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「RAGE vol.5 with シャドバフェス」開催。「シャドウバース」現環境日本一が決定!

9月18日 開催

 CyberZとエイベックス・エンタテインメントは9月18日、「シャドウバース」のオフラインイベント「RAGE vol.5 with シャドバフェス」を東京ビックサイトにて共同開催した。

 メインイベントとして賞金制大会「RAGE Shadowverse Wonderland Dreams GRAND FINALS(以下、GRAND FINALS)」が行なわれたほか、有名プレーヤーとの対戦会やチーム戦の大会など、来場者が参加できるイベントも実施された。また、「PUBG」のオフラインイベントや「スーパーマリオ オデッセイ」のプレイアブル体験会など、「シャドウバース」以外のゲームを題材にした催しも行なわれていた。

 メインステージで行なわれた「GRAND FINALS」は5,000人が参加した予選を勝ち抜いてきた8名がBO5形式で対戦。賞金400万円と「シャドウバース」日本一の称号をかけた熱い戦いが繰り広げられた。

「シャドウバース」の世界を模した展示物
PUBGのイベントにも列ができた
物販スペース。品切れとなる商品もあった

大会レポート 準決勝第1試合

試合の光景は客席から大型スクリーンで視聴できた

 準決勝第1試合、初戦で友人であるkira選手を破って勝ち上がったSurre選手と、RageVol.3のファイナリストである、りんご選手が激突した。両者とも、全てのデッキが中盤以降に強力な盤面を形成するタイプを使用し、一進一退の高度な試合が展開された。

 第1バトルではりんご選手がミッドレンジネクロを使用し、切り札である「魔将軍・ヘクター」を手札にキープし続ける丁寧なプレイでりんご選手が勝利。続く第2・第3バトルでは僅差でsurre選手が勝利した。

 第4バトル、追い詰められたりんご選手は3試合連続でニュートラルビショップを選択。対するsurre選手はミッドレンジネクロを選んだ。試合開始時、りんご選手は手札にキーカードを3枚も引き、中盤で非常に強力な盤面を作ることに成功。焦ることなく的確に進化権を使用することでsurre選手を封じ込め、りんご選手が勝利した。

 決勝進出をかけた最終バトルはドラゴン(りんご選手)とミッドレンジネクロ(surre選手)の試合で、激しい読み合いが展開された。りんご選手は初手から「ドラゴンナイト・アイラ」を2枚確保。これによりPPを確実に増やしていく。一方のsurre選手は3ターン目に出すカードがなく、大きくロスをしてしまう。その後も的確なプレイングで有利に試合を進めていくりんご選手だったが、surre選手もなんとか食らいつき、試合は10ターンを超える長期戦へ。互いに相手の手札を読み、慎重なプレイを続けていく展開となった。

 先に試合を動かしたのはsurre選手。手札にネクロマンサーの切り札「ヘクター」を3枚を抱え、これを11ターン、12ターンと連続で使用した。一方のりんご選手は、surre選手の手札に3枚目のヘクターが無いことにかけてドローに賭けるも、トドメを刺せるカードである「ゼウス」を引くことができなかった。結果、3枚目のヘクターを使用したsurre選手が勝利。互いに最後まで譲らない一進一退の試合を制し、surre選手が決勝へ駒を進めた。

中盤以降、一気にフォロワーを展開することができるのがニュートラルビショップの強みだ
両者共お互いの手札にあるカードを読み合い、常に対応できるようにカードを使用していくだけでなく、相手に強力なカードを使わせるために罠を張り合う。会場は緊迫した空気に包まれた
強力な展開力と盤面強化を持つ「ヘクター」。ナーフ(弱体化)後も攻守に優れた強カードには変わりがない

準決勝第2試合

 準決勝第2試合では、「ファミ通カップ」ファイナリストのmisobon選手と、緩急を付けた攻めがウリのtizin選手が激突した。中盤以降を軸とした攻防が繰り広げられた準決勝第1試合とは打って変わって、激しい攻防が序盤から行なわれる試合となった。

 第1バトル、第2バトル共にtizin選手は速攻を仕掛けるアグロタイプのデッキを使用。除去カードをしっかり温存する等の的確な動きで連勝する。対するmisobon選手は追い詰められながらも第3バトルで勝利し第4バトルへ望みを繋ぐ。

 続く第4バトルはニュートラルウィッチ同士のミラーマッチ。しかし、序盤から攻めるタイプのmisobon選手の構築に対し、tizin選手は後半を見据えたコントロールタイプの構築を使用。同じようで全く違うタイプのデッキの対決となった。

 試合はmisobon選手が1~2ターン目を手札事故で何もできない苦しい展開。何とかドローでリカバリーできたかに思えたがtizin選手の召喚した「ルナルの魔女・プリス」によってリードを広げられ、次のターンにも2枚目の「プリス」を召喚しとどめを刺された。

 これにより決勝戦はSurre選手とtizin選手の対決となり、3位決定戦はりんご選手とmisobon選手で争われることになった。激しい戦いの中、敗れたmisobon選手とりんご選手だったが、両者共3位決定戦では集中力を切らすことなく最後まで戦い続けた。白熱した試合の結果、3-0でmisobon選手が勝利し3位に入賞した。

tizin選手は相手のライフを一気に削る「アグロデッキ」を2つも持ち込んだ
ウィッチでありながらスペルが1枚も入っていないtizin選手のデッキは注目された

決勝戦 シャドバ日本一は誰の手に……

優勝を争ったsurre選手(左)とtizin選手(右)

 いよいよ決勝戦、surre選手とtizin選手の戦いを見るために会場は満席。立ち見で観戦する来場者も多く見られた。3デッキとも中盤以降を見据えた構築のSurre選手が、攻撃的な構築を使用するtizin選手をどこまで捌き切れるかが注目された。

 第1バトルはsurre選手がミッドレンジネクロ、tizin選手が潜伏ロイヤルを使用。対象を取られない潜伏フォロワーを除去する手段が少ないsurre選手が不利だと思われたが、試合は拮抗。1ターン目からフォロワーをテンポよく並べていくsurre選手に対し、tizin選手は冷静なプレーで対応していくも、盤面が不利な状態では攻めに進化を吐くことができずライフを思うように削れなかった。それでも最後には潜伏と疾走フォロワーで一気にライフを削りtizin選手が勝利した。

 第2バトルはtizin選手がニュートラルウィッチを選択。対するsurre選手はコントロールヴァンパイアをピックした。どちらもドローソースが豊富で中々手札が尽きないデッキだけに、いかにリソースを残しながら戦うかがより重要となるマッチアップだ。試合は盤面を無視しライフを削るtizin選手に対し、surre選手が豊富な除去・回復カードで対抗。最終的に盤面に蓋をし切ったsurre選手が勝利。

 続く第3バトルはミッドレンジネクロ(surre選手)とアグロヴァンパイア(tizin選手)の試合。手札が悪く、最適な動きができないtizin選手に対し、surre選手は「デーモンイーター」で手札を増やしながらテンポよくフォロワーを並べていく。結局、序盤に築いた有利は崩れず再びsurre選手が勝利し優勝へ大手をかけた。

 第4バトルは、ドラゴンとアグロヴァンパイアの対決。回復VS速攻という正反対のデッキがぶつかり合った。お互い完璧な手札でスタートし場内は一気にヒートアップ。フォロワーを展開するtizin選手に対し、PPを確実に増やしていくsurre選手。

 序盤中盤はtizin選手が速攻でライフを削っていくが、surre選手はライフを回復しつつこれに対応した。中々とどめの刺せないtizin選手。一方で回復ソースが尽きたsurre選手。気付けばお互いライフは僅か、ドロー次第でいつ試合が終わってもおかしくない状況だった。

 一歩も引かない両者だったが、最終的にはsurre選手が残りライフ1となりながらも勝利。あと1点、あとドロー1枚分の僅かな差を見事に制したsurre選手は、この日1番の拍手で迎えられた。

同コスト帯の強カードより多く投入された「マスタークノイチ」。潜伏フォロワーを並べ一気にライフを削った
surre選手が「ベルフェゴール」の効果でAOE除去カード「黙示録」を2枚引き入れた際には歓声が上がった
激しいやり取りに場内が沸いた
tizin選手がカラボスの効果で引いたのは「蠢く死霊」。あと1ターン早く来ていればtizin選手が勝利していた
優勝し、トロフィーを掲げるsurre選手

スマホゲーならではのイベントの可能性

 過去開催されたものと比べても一番の盛り上がりを見せた本大会。普段ランクマッチでは味わえない大会ならではのデッキ構築や読み合いの魅力が存分に味わうことができた。

 今回の大会で見事優勝したsurre選手と、準優勝のtizin選手は日本代表の一員として、12月23~24日に行なわれる世界戦「RAGE Shadowverse World Grand Prix」に出場する。

 他にも「シャドウバース」では11月25日は台湾で日台韓対抗戦が、12月には「RAGE Shadowverse Starforged Legends」といった大会・対戦会が開催される。国内発のゲームが世界的に競技シーンを確立できるか期待がかかる。

 また、本イベント全体を通しても、「シャドウバース」の魅力が前面にでる内容だった。スマホゲームはPCゲームユーザーを中心としたヘビーゲーマー層に軽視されがちだが、誰にでも手軽に遊べる面白さや、競技シーンと一般プレーヤーが明確に分かれておらず、誰でも大会に参加することができるという独自の魅力がある。本イベントではこうした特徴が顕著に表れた。

 本大会とは別途で、3人チーム戦の大会と、その場で組まれた4人でのチーム戦の大会がそれぞれ行なわれ、多くの参加者が集っていた。また、動画投稿や配信で活躍する有名プレーヤーとの交流イベントにも多くの来場者が訪れた。大会ではなく、こうしたチーム戦や、有名プレーヤーを目当てに来場する人も多かった。また、単純にオフ会の場所としても利用されたようだ。来場者には女性も多く、従来の男性ばかりのTCGのイベントとは一線を画すものとなった。会場のイートインスペースやビックサイト内の休憩上で「シャドウバース」で対戦する来場者も多く見られた。これもPCゲームのイベントには見られない、スマホゲームならではの光景だ。

 こうして振り返ってみると、「シャドウバース」を中心に、実に多くの層がイベントに訪れていたことが改めて分かるだろう。手軽に遊べて、誰にでもプレイできるゲームだからこそできるイベントもある。だからこそ、今後も従来のPCゲームのイベントにはできない、スマホゲームならでは大会やイベントを、「シャドウバース」には期待したい。