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パックマンを現代風に解釈したファッションアイテムなどが登場

パックマンとアソビシステムがコラボ! 新ブランド「PAC-STORE」が誕生

11月25日 発表

 11月25日に東京体育館で開催された「もしもしにっぽんシンポジウム2016」にて、バンダイナムコエンターテインメント、ツインプラネット、アソビシステムの3社合同によるパックマン新IP発表会が行なわれた。

 バンダイナムコエンターテインメントは2015年より「カタログIPオープン化プロジェクト」を開始。同社の「パックマン」、「ギャラクシアン」などのカタログIP21タイトルを、日本国内のクリエイターへ開放している。今回のパックマンの新IP展開はこの一環とも言える。

 また「もしもしにっぽんシンポジウム2016」は、きゃりーぱみゅぱみゅさんや中田ヤスタカさんが所属するアソビシステムが手掛けるイベント。世界で成功を収める著名人や文化人、経営者によるトークセッションを中心に、世界へ羽ばたく団体や個人への支援・連携・交流の場の創出を目的としている。

 発表会にはモデレーターとしてTWIN PLANET取締役副社長で本企画のプロデューサーでもある福山正之氏が、パネリストとしてバンダイナムコエンターテインメント常務取締役の浅沼誠氏、アソビシステム所属のクリエイティブディレクター・赤阪勇介氏が登壇。カタログIPオープン化プロジェクトを利用した、新ブランド「PAC-STORE」の展開が発表された。

左から、浅沼氏、赤阪氏
モデレーターを務める福山氏

PAC-STOREとは?

 PAC-STOREは1980年代のレトロ感とSNS主流の現代要素をリンクさせた、懐かしくも新しいパックマンの新ブランド。

 アソビシステム、ツインプラネット、バンダイナムコエンターテイメントの3社協業により、ファッション、グッズ、イベントなど渋谷&原宿の“カワイイ”文化をMIXさせ日本から世界に向けて「パックマン」ブランドを発信していく。

「ゲームの中に存在する世界で、パックマンが幼馴染のパックマリーやパックリトルと運営している何でもアリのセレクトショップ」という設定で、これまでになかったオリジナルキャラクターやストーリーが展開していくとのこと。

 本企画ではアソビシステムがクリエイティブデザインを、TWIN PLANETがマーケティングプロデュースを務める。ガールズマーケットを牽引する両社が協力タッグを組み、バンダイナムコエンターテイメントがライセンスアウトを担当する。

世界で愛されるパックマンの歴史

映画出演やグッズ展開で各世代に浸透しているパックマン

 発表会ではまず、浅沼氏から世界中で愛され続けているパックマンの歴史が紹介された。

 パックマンは1980年に誕生し、35周年を迎えた人気キャラクター。ゲームは「最も成功した業務用ゲーム機」とギネス認定を受けるほどの大ヒットで、1980年代には日本のみならず北米でもブームに。グッズ展開もされ、レコード「パックマンフィーバー」は250万枚を売り上げビルボードチャートで9位にランクインした。

 近年では、2010年にGoogleのトップページにパックマンが登場。ブラウザ上で遊べるパックマンが話題を呼んだ。2015年には映画「ピクセル」にもパックマンが登場。福山氏曰く、今回のマーケティングで若い女性の意見を聞いたところ、パックマンを「『ピクセル』に出てきたキャラクター」と認識している若者も多いという。

 さらに話題はパックマンの世界展開についてへ。2014年に中東アブダビにパックマンの世界をモチーフにしたアミューズメント施設「パックマンゾーン」がオープン。続けて2015年にはムンバイに2号店がオープンしている。これらは現地のショッピングモールからオファーが来たもので、2016年からは日本でも展開している。

 また2015年にはシカゴにレストランやゲームセンター、ボーリング場まで備えた、パックマンをモチーフとした複合エンターテインメント施設「レベル257」を展開。香港や中国のショッピングモールではパックマンの世界を体感できる参加型のイベントも催され、作品やキャラクターがワールドワイドに愛されていることが垣間見える。

ファッションブランドとのコラボも

ハイブランドと日本のポップカルチャーのコラボに注目が集まる

 2015年には35周年を機に、パックマンは様々なブランドとコラボしてきた。COACHやAnya Hindmarch、Nicholas Kirkwoodなどとのコラボで販売してきたグッズは、どれも完売。福山氏は「ルイ・ヴィトンと『ファイナルファンタジー』、グッチと『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦氏など、日本のマンガ、アニメやゲームが世界的なブランドとコラボする機会も増えてきた」と現在のファッション業界のモードについて語った。

 赤坂氏は「BEAMSやMOUSSYなど、ストリートカジュアルブランドも国内外のキャラクターとコラボした商品を出している。アソビシステムの自社ブランドでも『E.T.』や『スーパーマン』などとコラボしており、ブランドのひとつであるAymmyではパックマンともコラボしました」と、キャラクターとファッションブランドとのコラボレーションについてコメント。

 また近年ではリオオリンピックの閉会式でのパフォーマンスなど、パックマンをはじめとした日本のキャラクターが多くの人の目に触れる機会も増えた。「広告料が世界一高い」と言われる、アメリカンフットボールの祭典・スーパーボウルの間で流れるCMで、2015年には飲料メーカーのCMキャラクターとしてパックマンが登場するなど、海外での認知度はさらに高まっている

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 赤坂氏からは、新IP「PAC-STORE」のコンセプトが語られた。ブランドはゲーム内の世界の物語として展開し、舞台はパックマンと幼馴染ふたりが運営するセレクトショップ。お店のイメージは、パックマンが生まれた1980年代のアメリカと現代のミックスであるとのこと。

 「PAC-STORE」にはパックマンに加えて、新キャラクターの「パックリトル」と「パックマリー」が登場する。パックリトルはちょっと困り顔のキャラクターで、赤坂氏によると「キャラクタービジネスのマーケットでは、こういったちょっとおバカなおとぼけキャラが人気」とのこと。ゴーストも新キャラクターを4キャラ追加。今までなかった色と髪型のゴーストたちで、デザインもガールズ向けのポップなものになっている。

PAC-STOREのコンセプトアート
若者向けにデザインされたパックマングッズが続々登場予定

 福山氏は「ワールドワイドに展開していくためにデザインした」と語り、赤坂氏は「アメリカレトロをベースにしつつ、アソビシステムとツインプラネットで培って来たデザインを落とし込んでいる」と続ける。

 浅野氏は「コンセプトアートに描かれた、昔のアニメ風のパックマンが可愛かった。そこに描かれているピザというモチーフは、一切れ欠けた形がパックマンの元になっているという説もあります」と、新しいパックマンのデザインについて語った。

 「PAC-STORE」は国内外で展開し、全世界に向けてSNSでその魅力を拡散していく。インバウンド需要も見据えて、ファッションだけでなく伝統工芸品や日本食とのコラボも行なっていく予定だ。

 なお一部のグッズは同会場で11月26~27日に開催される「MOSHI MOSHI NIPPON FESTIVAL」にて先行販売が開始。2017年1月にはウェブショップもオープンする。