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「World of Tanks」、マッチング全面改良や自走砲の仕様変更に踏み込むUpdate 9.18の公開テストがいよいよスタート!

3月31日テスト開始

 ウォーゲーミングジャパンは、Windows用オンラインタンクアクション「World of Tanks」の最新アップデートUpdate9.18の公開テストを開始した。

【Update 9.18 Common Test Review - World of Tanks PC】

 Update9.18では、2016年12月にモスクワで開催された「WG Fest」で発表された今後の開発計画がいよいよ実装に移される。

 目玉要素となるのは、マッチメイカーの改良と、自走砲の仕様変更、軽戦車のTier Xまでの拡充となる。

 マッチメイカーの改良は、ユーザーからの要望が最も多い明らかに不公平なマッチング、活躍の機会がほとんど見込めないマッチングの是正が行なわれる。サーバーサイドのアルゴリズムを刷新し、より完璧なマッチングを目指す。具体的には、トップ車輌が3両、ミドル車輌が5両、ボトム車輌が7輌という「3/5/7テンプレート」をベースに、ユーザーが多い場合はトップ車輌5輌、ボトム車輌10輌という±1マッチング、全車両同Tierマッチングに切り替わり、逆にユーザーが少なく時間が掛かりすぎると判断された場合は、条件を緩和していく。ただし、いかなるケースでも以下のルールは必ず満たすようになる。

・トップ車輌は最大 3 両
・ミドル車輌は最大 5 両
・ミドル車輌の数はトップ車輌より多い
・ボトム車輌の数はミドル車輌より多い

 これにより自然なピラミッド型の編成となり、常にトップより、ミドル、ボトムの車輌が多くなることで、トップ車輌ばかりの編成の中にTierが2つ離れたボトム車輌が1輌だけ、みたいな組まれた瞬間にやる気がなくなるようなマッチングはなくなることになる。

【新たなマッチングのイメージ】

 また、従来のマッチングでは、マッチングの要件はあくまで車輌タイプによって設定される戦力値を同数にするというものだったため、一方は中戦車ばかりで、一方は駆逐戦車ばかりで、マップによっては戦う前から勝敗が決するようなケースが多々あった。改良版のマッチメイカーではこの点にもメスが入れられ、車輌タイプもなるべく同数になるように調整される。ただし、重戦車と中戦車は対象外で、全車両を同数に揃えるというマッチングについては、後日検討するとしている。

 なお、Tierの離れた小隊編成は、バランスの取れたマッチングを大きく阻害する要因になっていたため、ランダム戦の小隊編成は「同Tierのみ」に制限される。

 そのほか、自走砲は最大でも各チーム3輌までに制限され、各プレーヤーの10戦の使用マップを分析し、異なるマップを選択する「マップ重複の抑制」、そして連続でボトムに編成された場合、次の戦闘をミドル/トップに配置しようと試みるようになるという。

 次に自走砲の見直しについては、現行の仕様について「自走砲はキャンプを促進させ、バトルをつまらないものにしている」と結論付け、自走砲と対峙する場合も、自走砲をプレイする場合もエキサイティングなものにするべく全面改修が図られる。

 具体的には、AP(徹甲弾)、HEAT(対戦車榴弾)を廃止し、救急キットおよび内張り装甲で抑制可能な「スタン効果」を導入し、“一撃必殺のアウトレンジ兵器”から長距離支援車輌に生まれ変わる。自走砲は、敵車両の破壊ではなく、破壊に導く弱体化を担う。自走砲の一撃は致命的なものではなくなる一方で、うまく活用することで膠着した戦線を突破できるようになる。

 「スタン効果」の具体的な内容は、「爆発範囲内にいた車輌のパラメーターが一時的に低下する」というもので、イメージ的にはフラッシュバンのような目くらましに近く、短時間の間、機動性、射撃精度、装填速度が低下する。このスタン効果は、救急キットや内張装甲で効果を軽減することができる。

 唯一残る砲弾となるHE(榴弾)については、貫通力や単発ダメージを減らす一方で、爆発範囲を拡大させる。また、直撃弾と至近弾のダメージ差も小さくなるため、自走砲の対象は単体目標から複数目標に拡大し、前線を担う重戦車や中戦車に対する支援砲撃に徹する形となる。

【広くなった自走砲弾の爆発範囲】

 また、味方車輌のためのターゲットエリア表示が他の車輌も見えるようになり、爆発範囲からの離脱を促すことができるようになるほか、人気MOD「Battle Assistant」を参考にした新たな照準モードを実装する。この新モードでは視点を俯瞰から真横に切り替え、砲弾の着弾経路や地形の状況を見ながら射撃を行うことができる。こうした修正により、自走砲は、大きく役割を変えることになりそうだ。

【自走砲の砲撃範囲のターゲットエリア表示】

【自走砲の新視点による射撃】

 3つ目の軽戦車については、Tier IX、Tier Xを新たに新設すると同時に、そこに当てはまる新車両の実装、既存Tier VIII車輌のTier IXへの格上げ、それに伴うパラメータの調整が行なわれる。

 軽戦車乗りにとってもっとも大きな変化となるのは、Tierが1~3つ高い敵とマッチングするという不利なマッチングが撤廃されることだろう。現行仕様について「他の味方と連携しながら戦う火力支援車輌として実装されたものの、強力な主砲と素晴らしい視認範囲を併せ持つ車輌と対峙することになった結果、積極性を欠いて役立たずとなるか、あるいは偵察を試みて早期撃破されてしまう傾向があった」と、初期のコンセプトからズレてしまっていることを認め、この状況を正すために軽戦車をTier Xまで拡大することにしたという。

 偵察特化の支援車輌という位置づけはそのままに、速力と機動性に優れた車輌として新たにTier IXとTier Xの軽戦車が追加される。基本的には、現行のTier VIII車輌がTier IXに格上げされ、Tier VIIIおよびTier Xに新たな軽戦車が追加される。中国のみWZ-132-1(Tier X)とWZ-132A(Tier IX)を追加する形となる