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SIEA、PSNを通じて本気でeスポーツに取り組む!

トーナメントに参加しやすく、実況も強化、メーカーフォローへも注力

2月27日~3月3日開催

会場:San Francisco Moscone Convention Center

 GDC 2017では、Sony Interactive Entertainment Americaによる「Competitive Gaming with PlayStation」の講演が行なわれた。SIEAが、今後PlayStation Networkを通じてeスポーツをどう盛り上げていくかが紹介された。

今回登壇した4人のスタッフ
見えているプロを支えるたくさんのファン
PSNならではのフォローを行なっていく

 登壇者は、Platform ServicesのZev Solomon氏、Product Strategy and Planning DirectorのJon Webb氏、Technical Project ManagerのMatt Tomczek氏、Business Development ManagerのGavin Howell氏の4人。彼らは代わる代わる登壇し、現在のSIEAのeスポーツへの取り組みを紹介した。

 まず最初に行なわれたのはeスポーツそのものへの分析。プレーヤとプレーヤとの戦いから、プレーヤー達のコミュニティ、そしてメーカーなどのトーナメント戦などのアクションによってプレーヤー以外のフォロワーも大きく広がっていく。彼らの関係は「氷山」で表現される。目に見えるプロはほんの小さなもので、対戦を楽しむアマチュア達、そしてそれより多く、見えないところで対戦へのファンがいる。彼らはゲームが好きである。eSportsとしてプロはPCゲーマーが多いが、実際のファンは86%以上がコンソルゲームプレーヤーでもある。

 潜在的にコンソールゲームプレーヤーからもeスポーツを盛り上げる人々達はいる。その中でメーカーは何をしていくか? SIEAは「トーナメント戦」の情報をよりユーザーに届けやすい環境を準備していく。eメールやアプリを通じて情報が届くようにしてユーザーの大会参加のハードルを下げていく。そして大会の参加や、結果の通知、今後の大会の情報の告知など、ゲームファンと大会情報をより強くつなげていく。

 さらに大きな大会を主催することで、“ブランド化”を行なっていく。PCを使うeスポーツにも協賛し、“プレイステーションでのeスポーツ”を浸透させていく。プレイステーションの公式配信でeスポーツを実況していくことで、ユーザーにもeスポーツへの関心を誘導し、相乗効果でeスポーツとプレイステーションをつなげていく。

 eスポーツへの告知は、PSNの通常通知に組み込んでいく。PS4を立ち上げるとトーナメントの募集や、トーナメント大会の実況日などを告知し、ユーザーを誘導していく。PSNの「イベント」ページでは、様々なタイトルが、大中様々なゲーム大会を開催していることをユーザーは知ることができるのだ。特に自分がプレイしているタイトルの場合はより自然に告知される。今後例えばロード画面などで「トーナメント開催予定!」といったメッセージを通知することも考えているという。

 ゲームメーカーに関してはこういった大会参加用のSDKを準備しサービスを行なっていく。すでにバージョン4.00を2016年秋には配布しており、今後さらに多くのゲームがより容易にPSNを通じてトーナメントができるようにしていく。技術面、対メーカー側でもプレイステーションを使ったeスポーツを盛り上げるサポートを行なっていく。参加したプレーヤー達の感想や、彼らの情報などもメーカーが収集しやすくサポートしていく。

 実況用のプログラムにも手を入れていく。大会そのものの実況はもちろん、関連動画、過去の大会や、ハイライトシーンなどが見やすくできるようにする。もちろんその大会が最新のトーナメントを開催しているかどうかなどもダイレクトリンクを用意し、興味を持ったら気軽にプレーヤーが参加したり、より深くゲームを知ることができるようにしていくという。コミュニティの参加もフォローしていくことでより気軽に盛り上げるようにもしていくという。

 今回、様々な情報が提示された。改めてプレイステーションでのeスポーツへの取り組みの本気ぶりに驚かされた。筆者も「GTA Online」などを通じてオンラインゲームコミュニティの一端を見ているが、確かにPS4でもユーザーがコミュニティに参加し、そこからさらに他のタイトルも含めた動きになる可能性を感じている。トーナメントや実況に今以上力を入れていくことで、今後どうなっていくかは注目したい。

【Competitive Gaming with PlayStation】
ゲーム内での告知など、トーナメントとユーザーをより強力につなげていく
メーカー側への技術的なサポートも行なう