色々なサプライズを用意しようと思う」と語り、すでにストーリー構成としての作業は終了しており、ゲームとしての制作も佳境に入っていることを明かしている。ちなみにイシイジロウ氏も新たなる「檄!帝国華撃団」を聴いて「成功を確信した」とコメントしている。
最後に舞台を後にするときに田中氏は里見会長の手を取り「会長! 『サクラ大戦』ファンを代表して、ご決断いただきありがとうございました!」とコメントし、会場を見渡し「(ファンのみなさん)応援してね!」と手を振り大きな拍手を受けていた。作品の完成が実に楽しみな発表会となった。