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日野晃博氏「『二ノ国』の映画は、ゲームとはまったく違い、1つの作品としてみて欲しい」
監督は百瀬義行氏、音楽はもちろん久石譲氏! 主人公役は山﨑賢人さん!!
2019年2月9日 21:12
ワーナー・ブラザース ジャパンは、レベルファイブのファンタジーRPG「二ノ国」シリーズをモチーフとした邦画アニメーション映画「ニノ国」を2019年夏に全国で公開すると発表した。
製作総指揮/原案・脚本はレベルファイブの日野晃博氏、監督はスタジオジブリ作品などで活躍してきた百瀬義行氏、音楽はもちろんゲームシリーズの音楽を手掛けてきた久石 譲氏が手掛ける。
主人公“ユウ”の声は、俳優の山﨑賢人さんが担当する。同時に、LINE LIVEを使った声優オーディションも行なわれる。男女それぞれセリフ付きの役となり、2月22日よりエントリーを受け付ける。
映画版は、世界配給を意識した、ゲームのストーリー世界とは別の作品に
発表会に臨んだ日野氏は、2010年にシリーズ1作目をリリースした頃から常に映画化を意識してきたという。「妖怪ウォッチ」シリーズや「レイトン教授」シリーズなど映画の原作ゲームを多数有するレベルファイブだが、ゲームを映画化する時は毎回「映画化することでゲームが売れるのか?」など、映画化する意義について考えるのだという。しかし「二ノ国」については商業的な発想は抜きにして「本当に良い作品に仕上がった」と言い、「非常に嬉しく思っている」と挨拶した。
ワーナー・ブラザース ジャパンの小岩井宏悦エグゼクティブプロデューサーは、2009年の1月に初めて福岡のレベルファイブに日野氏を訪ねた。それから10年、想いを込めた念願の企画が完成に近づいている。
日野氏は映画「二ノ国」について「大好きな人がいるとして、その人はすでに別の誰かの恋人で、恋は叶わない。そんな時、別世界でその人と同じ性格で同じ容姿の人と出会った時どうしますか? ファンタジー世界のメルヘンな恋愛モノだが、ドキドキする部分やスペクタクルな部分もある、映画のスペクタクルが詰まっている」と語る。第1弾のティザー映像では絵コンテや設定画などに合わせて「究極の選択」といった言葉が登場し、その奥にある“ただの恋愛モノ”ではない片鱗が見え隠れする。
また日野氏は「二ノ国」が世界的に人気のあるコンテンツである点についても触れ、世界的な配給を考えた中で日本の文化を伝えるべく、現代の世界の舞台を日本に設定したという。実際海外のゲームの発表会などで「二ノ国」が発表された瞬間を取材したことがあるが、ひときわ大きな拍手と歓声が上がることからも、ワーナー・ブラザースが世界配給を見据えて制作していることがうかがえる。
百瀬監督も1作目、2作目と「二ノ国」の制作に関わってきていることから、「馴染みのなる作品なので、面白く作れたらと思う」と意気込みを語る。そんな百瀬監督は「二ノ国」の魅力について、「ハイファンタジーだ、ロウファンタジーだ、といった枠にとらわれない面白さがある。毎回『二ノ国』の構造は同じでも、まるで違う」と説明した。
制作時の裏話も一部披露された。日野氏が、ワーナー・ブラザースからOKをもらった脚本を持ち久石氏のもとを尋ねた時の話。その時の脚本は、現実世界のリアルさが色濃く出ることで物語が安っぽくなることを嫌いファンタジー世界を中心としたストーリーとなっていたが、その脚本を読んだ久石氏に「現実世界とファンタジー世界を行ったり来たりする楽しさがないと『二ノ国』と言えないんじゃないかな?」と指摘されたのだという。その言葉にズキッときた日野氏は脚本をすべて書き直した。この話題を引き合いに出し「クリエイターとしてしっかりつきあえたのが嬉しい」と振り返った。
最後に、映画「二ノ国」について日野氏は、「映画はゲームとは全く違った1つの作品。そういった意味ではこれまでのゲームが原作とかそういったクロスメディアとは全く違った新しいクロスメディアとなる。映像のクオリティも良いと僕は思う。『二ノ国』の新しい映画として受け取って欲しい」と締めくくった。
山﨑賢人さん、「脚本を読んで鳥肌が立った」
主役となる“ユウ”を演じるのは、前述の通り俳優の山﨑賢人さん。
山﨑さんを抜擢した理由について小岩井氏は「ユウは、現実世界ではきわめてインテリでナイーブな青年。二ノ国ではガラッと変わって苦悩を乗り越えていくので、幅の広い演技が必要。山﨑さんは若手俳優のNo.1で、制作に10年という思い入れのあるこの作品を演じてくれると思った」と語る。日野氏も「元々俳優として大好きで、ただただ大好き」ということで異論は無いようだ。
山﨑さんは「まさか声の仕事がもらえるとは思っていなかった」と意外そうに答えた。その一方で声優には「挑戦してみたかった」ということで、「初めてのことで、どう役を作っていけばいいのかわからないが、そこも楽しみながら『二ノ国』という作品を作り上げていくことにワクワクしている」とコメント。ただ、脚本を読んでの感想については「鳥肌が立った」そうだ。
最後に山﨑さんは「全力で応えるしかない。頑張っていきたいと思いますので、楽しみにしてください」とアピールした。
©2019 映画「二ノ国」製作委員会