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スマホRPGの新たな境地! 「アナザーエデン」CBTレポート

冒険を能動的に楽しむ「本格RPG」に真正面から取り組むグリーの意欲作

2017年春 配信予定

ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

 グリーの開発スタジオWright Flyer Studiosは、Android/iOS用時空を超えるRPG 「アナザーエデン 時空を超える猫」(アナザーエデン)のクローズドβテストを3月7日から13日まで実施した。今回このCBTをプレイできたので、その感触をお伝えしていきたい。なお正式配信予定は2017年春。ダウンロード、利用料金は無料で、ビジネスモデルはアイテム課金制。

 「アナザーエデン」は、過去・現在・未来を駆け巡る重厚壮大なストーリーと、オーケストラや民族楽器を使ったサウンドが魅力のRPG。スタミナ制やオンライン要素をあえて排除し、シングルプレイに特化して制作したという作りが最大の特徴となる。

 またメインシナリオだけでも70時間を超えるという壮大なシナリオは「クロノ・トリガー」や「ゼノギアス」などで知られる加藤正人氏が担当。またメインテーマについても、「クロノ・トリガー」、「ゼノギアス」で作曲を務めた光田康典氏が参加しているという豪華スタッフ陣にも期待がかかる1作だ。

スマホで体感する往年の“RPG”の手触り!

タイムスリップもののため、設定舞台の振り幅が大きい

 「アナザーエデン」では、主流となっているスマホRPGのように、ストーリーモードを選択し、キャラクター同士の掛け合いによって物語が進んだり、ステージクリア型でゲームを進行させていったりはしない。

 「本来のRPGの楽しみ」をスマートフォンゲームで再現されることが目指されており、プレーヤーが実際にキャラクターをフィールド上を移動させて、人々と会話をしたり、フィールドを進む必要がある。そのため、ゲームシステムとプレイ感はコンソール機向けRPGに近いのが特徴だ。

 画面は2Dのベルトスクロール形式が採用されており、長く伸びる横通路の移動が基本となるが、フィールドには奥や手前に移動する通路(他の横通路への切り替え用)も設置されている。1つのマップはこの横通路と縦通路が組み合わさり、ここにドアの出入りなどによる画面遷移も加わって、広がりのあるマップが作り上げられている。

 ゲームサイクルは実にRPGらしく、ある目的を達成するために敵を倒したり、フィールドを巡ってアイテムを集めたりを繰り返して進めていく。フィールドを巡る途中では街にいるNPCに話しかけて情報を集めることも可能で、さらに敵との戦闘はエンカウント式。バトルはスマホ操作にアレンジされたターン制のコマンド式になっているなど、スマホ登場以前のいわゆる「ロールプレイングゲーム」での作法が本作では再現されている。

 そうした“本格RPG”に狙いを定めた本作だが、操作は実に軽快で、スライド操作による横移動ではキャラクターがスーっと移動し、縦移動も含めて滑るように動き回る。そのためフィールドを巡る操作がまったく苦ではない。1度訪れた場所には瞬時に移動も可能なので、むしろ能動的にあれこれ考えながらプレイを進めることができる。

フィールドの移動は基本的に横移動だが、マップとしての広がりもしっかりある。無制限で遊び込めるのが何より嬉しい
クエストの説明、キャラクターのステータス情報など、UIの作り方にも“RPG”へのこだわりを感じる

ガチャシステムの「星の夢見館」。人数を増やすほど、頼もしい戦力になってくれる

 目的を達成すると物語が進み、その過程で登場人物の身に何が起きるかを楽しむというRPGタイトルの醍醐味が、スタミナ制のない本作ではほぼ制限なしでプレイできる。そのため、基本無料のゲームとは思えないほどじっくりとプレイ時間をかけて遊び込める。そういう様々な点で、「本来のRPGの楽しみ」に真正面から取り組んでいるのは非常に興味深い。

 もちろん基本無料タイトルらしい仕組みもあって、それがガチャシステムの「星の夢見館」。本作ではストーリーの進行上仲間になるキャラクターもいるが、それとは別に、戦力と生る仲間キャラクターを増やせるシステムだ。

 本作では序盤から敵が強めに設定されていて、今回のCBTでは、ストーリーそのままのメンバーではなかなか太刀打ちできないような箇所が多々あった。そこで手っ取り早い解決となるのが「星の夢見館」で、仲間を増やすことでクリアの可能性を大幅に高められる。

 この「星の夢見館」を利用するには有料アイテム「クロノスの石」が必要だが、こちらはゲーム序盤において、クエストの達成などである程度はプレイ上でまとめて手に入る。正式配信版では敵との強さのバランスがどうなるかはわからないが、CBT時点ではひとまずは「星の夢見館」を気軽に利用していくのが良さそう、という感じだった。

 またやはり興味深いのは加藤氏による本作のシナリオで、平和な街で暮らしていた主人公「アルド」の身にある大事件が起こり、それを解決しようと奔走していると、事件の謎をまるごと残したまま突如として800年後にタイムスリップしてしまう。混乱に次ぐ混乱の中、その先でもさらなる事件が巻き起こっていくなど、壮大さを最序盤からいきなり感じることができる。スマートフォンでプレイできるRPG作品としては挑戦的であり、またかなりの意欲作となっているので、その正式配信を楽しみに待ちたい。

シナリオや登場キャラクターも注目ポイント。物語の展開も楽しみだ