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16bit風で描く最新作! 飯塚プロデューサーが語る「ソニックマニア」

最先端の「ソニックフォース」に込めた中村プロデューサーの想い

6月13日~15日 開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 セガはE3会場で、「ソニックマニア」と、「ソニックフォース」の2つの“ソニック”を出展していた。今回はこの2つのタイトルを触れただけでなく、「ソニック」シリーズプロデューサーであり、「ソニックマニア」プロデューサーの飯塚隆氏と、「ソニックフォース」プロデューサーの中村俊氏に話を聞くことができた。

 ソニックタイトルは長い歴史をへながら、原点回帰、リバイバル、そしてリニューアルを繰り返してきた。しかしどの作品もただ原点に戻る、というのではなく、そのときのクリエイターが頭をひねり、様々な努力を繰り返しながら「懐かしくも新しい」という、ゲームクリエイターとして過去の名作達に“挑戦”をし続けている。この2つの作品も非常に楽しく、魅力的な作品となっている。

この時代にドット絵で描かれるシリーズ最新作「ソニックマニア」

 「ソニックマニア」は、8月16日にPS4/Nintendo Switch/Xbox One向けに発売を予定しているアクションゲームだ。その最大の特徴は原点であるメガドライブ版「ソニック」の質感をきちんとドット絵で再現しているところ。今の技術、ハードならばメガドライブのハード性能とは比べものにならない。しかしあまりにも今の価値観に近づけると当時の雰囲気が失われてしまう。飯塚氏はそのバランスに細心の注意を払ったという。

「ソニック」シリーズプロデューサーであり、「ソニックマニア」プロデューサーの飯塚隆氏

 本作のステージはモチーフとなった「ソニック」の初期作の要素を多く取り入れている。ステージによっては8割近くがそのままだという。開発にはその名の通り“ソニックマニア”が集まり、メガドライブ版のソニックを解析して組み上げて言っているという。マップの形、大きさ、感触、それらを取り上げ、組みあげていく。初代「ソニック」のグリーンヒルステージでも「ソニック3」のバリアが出てくるなど、ゲーム要素を変化させながら、独特の面白さも追求しているという。

 グリーンヒルのボスでは「ソニック2」のラスボスを登場させるなど、「ソニックマニア」がニヤリとさせられる要素も満載となっている。続く「ケミカルプラント」では薬品を混ぜ合わせることで水の弾性が増えてトランポリンのようにジャンプしたり、側面にくっつくことができるしかけなど、新たに考案しながら、16bit風の雰囲気を仕掛けたアイディアを盛り込んでいる。

 当時の質感、キャラクター、解像度……リメイクでもリバイバルでもなく、16bit手法を使っての新作の追求という非常にユニークな方向性を提示しているのが「ソニックマニア」である。キャラクターパターン、アニメーションは当時より多く、背景の色味や描き方も当時のタッチを活かしながら新しく作っている。まさに「16bitリスペクト」の新しいソニックなのだ。これは筆者のオールドファンにとってはとても楽しく、そして新しい驚きを感じさせてくれる。もちろん2つコントローラーを用意すれば、テイルズとの協力プレイも可能だ。

 ステージはリメイク部分と新規部分がほぼ同じで、過去シリーズに比べてもボリュームは最大級とのこと。リメイク部分でも当時の荒削りの部分を調整するなどもしているし、各ステージで新しいアイディアを盛り込んでいる。新作として新鮮に楽しめるし、過去のソニックが好きな人は思い出に浸りながら、“快適”に楽しめる。各ステージはAct1、Act2にわかれており、Act2は新要素てんこ盛りとのこと。「ドット絵だから表現できるゲーム性、キャラクター表現は多くあります。ポリゴンだと簡単にできることが、ドットだと難しかったりする、『昔こんなステージあったかな?』という面白さを沢山楽しんで下さい」と飯塚氏は語った。

【「ソニックマニア」配信日アナウンスPV】

【スクリーンショット】

オリジナルキャラクターでソニックの背中を追う! 「ソニックフォース」

 「ソニックフォース」は、「最先端のソニック」を提示する作品だ。エッグマンが世界をしており、ソニックはレジスタンスとして参加する。ステージ中に仲間から通信が入るなど、ストーリー要素にも力が入っているのが特徴だ。

「ソニックフォース」プロデューサーの中村俊氏

 これまでの作品同様ステージは3Dグラフィックスで描かれ、展開によって3D風、2D風にめまぐるしく変化していく。ロックオン先のポイントを指定しそちらにジャンプしていくので、コツをつかむとハイスピードで、気持ちよく進めていける。

 今回の試遊台では新しさを提示する「3D」、2Dアクションでの駆け引きが楽しい「クラッシックス」、そして“自分だけのソニックキャラクター”を作れる「アバター」という3つのモードが用意されていた。これらは配信されたムービーでも見ることができる。3Dグラフィックスの巨大なキャラクターの質感なども楽しいところだ。

 そして、最大の目玉は「アバター」だろう。男女どちらのキャラクターも作れ、この世界でのソニックの弟(妹)分として活躍できる。そしてステージを進めたり様々な目標を解除することで得られるアクセサリーでキャラクターをカスタマイズしていくことが可能だ。強力なムチのような武器など、これまでのキャラクターにない能力も面白い。

 比較をすると「ソニックフォース」はポップなBGMも楽しい。ビープ音的な「ソニックマニア」は当時ゲームに夢中になっていた気分を思い出させるが、「ソニックフォース」はアメリカンなガールズポップの曲に乗りながら拘束でステージをそうはし、ボスと戦いを繰り広げる。こちらはこちらで「最先端のソニック」の方向性を確かに提示していると感じた。

 ファンへのメッセージとして中村氏は「今回新たに『ヘッジホッグエンジン2』というものを作り、マルチプラットフォームで冬に販売しますぜひいろんなユーザーに遊んで欲しいですし、自分が作ったキャラクターでソニックの背中を追うという新しい楽しさを味わって下さい」と語った。

 飯塚氏は「『ソニックマニア』はレトロなドット絵で作られた23年振りのクラッシックシリーズ最新作です。8月16日からオンラインで配信されます、価格もお手頃なものになりますので、今冬の『ソニックフォース』共々、ぜひよろしくお願いします」と語った。

【Sonic Forces - E3 Trailer】

【試遊台映像】