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須田剛一氏も登場「BitSummit Roadshow:Tokyo」が初開催

サイバーパンクでSCP! PS4「ANNO: Mutationem」に注目

9月19日 開催

場所:代官山UNIT

 日本インディペンデント・ゲーム協会は9月19日、インディーゲームの展示会「BitSummit」のサテライトイベントとなる「BitSummit Roadshow:Tokyo」を開催した。「BitSummit」は、インディーゲームが一堂に会する祭典として京都での開催が恒例となっているが、その情熱を少しでも広めたいという思いから今回その東京版となる「BitSummit Roadshow:Tokyo」が初めて開催されることとなった。

 会場では30本以上のタイトルが展示されたほか、Nintendo Switch用アクションゲーム「Travis Strikes Again: No More Heroes」を出展したグラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏が登壇したステージイベントなども開催された。

ドット絵風3Dマップを探索する「ANNO: Mutationem」をピックアップ

 ゲームを展示するフロアスペースでは各開発者渾身のインディーゲームが並び、多くの来場者でスペースは埋め尽くされていた。プレーヤーと開発者の距離が非常に近く、一般のプレーヤーが新たなゲームを知る上でも、開発者同士が刺激を受け合う場としても絶好のイベントとなっていた。

ゲーム展示フロア、開場直後の様子。時間が経つにつれさらに人数が増え、フロアに収まりきらないほどの人が絶えず行き交っていた

 多くのゲームを見て回る中で特に気になったのは、中国のThinkingStarsが開発中の「ANNO: Mutationem」というアドベンチャーゲームだ。本作の特徴は、何といってもドット絵風で描かれるサイバーパンク世界にある。しかも、2Dっぽいまま立体的な街が表現され、主人公が街中を自由に歩き回れてしまう。リアルで写実的な「サイバーパンク2077」とは違うアプローチながら、サイバーパンク世界を冒険するゲームとしてはかなりの注目作だ。

中央の黒い女性が主人公。2Dドット絵風の見た目だが、奥にも手前にも進める
住人との会話も重要なアドベンチャーゲーム

 またこの作品は、知る人ぞ知る「SCP財団」というホラー創作コミュニティの作品や世界観をベースとしたタイトルでもある。「SCP財団」は、「SCPオブジェクト」と呼ばれる“何らかの形で人類に害を及ぼす異常物体や超常現象”を創作するコミュニティで、ゲーム内にも数々の「SCPオブジェクト」が登場するという。

 プレイデモでは街を探索し、最終的には巨大なモンスターとの対戦が待ち受けていた。戦闘シーンでは2D画面となり、敵の攻撃を避けながら剣や強力なビームを撃って攻撃するアクションが展開される。サイバーパンク+SCPという組み合わせにピンと来た方は、ぜひチェックしていただきたい。対応プラットフォームはPS4で、2019年秋に発売予定。日本語にも対応する。

「SCPオブジェクト」の説明が不思議でぞっとすると人気の「SCP財団」
巨大なモンスターとの対戦では激しいアクションが展開される
【サイバーパンクゲームが流行中?】
Degica Gamesによる“対戦型”シューティングの「ライバル・メガガン」。画面を2分割してシューティングゲームをプレイし、相手の邪魔をしたりボスとなって相手に襲いかかったりして勝利を目指す。Nintendo Switch、PS4、Xbox One、Steam向けに今冬配信予定
2018年10月配信予定のPC用アドベンチャー「Tales of the Neon Sea」。緻密できらびやかに描かれたサイバーパンク世界で事件の解明に挑む。残念ながら日本語対応は未定

股間が「セーブ中」の文字で隠れる「Travis Strikes Again」をプレイ!

 ゲーム展示フロアでかなり目立っていたのは、「Travis Strikes Again: No More Heroes」のプレイアブル展示だ。本作は「ノーモア★ヒーローズ」の外伝的な位置づけとなるタイトルで、主人公のトラヴィス・タッチダウンが様々なゲーム世界で戦うアクションゲームとなっている。

「Travis Strikes Again: No More Heroes」展示の様子

 今回のデモ版では1つのステージのボス戦までをプレイすることができたが、特に操作方法が特徴的となっていた。画面は斜め見下ろし視点で、トラヴィスは充電式の剣を振るって戦う。通常攻撃と強攻撃、ジャンプ、回避といったアクションは、組み合わせで様々に変化する。たとえば通常攻撃と強攻撃はコンボとして繋がり、ジャンプ中に通常攻撃を出せば敵に一気に近づいて攻撃できる。

 連続攻撃を続けるほど爽快だが、剣は使い続けると電池が切れて攻撃力が大幅に下がるため、Lスティックを押し込んで右スティックを動かして(Joy-Conを振ってもOK)こまめに充電しなくてはいけない。その間はトラヴィスの動きが止まるので、ただ攻め続ければいいというわけではないのが本作アクションの面白いところだ。

 またデモ内でも須田氏らしさを垣間見ることが可能で、なんの脈絡もなく屋台のラーメン屋が出てきたり(体力回復)、仮設トイレでセーブができたり(股間は「セーブ中……」という文字で隠される)、過剰気味の演出が実にグラスホッパー作品らしい。

 さらに注目は本作が多くのインディーゲームとコラボレーションしているというところで、たとえば今回のデモではトラヴィスが「Downwell」のTシャツを着ていた。こうしたTシャツはゲームをプレイすることでアンロックできるようになり、60タイトルほどが用意されているそうだ。発売時期はまだ未定だが、トラヴィスの活躍がまた見られるということで、続報を楽しみに待ちたい。

【Killer7】
多層人格アクションアドベンチャー「Killer7」の展示もあった。プラットフォームはPCで、配信は2018年秋を予定
【ステージに須田氏登場!】
須田氏(左)はステージイベントに登場。カプコン時代からの旧知というDANGEN Entertainment代表でBitSummit運営、ステージMCのベン・ジャッド氏(右)と対談する……予定だったが、須田氏が質問を無視して冗談を言い続けたり、今度はベン氏がツッコミ続けて通訳を忘れるなど(そもそも通訳として登壇予定だったスタッフがいない)、ほぼ漫才状態の対談となった。なお須田氏は「Killer7」の続編はあるのか? という質問について「カプコンから声がかかるなら、カットしたシナリオを収録した完全版を出してみたい。今のシナリオは本来の3分の2なので」と話していた
【プラチナゲームズ稲葉氏、神谷氏が登壇】
プラチナゲームズよりプロデューサーの稲葉敦志氏(中央)、ディレクターの神谷英樹氏(右)が登壇。「コラボレーションとは何か?」というテーマについて対談が行なわれた。神谷氏はゲーム作りにおいては「信頼関係」が特に大事だとし、1つのアイデアに対して「それならこっちの方が面白いのでは」と意見を言い合えるような関係ができることで、よりゲームが面白くなっていくとした。神谷氏は特に捻りのない成果物を見ると思わず「ゴミ箱を蹴る」そうだが、今開発中の「ベヨネッタ3」ではチーム全員でアイデアを出し合って「わいわい楽しくやっている」とした
【五十嵐孝司氏も登場】
IGAとして知られる五十嵐孝司氏は、クラウドファンディングがテーマのステージに登壇。「Bloodstained: Ritual of the Night」のクラウドファンディング成功者として、「人の心を掴むようなブレイン的な人も含めて、とにかく仲間を集めること」といった成功の秘訣などを話した