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新スタイルのeスポーツイベント「DIG INTO GOOD GAMES」が東京豊洲にて開催
フットサルと「ウイイレ2018」。親と子。スポーツとeスポーツの楽しい融合
2018年4月1日 00:46
DIG INTO GOOD GAMES実行委員会とeスポーツコミュニケーションズ合同会社は3月31日、東京豊洲にて体感型eスポーツイベント「DIG INTO GOOD GAMES(DIGG)」を開催した。入場は無料。
DIGGは、eスポーツイベント運営会社JCGを子会社に持つビットキャッシュが主体となって運営されているDIG INTO GOOD GAMES実行委員会と、日本eスポーツリーグ等のeスポーツ大会を主催するeスポーツコミュニケーションズ合同会社が共同で開催した新たなeスポーツイベント。イベントMCにはeスポーツキャスターの岸大河氏、ゲストにはけやき坂46の影山優佳さん、加藤史帆さん、佐々木久美さん、そしてタレントの櫻井ゆりのさんを迎え、入場無料のeスポーツイベントとしては破格の規模で実施された。
コンペティション(競技)ではなく、エクスペリエンス(体験)に重きが置かれており、小学生も含めた全年齢を対象に、「ウイニングイレブン2018」(コナミデジタルエンタテインメント)を始めとした様々なeスポーツタイトルを手軽に体験でき、大会にも参加でき、勝ち上がることができればゲームを生業とするプロゲーマーや、けやき坂46のメンバーと一緒にアイドルとエキシビションマッチに望むことができる。真の意味で“スポーツ化”を目指すeスポーツの裾野を広げるイベントとして画期的な内容となっている。
中でも目玉イベントとなるのが、「ウイニングイレブン2018」だ。メイン会場の豊洲PITに隣接するフットサル施設MIFA Football Parkを会場に、2つのユニークな催しを行なった。
1つは小学生の子供を持つ親子を対象にした「ウイイレ2018」親子トーナメント。決勝まで勝ち上がれば、豊洲PITのメインステージでけやき坂46のメンバーと3on3のエキシビションマッチを行なう権利が得られる。
MIFA Football Parkは、この豊洲エリアのタワーマンションを建設した三井不動産の施設で、週末の朝はタワーマンションの住人に対して施設を無料開放するなど、地域密着型の運営が行なわれている。このため、この日も、朝、無料体験をしたお父さんと息子の2人組が、そのまま親子トーナメントに参加するという具合で、場内は大勢の親子連れで溢れかえっていた。
そしてもうひとつは、MIFA Football Parkのフットサル施設を全面的に活かした、フットサルと「ウイイレ」をセットにした大会。「ウイイレ2018」で新たに搭載された3on3モードを使って、3on3のフットサルと「ウイイレ2018」の合計勝敗数で1位を競うというものだ。サッカーファンは当然「ウイイレ」シリーズのようなサッカーゲームが好きな人が多い。ただ、2つを組み合わせた大会は過去に例がないということで、スポーツとeスポーツの新たな関係性として今後の発展が注目される企画だ。ちなみに優勝賞品は、焼肉5万円分。親子には最高のごちそうだ。
また、MIFA Football Parkの一角では、日本を代表するもうひとつのスポーツゲーム「グランツーリスモSPORT」の対戦大会が終日に渡って行なわれていた。6人で東京エクスプレスを走り、1位を獲得したプレーヤーにはビットキャッシュ500円が贈られる。「ウイイレ」大会に参加した子供も参加しており、通常の体験会より年齢層が10歳以上低い感じで、こちらも大いに賑わっていた。
メイン会場となる豊洲PITでは、14時より会場の全面を使ってゲームの体験や大会が行なわれた。メインステージでは、先述したけやき坂46のメンバーによる「ウイイレ2018」エキシビションマッチのほか、「ドラゴンボール ファイターズ」(バンダイナムコエンターテインメント)や「ドラゴンクエスト ライバルズ」(スクウェア・エニックス)ではプロゲーマーをゲストに迎えてのエキシビションマッチが行なわれた。
客席の一角にあるスマートフォンエリアでは、「ドラゴンクエスト ライバルズ」の体験会と大会が同時進行で行なわれ、PCゲームエリアでは「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)」のDUOとSQUADのスクリムイベントが実施された。
「PUBG」のスクリムイベントは、このために父ノ背中とDetonatioN Gamingという2組のプロチームをゲストとして招待し、実況解説にはトンピ?氏と、SUMOMOXqX(DetonatioN Gaming)を迎え、体験用の機材としてゲーミングPC GALLERIA GAMEMASTERを20台揃えるなど、あたかも大会でもやるかのような豪華な構成になっており、このPCゲームコーナーの一角だけ異様な盛り上がりを見せていた。
筆者は、第1試合のDUOを観戦することができたが、プロチームのDUO2組は、後方から見守るギャラリーたちの期待に応えるように、プロらしい素晴らしいムーブを見せていたが、最終収縮の少し手前で両者が直接対決してしまい、父ノ背中が辛勝。しかし、その父ノ背中の2人も、その直後に車から飛び出したところを相次いでスナイパーライフルで狙われ、ドン勝とはならなかった。
この間、メインステージでは、午前中にMIFA Football Parkにおいて予選大会が行なわれた「ウイイレ2018」親子トーナメントの決勝戦が行なわれていた。親子2人に加えてけやき坂46のメンバーを1人ずつ加え、3対3で激突した。
試合内容そのものは、栄えある決勝戦のはずが、けやき坂メンバーの嬌声をただひたすら聞きながら彼女の一喜一憂を見守るというアイドル同士のエキシビションマッチのような展開になっていたが、感心したのは試合内容ではなく、出場チームに対する応援だ。
先述したように、MIFA Football Parkは地域密着型の運営が行なわれており、参加者の多くはフットサル施設の利用者であり、既知の間柄で仲が良い。このため、決勝まで勝ち進んだ両チームに対して、それぞれのコミュニティから体育会系の野太いかけ声と、こちらも同調したくなるリズミカルな手拍子がおくられ、極めて賑やかだった。日本のeスポーツは、観客がまだeスポーツ観戦というものに慣れておらず、世界的に見ても非常に大人しい。しかし、eスポーツが本当にスポーツのひとつになると、これぐらい盛り上がるのかと嬉しくなった。次回以降の計画は現時点では未定ということだが、eスポーツをマスに広げる取り組みとして大いに評価できる。ぜひ2回、3回と回を重ねながらクオリティを高めていって欲しい。