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「コール オブ デューティ ブラックオプス 4」、「BLACKOUT」テストレポート
バトルロイヤルゲームを研究し、丁寧に昇華させた新モード!
2018年9月18日 12:46
「コール オブ デューティ ブラックオプス 4(以下、「CoD:BO4」)」のバトルロイヤルモード「BLACKOUT」のβテストが9月11日から9月18日まで実施された。本稿ではこのβテストのインプレッションをお届けする。
「CoD:BO4」は、これまでのシリーズ作に必ず組み込まれていたシングルのキャンペーンモードをバッサリと切り落とし、完全にマルチプレイFPSとして舵を切ったシリーズ最新作。定番の「マルチプレーヤー」と「ゾンビ」モードを搭載しつつ、今作ではバトルロイヤルモードの「BLACKOUT」を引っさげて登場する。
「マルチプレーヤー」のインプレッションは弊誌でも取り上げているので、こちらを見ていただくとして、今回はシリーズ初のバトルロイヤルモード「BLACKOUT」のインプレッションを紹介していく。ただあくまでもβテスト中かつ、テスト期間中もほぼ毎日のように調整・アップデートが入ったので、筆者がプレイした時点のインプレッションであることをご留意いただきたい。
これが「CoD」版バトルロイヤル! ライバル作品を研究したプレイフィールは快適の一言!
協力要素の強い「ゾンビ」は置いておいて、「CoD」のマルチプレイといえば、様々なモードがあるもののやはり個人的には比較的狭いステージで、スピード感のある移動、死んでもすぐにリスポーンして、派手なドンパチを繰り広げるテンポの早い印象だ。
逆に「PUBG」など、いわゆるバトルロイヤルジャンルのタイトルの多くは、広いマップが舞台で、常に撃ち合いが起きるわけでもなく、死んだらその時点で試合から脱落するという、これまでの「CoD」シリーズのマルチプレイと逆の印象を持っていた。そのためシリーズ最新作にバトルロイヤルモードが搭載されると聞いた時は「ゲームバランスの調節はかなり難しいのではないか」という心配していたのだが、結論から言ってしまうとこれまで発売されたライバル作品を研究して、「CoD」のエンジンに上手く乗せた、かなり完成度の高いモードに仕上がっていた。
今回のβテストでは「SOLO(1人)」、「DUO(2人)」、「QUADS(4人)」のモードでプレイできた。それぞれマップや基本的なルールは同じで、最大88人が1つのマップで最後の1人(1チーム)になるまでバトルロイヤルを繰り広げるルールだ。
試合が始まるとマップの上をヘリが飛んでいるので、参加者は自由なタイミングでヘリから降下し、フィールドに降り立って武器や回復アイテムなどを集める。そして時間が進むと戦闘可能なエリアが徐々に狭くなってきて、他のプレーヤーと接敵することになり、試合の終盤につれて激しい撃ち合いが激しくなっていく。この辺りはバトルロイヤルの王道中の王道といった印象だ。
もちろん王道だけではなく“「Call of Duty」らしさ”も盛り込まれている。大きな要素としては「消耗品Perk」と「ゾンビ」、そして「テンポ感」だ。
キャラクターにPerkを割り振ってそれぞれのプレーヤーに特徴を持たせるというのは「CoD」シリーズではお馴染みだが、「BLACKOUT」ではすべてのプレーヤーが平等な状態でスタートする(アバターは選択できる)。
その代わりにフィールドに「消耗品Perk」というアイテムが落ちている。使用すると一定時間効果を発揮するアイテムで「周りに落ちているアイテムを強調する」という効果や、「敵の足音が聞こえやすくなる」などがある。Perkをキャラクターに装備するのではなく、ドロップアイテムとしてフィールドに配置するというのは思い切った挑戦で面白い。ラストエリクサー症候群ではないが、勿体なくて使わずに持っていても倒されてしまっては意味がないし、変なタイミングで使っても効果が薄い。どんなPerkが拾えるかも含めて、この駆け引きはユニークな要素だと感じた。
そしてもう1つがゾンビだ。ストーリーに何らかの背景があるのかはわからないが、マップにはゾンビが出現する。AIが操作しているものの、複数体で行動しているし、タフだしで、弾薬や回復アイテムが貴重な本モードでは特に厄介な存在である。無理に正面から戦う必要もなく、避けてしまっても良いのだが、ゾンビがいる付近には強力なアイテムが手に入る。さらに原稿執筆時のアップデートでボスゾンビが実装された。ただでさえ手強いゾンビなのにそのボス版とは……。
ちなみに海外の掲示板では討伐に成功すると強力なアイテムを落とすという。危険を冒して強力なアイテムを狙いに行くか、無難に生き残る方を選ぶか。通常のバトルロイヤルに加えて、プレーヤーに新しい選択肢を提示する意味でこちらもユニークでゲームを面白くする要素だと感じた。
これらの要素で他のバトルロイヤル作品との差別化を図っているのは面白いのだが、筆者が何よりも素晴らしいと思ったのが本作のテンポ感だ。マップの広さもそうだし、マップの崩壊(戦闘可能なエリアが狭まる事)が始まるタイミングや狭まる速さ、非常に細かいところで言うとゲーム開始時の効果のパラシュートが開いてから地上に着地するまでのスピードなど、あらゆる点でテンポ感が良い。本当に良く他のタイトルを研究してバランス調整などにこだわっていることが感じられた。
というわけで非常に良くまとまった“CoD版のバトルロイヤル”というモードなのだが、意地悪な言い方をすると「PUBG」である種の完成を迎えたシステムに「Perk」と「ゾンビ」という要素を追加しただけという言い方もできる。だが筆者はあえてスタンダードにしたのが本モード、本作の狙いだと感じた。
というのも筆者はマルチプレイに完全に舵を切った本作は“マルチプレイFPSのプラットフォーム”を目指しているのではないかと推測している。とりあえず「CoD:BO4」を購入すれば、「マルチプレーヤー」で他のプレーヤーとの対戦を楽しむことができるし、「ゾンビ」で他のプレーヤーと協力プレイをすることもできる。そして今回レポートをお届けしている「BLACKOUT」ではバトルロイヤルを楽しむことができるという、“対戦・協力・バトルロイヤル”というFPSで人気の3つの要素を1本のゲームで楽しめることが本作のアピールポイントと考えているのではないのだろうか。そう考えるとスタンダードなモードに寄せてきたのは納得感がある。
さらに元々マルチプレイを楽しんでいるユーザーが多い「コール オブ デューティ」シリーズということもあり、88人というハードルの高い条件ながらも、サクサクとマッチングしたので快適にプレイできた。またβテスト期間中もほぼ毎日アップデートを実施し、より肉薄した戦闘が起こるように調整されたモードが追加されたり、先程も言及したボスゾンビが追加されたりとプレーヤーを飽きさせないようにしているのも印象的だった。ここからは推測だがこの開発力と運用力があれば製品版が発売されてからも色々仕込んでくるのでは? とも思っている。実際にβテスト最終日に最大参加人数を100人にするというアップデートを仕込んできた。
トータルで見ると非常に完成度が高くまとまっているモードで、シリーズファンはもちろん、初めてバトルロイヤルジャンルのタイトルをプレイするというプレーヤーもすんなりと楽しめる王道でクオリティの高いモードになっている印象だった。
「コール オブ デューティ ブラックオプス 4」はプレイステーション 4/Xbox One/PCで10月12日に発売予定となっている。