【特別企画】

「サブノーティカ2」は最低2年をかけ完成目指す。早期アクセス開発者プレゼンレポート

シリーズ初の協力プレイ、UE5による恐怖の再設計、自由建築などの新要素を語る

【「サブノーティカ2」:早期アクセス版】
5月15日 配信
価格:3,370円

 「サブノーティカ」は、Unknown Worlds Entertainmentが開発した海洋オープンワールドサバイバルアドベンチャーだ。2014年12月にSteam早期アクセスとしてリリースされ、2018年1月に正式版が発売。未知の海洋惑星「4546B」に不時着したプレイヤーが、酸素と食料を確保しながら深海へと潜っていくゲームプレイは、美しくも恐ろしい水中世界の探索体験として世界中で評価されている。

 同作の特徴は「非暴力」を貫いたゲームデザインにある。プレイヤーは銃を持たず、巨大なリヴァイアサン級クリーチャーが潜む深海を、スキャナーとクラフトを頼りに切り拓いていく。2021年にはスピンオフ作品「サブノーティカ:ビロウ ゼロ」が発売され、氷の惑星を舞台にしたストーリーも展開された。

 それらの経験を経て開発が進められてきたのが、ナンバリング続編となる「サブノーティカ2」だ。エンジンをUnityからUnreal Engine 5へ刷新し、完全新規の惑星を舞台に、シリーズ初となる最大4人でのオンラインCO-OPに対応する。5月15日の早期アクセス開始に合わせて、Unknown Worlds Entertainmentはアジア向けメディアセッションを実施した。早期アクセス版の価格は3,370円。

 ゲームディレクターのAnthony Gallegos氏と、Scott McDonald氏が登壇し、プレゼンテーション、ビデオショーケース、Q&Aセッションを通じて本作の方向性を詳しく語った。本稿ではその内容をレポートする。

【Subnautica 2 Early Access Gameplay Trailer】

序盤の探索からベースビルディングまで公開されたビデオショーケース

 ショーケースでは、浅い水中環境からのスタートが映し出された。前作やBelow Zeroと同様、水・食料・酸素の確保からゲームが始まる。洞窟に潜り、資源を獲得し、美しいライティングの中を探索していく序盤の流れだ。

 注目すべき変更点として、まずインベントリシステムの改善が挙げられた。さらに、前作のナイフに代わる「マルチツール」が登場。ハンマー、酸素タンク、スキャナーなどの機能が統合されており、特にスキャナーはクラフトシステムの中核を担うツールだとされた。

 環境面では、昼夜サイクルによってサンゴ礁の雰囲気が一変する演出が印象的だった。夜になると生物発光が際立ち、美しさと緊張感が同時に増す。

昼夜サイクルにより雰囲気が一変するサンゴ礁が印象的だった

 さらに本作の重要な設定として「フルーム」と呼ばれる感染症の存在が明かされた。フルームは生態系に影響を与え、本来敵対的でない生物を変質させる。この病を治していくことがストーリーの軸の一つとなる。

 新ビークル「タッドポール」はスピード感のある水中移動を実現し、ウィング(翼)を装着することで移動スタイルが変化する。開発陣にとっても特にプライドを持っている要素だという。Scott氏は「前作のビークルもたくさん愛されてきた。それを超える、しかし原作ファンが"違うゲームになった"と感じないような新しいビークルを作りたかった」と語った。

本作には新たなビークルも登場する

 サバイバルゲームの華であるベースビルディングも大きく進化した。前作では既製パーツを組み合わせるスタイルだったが、本作では「プッシュ&プル」システムを採用。壁を引っ張って変形させたり、好きな形の構造物を直接描いて建築することが可能になった。窓の形や大きさも自由にデザインでき、照明の明るさ調整、電力管理システムとの連動など、実用性と装飾性の両面が充実している。

 Anthony氏は「どのゲームよりも自由度は高いと思います。自分を表現できる建築システムを持って楽しさを感じられるものにしたかったのです」と自信を見せた。Scott氏も「窓だけでも自然な穴のような小窓から巨大な展望窓まで自由に作れます。そこから入る光も調整できます」と補足した。

 なお、早期アクセス開始時から、サバイバルモードに加え、クリエイティブモードも搭載される。

マルチプレイ、恐怖の再設計、新クリーチャーの方向性について聞く

 「サブノーティカ2」の最大の新要素は、シリーズ初となる最大4人でのオンライン協力プレイだ。PCとXboxのクロスプレイにも対応する。

 Q&Aセッションでは「マルチプレイはシリーズ特有の一人で没入する感覚と相反しないか」という質問があったが、Anthony氏は次のように答えた。「マルチプレイは『サブノーティカ1』の時から実装したかった機能です。ファンからのリクエストで最も多かったのもマルチプレイでした。もちろん、一人で没入したい方はシングルプレイで十分楽しめます。マルチプレイはあくまでオプションです。」

 さらにScott氏は、「テストの結果、マルチプレイでも恐怖感は問題なく感じられました。ホラー映画を友達と一緒に観に行くと、楽しさも怖さも共有できますよね。そういう感覚でした」と話す。

オンライン協力プレイの追加が最大の新要素だ

 もう1つ注目の質問が「Unreal Engine 5への移行でグラフィックが向上し、前作特有の"ぼやけた未知性"から来る緊張感は薄れないか」というものだ。

 Anthony氏は「ビジュアルが向上することで怖くなくなるとは思っていません」と明言。「水中では前方20メートルほどしか見えない。それは念頭に入れて作っています。よりリアルになったことで、海の中にいるかのような感覚はむしろ増しているはずです」と述べた。

 Scott氏は技術面から補足した。「前作ではUnityの制約でできなかったことが、UE5では実現可能になりました。描画距離が伸び、ズームインもでき、遠くのミステリアスな場所まで探索できます。技術的制約が減った分、"怖さ"を意図的にデザインできる自由度も上がったんです」。

 前作で愛された恐怖体験は維持しつつ、心理的な恐怖も含めたスケールの拡大を目指しているとのことだ。

 また、新惑星に登場するリヴァイアサン級の巨大クリーチャーについて、Anthony氏は「早期アクセス時点で5体ほど登場し、そのうち2体は非常に攻撃的」と明かした。おとなしい個体もおり、性格は様々で、ジャイアントコールクラブ(巨大カニ)やリーファーなど、コミュニティで話題になっている生物も登場する。

巨大なクリーチャーについても言及があった

 前作で人気だったホバーフィッシュのようなペット的存在についても認めており、「生物にするかロボットのようなものにするかは検討中です。いずれの形であれ、プレイヤーのペットとなる存在は登場します。ただし、これもオプションです」と話す。

 このほか、「前作をプレイしていなくても楽しめますか」という問いに対し、クラフトシステムなど前作と共通する要素は含まれるが、ストーリーは完全に新しいものになっているという。Anthony氏は「サブノーティカ2は前作の知識がなくても最初から最後まで理解できるストーリーになっています。ただし、前作のストーリーを知っている方は背景知識がある分、より深く楽しめるでしょう」と語る。

少なくとも2年の早期アクセスでコミュニティとゲームを作っていく

 最後に、Scott氏からは早期アクセス開始後のロードマップが紹介された。まずQoLアップデートとして、バイオMODシステム(身体を環境に適応させるシステム)、フライトシステム、ビークルのクラフトやドッキング、スプリント機能などが搭載される。

 その次は協力プレイのアップデートも予定されており、HUDシステムの改善、基地建設ツールの強化、レシピ固定システム、ボイスチャット、エモート、プレイヤー同士の蘇生システム、キャラクターカスタマイズなどが追加される。

 長期的にはエリアの拡大、新バイオーム、新クリーチャー、新資源、新ツール、新ビークルの追加が計画されている。ストーリーコンテンツも段階的に追加され、早期アクセス期間は少なくとも2年を予定。価格は3,370円で、早期アクセス終了後は値上げの可能性がある。

早期アクセス開始後も多くのアップデートが予定されている

 セッション終盤の「2作品を経てなぜまた早期アクセスなのか」という質問に対して、Anthony氏は「マルチプレイ、ストーリーテリング、レベルデザインなどは、実際にプレイヤーのフィードバックをいただいてこそ改善できる要素です。20年間ずっとそうしてきました」と答えた。

 前作の『Below Zero』でもフィードバックを受けてストーリーを完全に書き換えた実績があるという。Scott氏は「私はこのスタジオに入る前にファンでした。コミュニティと一緒に作り上げる過程を見て、ここで働きたいと思いました」と、開発チーム自身がコミュニティの一員である姿勢を強調した。

 早期アクセスの開始は5月15日。今作の深海の全貌は、ここから少なくとも2年をかけて、プレイヤーとともに形作られていく。