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サブタイトルが象徴する新要素「ダブルギアシステム」!約8年ぶりの最新作「ロックマン11 運命の歯車!!」インプレッション
2018年6月13日 03:00
- 10月4日 発売
- 価格:
- 4,990円(税別、PS4/Nintendo Switch用パッケージ版)
- 4,620円(税別、PS4/Nintendo Switch/PC用ダウンロード版)
- 4,680円(税別、Xbox One用ダウンロード版)
- 6,990円(税別、PS4用コレクターズ・パッケージ)
- 7,990円(税別、Nintendo Switch用コレクターズ・パッケージ amiibo同梱版)
10月4日の発売が決定した「ロックマン11 運命の歯車!!(以下、ロックマン11)」は、前作から実に約8年ぶりの新作となるだけに発売日を心待ちにする往年のファンも多いだろう。
今年30周年を迎えた「ロックマン」シリーズと言えば、巧妙に仕組まれたギミックの数々と強力なボスが織りなす高難度のアクションが持ち味。カプコンを代表する2Dアクションゲームの1つでありながら、その歯応えゆえ“初心者お断り”なイメージも持たれがちだ。
シリーズ最新作となる「ロックマン11」は、もちろん一筋縄ではいかないことは事実なのだが、より多くの人が楽しめるポテンシャルを持っていることも間違いない。「ロックマン11」には幅広い難易度設定、そして「スピードギア」、「パワーギア」というまったく新しい能力も登場し、攻略の糸口が格段に増しているのだ。今回、そんな本作のPS4版をプレイする機会が得られたので、その内容をお伝えしようと思う。
新要素「ダブルギアシステム」!2種類のギアが見せる攻略の可能性
まずは「ロックマン11」の基本的なところからおさらいしていこう。前作「ロックマン10」ではグラフィックスとサウンドをファミコン風にアレンジし、特にオールドファンから高い評価を得たが、本作ではイラストのような3Dグラフィックスにモデルチェンジ。どちらが良いかは人それぞれの好みだと思うが、より親しみやすくなり「ロックマン」シリーズを知らない若い層でも手に取りやすくなった印象だ。
グラフィックスが3Dになると、キャラクターの動きやレスポンスといったところが気になる人もいるかと思うが、今回プレイした限りでは特に不備を感じることはなかった。操作感覚でストレスを与えることなく、あくまでもステージの構成で歯応えある難易度を演出できている。
気になる難易度は4種類が用意されている。シリーズを初めてプレイする人向けの「NEWCOMER」からはじまり、「ADVANCED」、「ORIGINAL SPEC」、「EXPERT」の順番で難しくなっていく。難易度を上げるほど敵の耐久力も上がり、逆にこちらが受けるダメージは増えていく。またNEWCOMERモードではステージ上にある落とし穴に落ちても「ビート」が助けてくれて、その場から再開できる。つまりNEWCOMERでは、敵からダメージを受ける以外で負けることはないのだ。
加えて、NEWCOMERだとプレーヤーストック、いわゆる“残機”が無限なので、ゲームオーバーになる心配もない。過去にシリーズをプレイした人には少々物足りないかもしれないが、初めてプレイする人にはこの上ないモードに仕上がっている。
逆に最高難度のEXPERTでは、ベテランプレーヤーですら一見でのクリアは困難、しっかり攻略を組み立てた挑戦が求められるような難しさだ。ある意味、少々の歯応えではもはや満足できないコアファンも、「ロックマン」らしさに溢れた体験ができるのではないだろうか。
難易度設定自体は過去の作品にもあったし、これだけでは今までと劇的に変化したとはいい難い。そんなところに大きな変化をもたらしているのが、スピードギア、パワーギアという2種類のギアシステムだ。
これはボタン1つでロックマンを一時的に強化できるシステムで、スピードギアではロックマンの動きを早く、より正確に言えば周囲の動きを遅くできる。一方パワーギアを使用すると、ロックマンの通常攻撃「ロックバスター」と特殊武器の威力を強化できる。どちらも非常に強力な効果を持っていて、プレイ開始時から使用が可能だが無尽蔵に使えるわけではない。
ギア使用中はロックマンの頭上にゲージが現われ、これがオールレッドになるとオーバーヒートしてしまい、しばらく使えなくなってしまう。クールダウンすれば再び使用可能になるので、惜しまずバンバン使っても良いし、小まめにギアを休ませてオーバーヒートを避け、ここぞというタイミングで使うのもアリだろう。
筆者が特に重宝したのはスピードギア。というのも、足場がベルトコンベアでジャンプするタイミングがわかりづらいとき、あるいは敵の動きが早いときなどに使うことで、立ち回りがはっきりするからだ。これのおかげで、初挑戦のステージでも、焦ることなく着実にクリアすることが可能になっている。「ステージの構成を死んで覚える」、そんなシリーズの常識を覆しかねない、画期的なシステムであると感じた。
ちなみに、ロックマンのライフが残り僅かなとき限定で、スピードとパワーの両方を一時的に上げる「ダブルギア」というものも存在する。こちらは通常のギア仕様と違って途中キャンセル不可で、効果が切れるとロックバスターの性能が大きく弱体化してしまう。相手を倒せなかったときのリスクは高いものの、起死回生の最後の手段として頭の片隅に入れておきたい。
「ブロックマン」と「ヒューズマン」。ボスの特色が色濃く現われる各ステージを体験
現在は制作中ということもあって、プレイできたのは8ステージのうち2種類。その中のひとつ、「ブロックマン」ステージは、背景にピラミッドが立ち並び、ダンジョン内もレンガ造りなのが印象的だ。なんとも意地の悪い場所にベルトコンベアが設置されており、さらに上からは敵が際限なしに降りてくることも。
悠長にタイミングを伺っていれば落下、焦ってジャンプすれば敵に当たってしまう。過去に1度でも「ロックマン」シリーズをプレーしたことがあれば、その難しさは容易に想像がつくだろう。
そんなときに活躍するのが、上述のスピードギアだ。これを使えばベルトコンベアもゆっくり動くことになるので、焦らずじっくりと次に行くべき方向を見定めることができる。また、ボスとの戦いではパワーギアもぜひ活かしたいところ。ボスによっては攻撃のチャンスが限られているケースがあるため、1発の価値が高くなる。
特に力で押してくるブロックマンの場合、激しい攻撃の撃ち合いになりかねない。いかに手早く、強力な1撃を当てるかが勝負の分かれ目だ。
もうひとつ体験できた「ヒューズマン」ステージは、ヒューズと名の付くことからも分かるように電気をイメージしたステージ構成。所せましと電流が走り、ロックマンとプレーヤーを苦しめてくる。ときには電流が画面いっぱいに広がり、安全地帯はほんの少しのエリアも。どうやって避けるか、瞬時の判断力だけでなく洞察力も問われるステージだ。
ちなみに、ボスとして待ち構えるヒューズマンは、パワーのブロックマンと異なりスピード重視の印象を受けた。強引な突破が可能な低難度ならまだしも、高難度になると動きを把握するまで手を焼くことになるだろう。
いずれのステージにも言えることだが、ダブルギアシステムの登場によって一見困難に思えるステージ上の仕掛けも苦にならなくなった。これは既存のシリーズ作品にはなかった大きな変化であり、新たなプレーヤーでも楽しめる余地を広げている。しかし、ギアを使ったとしても最終的に操作するのはプレーヤー自身。ボタンを押すタイミングひとつで、一瞬で窮地に立たされる難しさはなんら変わらない。初心者への配慮をしつつ、一定の難しさも担保するシステムと言えるだろう。
ステージの構成、ボスの存在感はどちらも個性的で、“これぞロックマン”と言わしめるクオリティに達している。特にボスキャラクターは強さだけでなく、キャッチーなかわいらしさも残している。早く製品版を手にとって、残りのボスも見てみたい、そう思わせる体験プレイだった。
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