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MSIが最新CPU搭載ゲーミングノート35モデルを一挙発表
小型軽量VR対応ノートから、メカニカルキー搭載のモンスターノートまで!
2017年1月6日 20:25
1月6日、エムエスアイコンピュータージャパン(以下MSI)は2017年第1四半期に日本国内で発売されるゲーミングノート製品35モデルを一挙に発表した。各モデルとも本日より予約受付を開始し、それぞれ順次発売されていく予定だ。
ラインナップ刷新の対象となったのは、GT、GS、GE、GP、GLといったゲーミンググレードの型番が与えられた一連のモデル。エントリーモデルからハイエンドまで、すべてのモデルで第7世代Intel Core i7(Kaby Lake)とGeForce GTX 10シリーズを搭載し、前世代比で1割以上の性能向上を果たす。
注目点となるのは、前世代の第6世代Intel Core i7(Skylake)搭載モデル中で国内発売が見送られた15.6インチのハイエンドVR対応モデル「GT62VR」が今世代では国内でも発売されることや、「CES 2017」で発表されたばかりのノートPC向けGeForce GTX 1050/GTX 1050Tiを搭載したモデルがエントリークラスの製品群にいち早く採用されていること。また、トップエンドの「GT83VR」は、今世代でついにフルピッチのメカニカルキーボードを搭載するなど、新たな試みが多数見られるラインナップ刷新となっている。
各モデルともCPUの世代更新が行なわれ前世代からパフォーマンスが向上しているが、MSIの中原衆望氏によると、価格については前世代とおおむね同等に設定されるという。該当ラインナップには搭載CPU・シャーシ形状等によってたくさんの型番が存在するが、本稿では特徴的な主要モデルについてご紹介していこう。
Kaby Lake世代のCPU搭載で1割以上の性能アップ。MSIゲーミングノート注目モデル
MSIのゲーミングノートは基本的にGT、GS、GE、GP、GLという5つのシリーズに分類される。GTはハイエンドの大型機、GSはハイスペックかつスリム&軽量性にコストをかけたシリーズ、GEはe-Sportsタイトル等のプレイに適したコアゲーマー向け、GPはコストパフォーマンスを重視したエントリークラス、GLは最低限のゲーミング性能に抑えたメインストリーム向けの低価格シリーズ、という住み分けだ。
各シリーズの冠のあとには、ディスプレイサイズとシャーシデザインを表す数字が続く。例えばGSシリーズなら、14インチはGS43、15.6インチはGS63、17.3インチはGS73、というふうだ。さらに前世代以降、性能的に充分なVRパフォーマンスを備えたモデルにはその後に“VR”がつく。たとえば「GS43VR」なら、14インチでVR対応のスリム型ゲーミングノート、ということがわかる。その後にCPU世代の数字が続く。Skylake搭載世代では「GT72VR 6RE」だったものが、今世代では「GT72VR 7RE」になるという塩梅だ。このあたりを理解すれば、MSIのゲーミングノートPCラインナップを把握しやすくなるだろう。
さて、今回はこれら全てのグレードでKaby Lake世代のCPUへの刷新が行なわれる。これにより、Skylake世代のCPUを搭載していた前世代モデルに比べ、CPUコア性能で最大8%、動画のトランスコード等のマルチメディア機能について最大10~15%、そしてVRパフォーマンスで最大25%のパフォーマンスアップが見られるという。
MSIの資料によると、前世代におけるCore i7-6700HQ搭載モデルと、今世代におけるCore i7-7820HK搭載モデルの比較にて、「VR Mark」のスコアが25%向上したと主張されている。“より同等なグレード”での比較では、前世代のi7-6700HQから今世代のi7-7700HQへの刷新で「SteamVR Performance Test」のスコアが12%向上、X.264のトランスコーディングにて11%の向上、「3DMark」のPhysics Scoreにて10%向上、「CINEBENCH R15]にて10%向上、となる。すべてのモデルにてCPUパワーがおおよそ1割向上した、と理解すればよいだろう。
ディスプレイサイズとしては14インチから18.4インチ、重量としては2kgを切るものから4kg超えの重量級モデルまで幅広いラインナップが存在するが、ひとつの注目点となるのは全てのゲーミングモデルにてIntel Core i7を採用していること。つまりMSIのゲーミングノートPCにCore i3やCore i5といった選択肢はない。これは、MSIによる「CPUは全ての性能のベースとなるため」という考えにもとづくものだ。
日本初登場となるVR対応ハイエンド15.6インチ「GT62VR」
今回の世代交代で1つの注目点となるのは、前世代では国内発売がなされなかった「GT62VR」が投入されることだ。CPUにはCore i7-7700HQ、GPUにはGeForce GTX 1070を搭載するなど、スペックは17.3インチの「GT72VR」と同等というもの。同じ15.6インチのスリム型「GS63VR」(GTX 1060搭載)と比べると充分な排熱性能を確保するため筐体はやや厚めになっており一回り重量もあるが、17.3インチのモデルに比べるとぐっと携帯性がアップしている。MSIの中原衆望氏によると「お客様からのご要望が非常に多かったため、投入に踏み切った」とのことだ。
高性能メカニカルキーを搭載するトップエンド「GT83VR Titan SLI」
シリーズの中で最上位の高級機となる「GT83VR Titan SLI」は、ノートPCとして破格となるフルピッチ・フルストロークのメカニカルキーボードを搭載する。スイッチは世界初採用となる「チェリーMXスピードRGB 銀軸」で、これは応答速度を高めるためにアクチュエーションポイントを通常の2mmから1.2mmに短くしたゲーミング向けのスイッチものだ。MSIではこれによりキー入力による伝達スピードを40%高速化する、としている。ちなみに「GT83VR」はGPUにGeForce GTX 1080を2基搭載しているため非常に重量があり、もはやクラムシェル型のデスクトップPCという趣だ。であればデスクトップと同等のフルキーボードを搭載するというのは理にかなったチョイスだと言える。
VR入門に最適な新モデル「GP62MVR」
コストパフォーマンス重視のGPシリーズに、今世代で初めてVR対応モデルが登場する。「GP62MVR」はCPUにCore i7-7700HQ、GPUにGeForce GTX 1060を搭載。充分なVR性能を確保しつつ、採用シャーシなど他の部分で控えめな仕様とすることで高コストパフォーマンスを実現している。MSIでは本モデルを「プレミアムハイエンドVR入門モデル」と位置づけており、ボリュームゾーンのマーケットにもVR性能を届けていきたいという考えだ。型番の中央にある“M”は、メインストリームの略ということだろう。
GE/GPシリーズにはGTX 1050/GTX 1050Ti搭載モデルが登場
バランス型のGEシリーズ(GE62、GE72)およびメインストリーム向けのGLシリーズ(GL62)には、先日発表されたばかりのNVIDIA GeForce GTX 1050/GTX 1050Tiを搭載したモデルが登場する。前世代ではGTX 960Mを搭載していたモデルの後継となる位置づけになるが、MSIのDragon CenterのTurbo Mode時にて前世代のGTX 970Mを超えるグラフィックスパフォーマンスを実現。CPUの世代交代と合わせて大幅なパフォーマンス向上を得られており、今世代で非常に美味しいポジションにあるシリーズだと言えそうだ。