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これまでの挑戦がかつてない“肌”を生み出した! 「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」
2018年4月10日 12:44
BANDAI SPIRITSは6月に新技術によるプラモデルフィギュアブランド「Figure-riseLABO」の第1弾として「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」を6月に発売する。価格は5,940円(税込)。本商品を弊誌では公式ページの情報として一度紹介しているが、公開されたリリース画像と共に、改めてこの“挑戦”を取り上げたい。
BANDAI SPIRITSとなったバンダイホビー事業部は、フィギュアブームの中、独自のアプローチを行なってきた。ガンプラとフィギュアを合体させたような「HGBF 1/144 すーぱーふみな」では眉毛と瞳を別パーツにし、重ね合わせることで塗装しなくてもアニメに近い雰囲気に組み立てることができた。
その技術を推し進めた「Figure-riseBust」では「レイヤードインジェクション」という技術をさらに昇華、キャラクターの“瞳”の表現に注力し、塗装フィギュアのような魅力的な表情をプラモデルで表現、ホシノフミナだけでなく、「ラブライブ!」や「マクロスΔ」のキャラクター、「初音ミク」など様々なキャラクターを発売し人気を博した。
そして「Figure-riseLABO」である。この商品ではさらにレイヤードインジェクションを進化させ、“肌”の表現に挑戦している。フィギュアの顔には眉毛を表現する茶色のパーツ、肌の赤みを表現するピンクのパーツ、まつげや目の輪郭を表現する黒のパーツ、そこに肌色のパーツを重ねることで人間のような肌を表現しようとしている。
上部分の肌のパーツは場所によって厚みが異なり、頬の部分は薄く下のピンクが透けることで頬が上気したような自然な赤みを出している。これは皮膚の下に筋肉がある人間の体に近い表現方法であり、塗装では表現できない技術だ。「Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」では、この重ね合わせを頬のチークやお腹のシャドウ、脚の血色の良い肌の部分に用いることで人体を表現するという。
これらの技術の根底にあるものは「ガンプラ」での、塗装しなくても原作のイメージに近づけて組み立てられる「多色造型」の技術がある。ガンプラでは1つのランナーで異なる色味のパーツを組み合わせ、ランナーを減らしたり、一部の部品が組み立て済みの「イロプラ」などでパーツの組み合わせによる発色を行なっていた。
さらにMGの内部構造の表現、PGでは可動する指も「異材質多重インサート成形」で、組み立て済みパーツとして表現、この技術がRGシリーズの内部フレーム「アドバンスド MS ジョイント」へと繋がっていき、さらに「MG RX-93 ν ガンダム Ver.ka」では1/100スケールでの可動指をパーツで成型できる「エモーションマニュピレーター」まで発展していくのだ。
これらの重ね合わせの技術、非常に細かく、材質が異なり、色も異なるパーツを重ね合わせることができる技術が「レイヤードインジェクション」でフィギュアという繊細な表現が求められる素材にまで適用できるようになった。そして今、「Figure-riseLABO」で生身の“肌”を再現すべく挑戦が行なわれている。BANDAI SPIRITSの挑戦はどのような商品を生み出し、その未来はどうなっていくのか、期待がふくらむところだ。
(C)創通・サンライズ