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日本代表のSCARZ Absolute、WESG「CS:GO」グループステージでIEM Katowice王者のFnaticを追い詰める!

3月13日~18日開催

会場:中国海南省海口市

 中国アリババグループが主催するeスポーツ大会「World Electronic Sports Games(WESG) 2017」が3月13日より開催されている。

FnaticはIEM Katowiceと同じメンバー構成
圧倒的な精度でスナイプを決めるLaz選手
前半戦を9:6で折り返す
先に12:15でマッチポイントを握られたが、そこから粘りに粘ったのはお見事
14:16で終幕。延長戦かと思われたが、IEM KatowiceMVPのflusha選手の執念の起爆でFnaticが勝利

 会期2日目の3月14日は、「CS:GO」部門の予選リーグが行なわれ、グループGに属する日本代表SCARZ Absoluteが出場し、3月にポーランドカトヴィツェで開催されたIEM Katowiceで優勝したFnatic(スウェーデン)と対戦し、14:16と大健闘した。Twitchによる配信は英語だけで18,000人以上が視聴。世界中の「CS:GO」ファンは熱戦を見守った。

 もの凄い試合だった。世界ランク230位のSCARZ Absoluteの対戦相手は、世界ランク6位で、IEMシーズン12のチャンピオンに輝き、2017年から好調を維持しているFnatic。誰もがFnaticの勝利を疑わなかった一戦で、英語の実況解説も、最初からFnaticの勝ちを前提とした話し方。筆者もIEM Katowiceで彼らの強さを見ているだけに、Fnaticの勝利は揺るがず、トップチームにどこまで健闘できるかが注目だと思っていた。

 32チームから16チームを選ぶ最初のグループステージで、マップはMirage、BO1の一発勝負だ。テロリストサイドでスタートしたSCARZ Absoluteが見事なチームプレイで最初のピストルラウンドを取り、武器を手にしてからも立て続けにラウンドを取っていくと、日本チームの予想外の大活躍に実況解説も驚きの声に変わっていった。筆者も最初は、編集部で仕事をしながらTwitchをウィンドウ表示にしてチラチラ見る程度だったが、SCARZの見事な戦いぶりに、気づいたらすべての仕事を放棄してフルスクリーンで応援していた。

 4ラウンド目で武器を買い、キッチリ取り返したFnaticだったが、その後もSCARZはFnaticに主導権を渡さず、優勢に試合を進めた。とりわけ目覚ましい活躍を見せていたのがエースのLaz選手で、FnaticのスナイパーLekr0選手とのスナイパー1対1の勝利に撃ち勝つなど、Fnaticを上回る個人スキルとチームワークで、前半戦を9:6で折り返した。

 もともとMirageはCT(カウンターテロリスト)やや有利とされているマップだけに、「これは勝てるのでは!?」と思わせてくれたが、Fnaticはインターバルで頭を冷やし、作戦を練り直したのか、後半戦のピストルラウンドをキッチリ取ると、そのまま寄せ付けず、7ラウンドを連取して、9:13とした。このあたりはさすがトッププロといった印象だ。

 素晴らしかったのは、そのまま終わらなかったことだ。Laz選手をはじめ、poem選手、CROW選手、barce選手、takej選手の5人全員が見せ場を作り、最後の最後まで一進一退の攻防を繰り広げた。最終的にFnaticを14:15まで追い詰め、延長戦に持ち込むかというところで、Fnaticのエースflusha選手が維持で起爆を成功させ、ぎりぎり逃げ切った。ほぼ互角の戦いで、BO3ぐらいでもう少し観たいと思わせる激闘だった。

 なお、SCARZ Absoluteは、先に行なわれた第1試合でHLTV世界ランク2位のCloud9に16:1で敗れており、The Onliners(カナダ)との第3試合を残している。SCARZ AbsoluteはすでにCloud9とFnaticに敗れているため、グループステージ突破は難しい情勢だが、最後まで注目したいところだ。

【スクリーンショット】
SCARZ Absoluteメンバー全員が見せ場を作ったFnatic戦。この試合を糧に、日本トップチームとして、アジア、そして世界で活躍して貰いたいところだ