ニュース
サードウェーブの「プロゲーマーなりきりコーナー」などなど、ユニークな出展にも注目の「全国高校eスポーツ選手権」
2019年3月24日 19:45
「全国高校eスポーツ選手権」は、多彩なサポーター企業の協力で実現したイベントである。主催の毎日新聞、共催のサードウェーブに加え、様々なメーカーが会場にブースを出展、初めての第1回となった「全国高校eスポーツ選手権」に集まったファンに自社の存在をアピールすべく、工夫を凝らしていた。
本稿ではあえて大きな試合ではなく、ブース出展企業にスポットを当てていきたい。eスポーツという新しいスポーツジャンルが認知され始めている中、大きく派手な会場で、華やかな雰囲気で開催された「全国高校eスポーツ選手権」。それは、高校生の“目標”となってほしい、この試合を見た人達に、「この舞台に立ってみたい」と思ってもらいたいという想いを込めて開催されたイベントだ。そのイベントを盛り上げた各社の奮戦ぶりをレポートしよう。
最初は今回イベントを主催した毎日新聞。毎日新聞ブースでは、「全国高校eスポーツ選手権」の特集記事を配布。イベントでは伝わりにくい細かい情報も届けていた。毎日新聞は全国高校ラグビー大会や全国学生相撲選手権大会など様々なスポーツ大会を主催しているが、eスポーツは「競技者の幅を広げる」という意味で大きく期待しているとのこと。
実際のeスポーツでの勝者は、現実競技のアスリート達と同じように、天性の資質、日々の鍛錬、そして大会で実力を出し切る様々なものを求められるが、スポーツ大会は参加者の間口を大きく広げ、それを目指す競技者を増やしてくれる。毎日新聞がeスポーツに手を挙げてくれたことは、応援したいところだ。
共催のサードウェーブはゲーミングPCブランドGALLERIAを大きくアピール。そしてとびきりユニークな「eスポーツ大会体験コーナー」を用意し、来場者を楽しませてくれた。プロゲーマー体験コーナーは、2種類あって、1つは会場の選手達が使っているPCと同じ環境のPC、マウス、キーボードなどの一式を、競技場と同じレイアウトで体験できるのだ。
さらにもう1つは「プロゲーマーなりきりセット」。プロゲーマー達が着用しているユニフォームをその場で借りて着ることができ、競技用PCの前に座り、トロフィーを掲げることができるのである! これは会場に来る人達に大いに受けた。
ゲーミングPCメーカーとして、PCの性能や価格をアピールすることも必要だが、サードウェーブがeスポーツ、プロゲーマー達がどのような文化を作っているかをこういった形でアピールできるのはとても面白いと感じた。
「リーグ・オブ・レジェンド」をサービスしているライアットゲームズは、2日目である3月24日にコーナーを出展していたが、その出展方法が「コスプレ」なのだ。前日に準備中のコーナーを見て「試遊台でも出すのかな」と思っていたのだが、とても面白い出展だった。そしてそれが来場者を大きく盛り上げていたのだ。
ライアットゲームズは剣や盾、弓など、人気の高いキャラクターの特徴を活かした武器を手に、「lol」の世界観を活かした背景をバックに撮影が楽しめるのだ。会場には「lol」プレーヤーも多く、細かく作り込まれた武器を見ながらゲームの話をしていた。今回の来場者にぴったりの出展だった。
もう1つの目玉が、「会場限定スキン」。コードを入れ登録することで限定のスキンが入手できるというもの。ライアットゲームズは今回のイベントに限らず様々なイベントで出展しノウハウを蓄積しているとのこと。出展されたコスプレ用のアイテムも完成度が高く、納得させられた。
もう1つ会場で大きな注目を集めていたのがDENSOだ。自動車の制御システム、エンジンやエアコンの制御、事故防止システムなど車載システムを中心に様々な活動を行なっている企業だが、今回は電気自動車とVRを組み合わせた体験システムを出展していた。
車の制御とVRゲームを組み合わせたシステムで、コンテンツは「空を飛ぶ車に乗って、世界の様々なものを見てみよう」というコンセプトのオリジナルのもの。筆者も体験してみたのだが、ほんの少しの距離の前進/後退だけで空を飛ぶ車の浮遊感や、別の世界に行くときの衝撃、上昇する感覚や、着地する衝撃などがきちんと体感できる。アーケードゲームにしたら大いに受けそうなシステムだった。
DENSOは若い人に自社の存在と技術をアピールするため「全国高校eスポーツ選手権」に名乗りを上げ、出展したという。バンダイナムコやセガ、コーエーなどVRアーケードを展開するメーカーと協力するとさらに面白いコンテンツが期待できるのではないだろうか? 今回の出展が新しいVRゲームの創出に繋がって欲しい。