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MSI、重量わずか3.1kgのゲーミングデスクトップPCの日本展開を発表

デスクトップPCの日本展開に合わせて曲面ゲーミングモニターも参考出展

4月10日より順次販売開始

価格:198,000円(Trident 3、税込)より

 MSIは3月29日、都内でゲーミングデスクトップPCに関する製品発表会を開催し、MSI製のゲーミングデスクトップPCの日本参入を正式発表すると共に、“史上最小のゲーミングPC”を謳う省スペースゲーミングデスクトップPC「Trident 3」を4月より発売することを明らかにした。

【MSIのゲーミングデスクトップPCラインナップ】

MSIのゲーミングデスクトップPC
今回の目玉となる「Trident 3」
こちらはハイエンドモデルとなる「Aegis Ti3」

 MSIといえば、日本でも人気の薄型ハイエンド「GS」シリーズでお馴染みのゲーミングノートPC「G」シリーズをはじめ、ビデオカードの深夜販売では真っ先に完売になるビデオカード、ゲーム性能を追求したマザーボードの発売元として知られているが、実はゲーミングデスクトップPCシリーズも存在しており、日本市場への参入時期が長年にわたって検討されていた。

 東京ゲームショウ2016のMSIブースで、初めてMSIのゲーミングデスクトップPCが出展されたが、今年1月に国内で行なわれた発表会ではノートPCのみが発表されるなど、延期が続いていたが、今回ようやく日本市場への正式参入が発表された。過去に「Vortex G65」という筒型のデスクトップPCがリリースされたことがあるが、あれはノートPCのアーキテクチャを採用しており、事業部もノートPCの部門が手がけており、日本でMSIからデスクトップPCがリリースされるのは今回が初めてだ。

 ラインナップは、海外と同じ、最高性能を詰め込んだハイエンドの「Aegis」、VRにフォーカスしたミニタワーサイズの「Nightblade」、そしてCES 2017で発表され、“史上最小のゲーミングPC”として話題を集めている「Trident」の3シリーズ7モデル展開となっている。

 その設計哲学は、“ゲームに特化したPC”という視点のみからすべてを再設計し、あらゆるパーツをゲーム性能という側面から最適化を図っている。MSIが考える従来のゲーミングPCとは、その当時のパフォーマンスの良いパーツを搭載しただけで、すべてのパーツが1つの区画に収容され、ゲーマー向けに最適化されたものではない、とする。

 MSIのゲーミングデスクトップPCは、単にパフォーマンスが優れているだけでなく、ビジュアル、オーディオ、携帯性、接続性、ネットワーク、VRといった、ゲーミングに欠かせない重要な部分をマザーボードレベルから磨き上げており、フルスクラッチで設計されているゲーミングノートPC「G」シリーズをある意味で上回る、まさにゲームのためのPCとなっている。

 もっともこだわっているのは、冷却性と静穏性の2点。MSI独自のSilent Storm Coolingコンセプトとして、筐体内のCPU区画とGPU区画を分離し、エアフローを最適化している。ハイエンドの「Aegis」上位モデルについては、長年空冷にこだわり続けてきたMSIとしては異例となる簡易水冷システムを採用。筐体内温度を1度でも低く、クロックスピードを1MHzでも速くするための決断だという。

 静穏性については、低負荷時、もしくはアイドル時はCPU/GPUファンが止まる設計になっており、わずか25dBのノイズしか発生しない。フル稼働時でも36dB止まりで、高パフォーマンス/低騒音がウリとなっている。

【冷却性能と静穏性】
ノートPCと比較して、区画を2つに分けていること、簡易水冷システムを採用していることが大きな違いとなる

 そのほか、筐体はゲーミング性能に特化した工夫の固まりで、携帯し易いように取っ手が付いていたり(Aegis/Nightmare)、物理的に超重量級になりつつあるビデオカードのたわみ、外れを防ぐために垂直に刺す設計に変えていたり、筐体両側面にはまるで“耳”のように左右1つずつヘッドセットホルダーが付いていたり、筐体前面にHDMIポートやUSB Type-Cポートが付いているなど、ゲーマーの使い勝手が非常によく考えられている。

【MSIのゲーミングデスクトップPCの特徴(一部)】
Aegisシリーズに付いているヘッドセットホルダー
Aegis Ti3の前面端子
Aegis X3の前面端子
Trident 3の前面端子
Aegis Ti3は、筐体内のLEDライティングにもこだわっており、内部ソフトウェアでその光らせ方を調整することができる
当たり前だが、MSI製のビデオカードを搭載している
ビデオカードは、たわみを防ぐために垂直に接続されている
Steel Armorでストレージを守る
USB 3.1 Gen 2の導入で、従来比2倍の転送速度を誇る
ネットワークの遅延を防ぐKiller E2500
フルタワーのデスクトップPCとしては珍しい取っ手が付いている

 そして初公開されたTrident 3は、初代Xbox Oneほどのサイズ(容積4.72リットル、重量3.17kg)に、ハーフサイズに切り詰めたGeForce GTX 1060搭載ビデオカードを搭載し、“いち早く4Kゲーミングにフル対応した据え置き型のゲームコンソール”といったプロダクトに仕上がっている。コンパクトボディながら区画を2つに分け、CPUとGPUでそれぞれ吸気と排気を行なうことでより効率的な冷却が可能となっている。

 価格は税込198,000円で、「安い!」と言える設定ではないものの、圧倒的な省スペース性と魅力的なデザインに価値を認められるゲームファンは十分検討可能な値付けと言える。3.17kgという重量は、17.3インチのGシリーズよりも軽いぐらいで、フルスペックのゲーミングPCがバックパックに入れて持ち運べる時代が到来したと表現するとそのインパクトが伝わるだろうか。とにかくコンパクトでスタイリッシュ。TridentはGTよりもGSシリーズを好む日本のゲーマーにもっともマッチしそうなシリーズだ。

【Trident 3】
スタイリッシュなデザイン
重量はわずか3.17kg
コンパクトでもエアフローは2区画で処理

【ハーフサイズのビデオカードを採用】
Trident 3を開けると、みっしりパーツが詰まっている。ビデオカードはハーフサイズのGeForce GTX 1060搭載カードが採用されている

 Trident 3は、「Trident Arctic」と呼ばれる限定モデルも存在する。こちらはXbox One Sを彷彿とさせるホワイトカラーで、GPUはより上位モデルとなるGeForce GTX 1070を搭載。こちらは海外ではすでに展開済みながら、日本展開については現在調整中で、発売時期や価格は未定となっている。

 ちなみに公開されているTrident Arcticのイメージショットには、わざわざXbox One Sの白いコントローラーもセットで撮影されており、「これがXbox Oneの次世代機Project Scorpioだ!」と吹聴すれば、うっかりブログサイトが拡散しまくりそうなほど、未来のゲームコンソール的な外見を備えている。

【Trident Arctic】
Trident 3の上位限定モデルとなるTrident Arctic。限定のホワイトカラーでGeForce GTX 1070搭載と、かなり魅力的だが、日本では発売未定

Optix G27C

 参考出展されていた曲面モニター「Optix G27C」は、Samsung製27インチ曲面パネルを採用したゲーミングモニターで、解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)止まりながら、144Hz表示に対応しており、eスポーツに最適な没入感とハイリフレッシュレートを実現するモデルとなっている。応答速度は4ms(GTG)で、HDMI1.4、DP1.2、DVIポートをそれぞれ1つずつ備える。海外での価格は400ドル程度で、日本展開については、今回発表したゲーミングデスクトップPCの販売が一段落した6月ぐらいを目処に考えたいとしている。

 なお、ハイエンドモデル「Aegis」シリーズについては、「Aegis X3」をいち早くレビューしているので、ぜひ参考にしてみて欲しい。

【想定価格リスト】
価格は156,800円(Trident 3)から、649,800円(Aegis Ti3)までかなり幅広い

【Trident 3 4Kゲーミング】
「Need For Speed Rivals」を使ったPS3/PS4との比較映像

【Trident 3 プロモーションビデオ その1】
際どいところを攻めるプロモーション映像を3連発でご紹介する

【Trident 3 プロモーションビデオ その2】
さりげなく盟友のHTC Viveをネタにさらにきわどさを増すプロモーション映像

【Trident 3 プロモーションビデオ その3】
最後までオチが見えない爆笑必至のプロモーション映像