ニュース

「RAGE 2018 Spring」開催!「シャドウバース」現環境1位は誰の手に?

全く別のジャンルのゲームの大会が1つの会場で行なわれ、それぞれ盛り上がる!

3月21日 開催

会場:幕張メッセ

 CyberZとエイベックス・エンタテインメントは3月21日、国内最大級のe-Sportsイベント「RAGE 2018 Spring」を幕張メッセにて共同開催した。本イベントでは、「Shadowverse」(Cygames)、「ストリートファイターV アーケードエディション」(カプコン)、「スプラトゥーン2」(任天堂)の合計3タイトルの大会が行なわれた。

 本稿では、メインステージで行なわれた「シャドウバース」における現環境最強プレーヤーを決める賞金制大会、「RAGE Shadowverse Chronogenesis GRAND FINALS」のレポートをお届けする。

 「GRAND FINALS」では8,000人が参加した予選を勝ち抜いてきた8名がBO5形式で対戦。優勝賞金400万円と、「シャドバ」最強プレーヤーという名誉をかけた熱戦が繰り広げられ、観客席からはたびたび歓声が上がっていた。

会場ではシャドウバースに関連する展示や、物販スペースなどが設けられた

大会レポート 3位決定戦

 3つのデッキを使用し、勝ったデッキは使用できなくなるルール。相手のデッキに対して有利なものをぶつけれるかが重要となる。

 さて、3位決定戦は惜しくも準決勝で敗れたK選手とTatsuno選手の対戦。Tatsuno選手の使用クラスはエルフ、ウィッチ、ヴァンパイアで、本大会で唯一のヴァンパイアを使用するプレーヤー。一方のK選手の使用クラスはエルフ、ウィッチ、ドラゴンという環境で上位に属するデッキが並んでいる。

Tatsuno選手の使用するヴァンパイアは復讐状態での攻撃力が特徴だ

 第1試合はお互いにウィッチを選択。同じウィッチでも後半に強い「ジンジャー」を使用したTatsuno選手に対して、K選手の秘術ウィッチは序盤からフォロワーで攻め、後半バーンダメージでトドメを刺す「秘術ウィッチ」だ。試合は序盤からK選手が攻めたて、スペルでフィニッシュ。K選手がデッキの勝ちパターンにしっかりとはめて初戦を制した。

最後は「連鎖する雷撃」でフィニッシュ。手札が3枚以下なら戻ってくる強力なカードだ

 続く2試合目はTatsuno選手がヴァンパイアを選択し、K選手はエルフを選択。ヴァンパイアは復讐状態に入れないのにも関わらず、手札に復讐状態でのみ強力な効果を発揮するカードばかりを抱えてしまう。一方でエルフは高い防御力でじわじわと有利をひろげていき、K選手がそのまま勝利。

 3試合目。あとがなくなったTatsuno選手だが引き続きヴァンパイアを選択した。K選手の残るデッキはドラゴンのみなので、ヴァンパイアVSドラゴンの組み合わせに。今大会で数少ないヴァンパイアだが、その仮想敵はトップメタのドラゴン。大型フォロワーを召喚される前に体力を削ることができるため有利に立ち回ることができる。

 しかし、ヴァンパイアは手札が重く、Tatsuno選手はテンポよく展開していくことができない。能動的に復讐状態に突入でき、強力なドローソースでもある「ベルフェゴール」こそ使用することはできたが、トドメのカードが足りず、ドラゴンの強力な除去カードに対応されてしまう。一方でK選手は序盤からPPブーストをしていき、後半への準備を整えていく。

 試合は耐え忍びながらも相手の体力を的確に削っていったTatsuno選手が「鋭利な一裂き」で体力を削り切り勝利。これで勢いに乗ったのか、つづく4試合目もTatsuno選手が勝ち、3位の座はファイナルセットに持ち越された。

 最終戦はTatsuno選手のエルフ対K選手のドラゴンの組み合わせ。このマッチアップは、「無謀なる戦」に対応できないエルフが不利な組み合わせだ。エルフに強いこだわりがあると語っていたTatsuno選手。この日最後の試合もエルフで挑む。

 しかし、ドラゴンのキーカード「無謀なる戦」が6ターン目にプレイされ、Tatsuno選手は厳しい展開に。最後には「無謀なる戦」によって疾走のついた「バハムート」を2連打され敗北。3位の座を見事勝ち取ったのは K選手となった。尚、3位のK選手は50万、4位のTatsuno選手は30万の賞金をそれぞれ手にした。

「無謀なる戦」からの「バハムート」は、現環境を代表するコンボだ。

決勝戦 優勝を手にしたのは?

 「シャドウバース」日本一を決める戦いに挑むのは、みずせ選手とからあげさん選手。厳しい戦いを勝ち進んできた両者だが、ここにきて両者の使用するクラスが「ウィッチ、ドラゴン、ネクロマンサー」で完全に一致する熱い展開に。両者がどのデッキを選択していくかが注目された。

みずせ選手(左)とからあげさん選手(右)

 大事な決勝戦第1試合。みずせ選手がドラゴン、からあげさん選手がウィッチをそれぞれ選択した。みずせ選手は、PPをブーストできるカード2枚とドローソ―スという完璧な手札でスタート。一方のからあげさん選手は「秘術ウィッチ」の構成にも関わらず、序盤に展開したいフォロワーを引けない苦しい手札。場内には歓声とため息が混ざり合っていた。

 こうなってしまうとドラゴンが有利。PPブーストからの「無謀なる戦」、「バハムート」という理想的なムーブでみずせ選手が勝利した。

 続く第2試合では、みずせ選手がネクロマンサー、からあげさん選手は引き続きウィッチを使用した。しかし、再びからあげさん選手は手札に恵まれず、「土の印」が場にあってもそれを消費できない苦しい状況に。みずせ選手は有利な状況で中盤を迎え、7ターン目に「魔将軍・へクター」をプレイし、一気に体力を削る。対する からあげさん選手も「偉大なる魔術師・レヴィ」で並んだフォロワーを除去し、一進一退の攻防に。最終局面ではからあげさん選手もあと一歩というところまでいっていたが、序盤余っていたはずの「土の印」が枯渇し息切れ。そのままみずせ選手が勝利し優勝へ大手をかけた。

ナーフされたとはいえ、ヘクターの強さは未だに健在

 みずせ選手が最後に残したのはウィッチ。構築は「ドロシーウィッチ」だが、「ギガントキマイラ」を採用した珍しい構築だ。一方のからあげさん選手はネクロマンサーを選択、勝負をかける。

 試合はからあげ選手が初手からキーカードである「次元の魔女・ドロシー」に加え、1コストのスペルも引き入れる。効率よくカードをプレイし、ドロシーのコストを下げていき、5ターンという早い手番でドロシーをプレイ。その後ギガントキマイラを複数枚引きフィニッシュも見据えられる状況とした。

 一方のからあげさん選手は常に2枚目の「次元の魔女・ドロシー」だけでなく「ギガントキマイラ」にも警戒しながらカードをプレイしなければならない状態。時間を使い切りながらも常に最悪の状況を回避すべく動いていた。

 そして終盤、フィニッシャーである「ギガントキマイラ」が降臨し、大ダメージを与えてみずせ選手が勝利、優勝を決めた。

次回大会やリーグ戦の情報も発表

 会場では、次回大会やリーグ戦の告知も行なわれた。まず、次回大会「RAGE 2018 Summer」の開催が発表。予選のエントリー開始は4月上旬を予定してしているとのことだ。また、次回の「Rage」からスマホ向けタイトル「サーヴァント オブ スローンズ」(スクウェア・エニックス)が種目となることも併せて発表された。

 さらに、「RAGE Shadowverse Pro League」の最新情報に加え、リーグに所属する4チームの代表も登壇。各チームの特色や意気込みについて語り、求める選手像などにも言及した。

 プロリーグの開幕戦は、ゴールデンウィークの5月5日と6日に開催される「シャドバフェス!」にて実施される予定だ。また、5月~8月までのファーストシーズン、9月~12月までのセカンドシーズン、そして後日発表される日程において、2018年のリーグチャンピオンシップが開催される旨が伝えられた。

 国内発のゲームにおけるリーグ戦ということで、「RAGE Shadowverse Pro League」には大きな期待がかかっている。日本のe-Sportsの発展のためにも、是非とも成功を納めて欲しい。

 また、本イベントでは冒頭で触れた通り「シャドウバース」だけでなく「ストリートファイターV アーケードエディション」と「スプラトゥーン2」の大会も行なわれていた。どちらのゲームもそれぞれ盛り上がっていたが、特に「スプラトゥーン2」は立見席しかないにも関わらず、スクリーンの前に人の群れができるほどだった。全く別のジャンルのゲームの大会が1つの会場で行なわれていることには大きな意義があるだろう。今後も、「Rage」からは目が離せない。

「スプラトゥーン2」、「ストリートファイターV」の人気は現地でも実感できた
会場には多くの人が詰め掛けていた。ゲームを観戦する文化も、ゲーマーの中では浸透しつつあるのかもしれない