【特別企画】

「ストグラフェス」イベントレポート 無限の可能性!「GTAオンライン」とは別の世界が広がる「ストグラ」の世界観をオフラインで体験

【ストグラフェス】
8月30日、31日開催
会場:幕張メッセ
シティエリア入場券:9500円/1日
ステージエリア入場券:8500円/1日
スペシャルステージ アーカイブ配信:5,500円~

 「ストグラ」とは「ストリートグラフィティロールプレイ」の略で、配信者のしょぼすけ氏が企画/主催する「多くの配信者たちが自身の作成したキャラクターの人生をロールプレイするリアリティーショーコンテンツ」。

【大型準備中のギャングを妨害する山下ひろし元市長【ストグラ切り抜き】】

 「ストグラ」主宰のしょぼすけ氏が運営するGANMAは、幕張メッセ国際展示場 展示ホール1~3及び、イベントホールにて、「ストグラ」3周年を記念した「ストグラフェス」を開催した。会期は8月30~31日の2日間。

 具体的にはPC版の「グランド・セフト・オートV」にMODの「FiveM」を導入し、主宰のしょぼすけ氏が構築したRP(ロールプレイ)サーバーを舞台に、ストリーマーたちが紡いでいくストーリーを楽しむコンテンツを指す。

 みんなで自由に参加して遊ぶゲームコンテンツではなく、ストリーマーたちがRPサーバー内で遊ぶ様子を各ストリーマーたちの視聴者(ここでは観測者と呼ばれる)として映像を楽しむコンテンツとなっている。2022年よりスタートしたもので、今年で3周年となっている。

 展示ホールは「シティエリア」として、各種アトラクションやフォトブース、物販、キッチンカーによる飲食、住人たちと交流できる「ミート&グリート」のコーナーが楽しめる。イベントホールは「ステージエリア」となっており、トークイベントなどのステージイベントが随時開催されるスペースとなっている。

 料金はシティエリア入場券が1日9,500円で、シティエリアへの入場のほか、ステージエリアへの一部入場が可能。ステージエリア入場券が1日8,500円で、こちらはシティエリアへの入場はできないが、ステージエリアで行なわれる全てのステージイベントが楽しめた。

 また、「ミート&グリート」コーナーについてはシティエリア入場券があれば無料で楽しめるが、公式サイトにて、オンラインで事前に整理券をエントリーしておく必要がある。また、各種アトラクションについてはそれぞれ1,100円で、事前抽選の申し込みをして当選した人のみが楽しめた。

 本稿では、会場内の雰囲気や様子などを紹介していきたい。なお、ステージエリアで行なわれたスペシャルステージについては、PPVによるアーカイブ配信を9月中旬頃にプレミア公開する予定となっており、価格は5,500円から。

来場者にはイベント限定の「Yellow Page シティエリア版(ストグラフェス特別号)」が配布された

配信内の世界を再現!警察署や病院などのアトラクションやストグラ内住人との交流も!

 「シティエリア」は展示ホール内にアトラクションのブースがいくつか配置され、それぞれ事前登録した参加者たちがアトラクションを楽しんだり、「ステージエリア」の様子が観覧できる大型ディスプレイで映像を楽しんだりできる。また、「ミート&グリート」エリアは、事前に登録した住人とちょっとした挨拶や、住人によっては写真撮影などにも応じて貰えるスペースだ。

シティエリアの入場口は空港の「入国審査」を模したデザイン
シティエリアには多くのストグラファンである「観測者」たちが観光客として詰めかけた
8月28日で3周年を迎えたストグラのこれまでの歴史がズラッと書かれている
ミート&グリートエリアを見ると、ストリーマーたちとの「ミート&グリート」が行なわれていた
シティエリア側にも大型のディスプレイが設置され、ステージエリアの様子を確認したり、音声を楽しめるようになっている

 アトラクションについては、端的に言ってしまえば、「リアル脱出ゲーム」のように体を動かしたり、頭を使って謎を解くようなタイプの体験型スタイルだ。例えば「牢屋」のアトラクションでは、住民の犯罪記録を読み解き、どの罪状に当てはまるのか判断して、罰金額を算出するというペーパー問題を解くといった感じだ。体験した人には特典として「体験完了証」が与えられる。他にも「本署」では銃を使った射撃訓練が行えたり、「病院」では救急隊の医療救助訓練が体験できたりするなど、配信内の雰囲気を体感できるアトラクションとなっている。

 また、シティエリアの来場者全員に「Yellow Page シティエリア版(ストグラフェス特別号)」が配布されるが、こちらも謎解き要素が盛り込まれており、謎を解くことで、秘密の空間に招待されるような仕掛けも用意され、来場者が楽しめる要素が色々と用意されている。

シティエリアの全体マップ
「牢屋」の様子。問題に苦悩する「観光客」たちで賑わう
「牢屋」アトラクションでは、犯罪者たちの罰金額を算出するペーパー問題が出題される
「警察署」のアトラクションでは射撃訓練を楽しむ「観光客」たちが盛り上がりを見せていた
「警察署」のアトラクションは射撃訓練。体験後には「体験完了証」がゲットできる
「病院」の大部屋のアトラクションは、医療カルテを見ながら患者に必要な医療器具をピックアップして患者を救うというなかなかハードそう
「病院」のロビーのアトラクションでは、クレーンゲームを「救助ヘリ」に模した操縦ミッションが用意されている
「銀行」のアトラクションでは、iPadを使って金庫のロックを突破する銀行強盗が楽しめる
カジノには行列ができており、多くの来場者がギャンブルに勤しんでいた
来場者に配布された小冊子「Yellow Page シティエリア版(ストグラフェス特別号)」は、中に色々な謎解きが求人として書かれており、全てクリアすると謎のブースに行くことができるようだ
会場の一角には、意味深な黒い幕で覆われた怪しいブースが……声を掛けてみたところ、謎を解いてここに来てください……と言われてしまった

 他にも配信に登場する住人が扮するキャラクターの等身大看板が並べられたゾーンがあり、一緒に撮影できたり、「市役所」にはストグラの市長である「山下ひろし」がいて、手を振って来場者たちに応えたりしていた。筆者はストグラの知識があまりなかったため、来場者に話を伺って知ったが、「ストグラ」のファンにとっては既知のメジャーな人物のようで、通りがかったファンたちは写真を撮ったり声を掛けたりして盛り上がりを見せていた。

 また、ミート&グリートエリアの横にあるフリーエリアには、Vtuber寧々丸氏が「鬼野ねね」としてマスク姿で来場し、多くのファンに囲まれている様子も確認できた。

配信で登場するキャラクターたちの等身大パネルが各所に設置されており、あちこちで「観光客」たちによる撮影が捗っていた
こちらは警察署の撮影スポット。こうしたスポットが各所に用意されていた
市役所の建物の前には山下ひろしが手を振ったり声を掛けて来場者を歓迎していた
「ミート&グリート」のフリースペースに人だかりができていたので、来場者に話を伺うと、どうやらVtuberの寧々丸氏が「鬼野ねね」としてマスク姿でファンと交流をしていたそうだ

 「ステージエリア」では、10時~19時まで常に様々なステージイベントが行なわれており、筆者はシティエリア入場券があれば入れるオープンステージのうち「STGラジオ 公開収録」のみ簡単に観覧してきたが、配信内で人気の住人たちのトークで会場は大盛り上がりを見せており、ストグラファンたちの熱気を肌で感じられた。

 ステージエリア入場券を持ってないと観覧できないスペシャルステージでは、「平井のおっちゃん」がプロデュースするお笑いライブ「お笑いヘイストライブ」が行なわれた。平井のおっちゃんはゲーム内の呼び名だが、中の人はなんとお笑い芸人のアメリカザリガニの平井善之氏で、平井氏はお笑い系VTuberの「アメザリひらい/Amezari Hirai」としても活動し、ストグラにも参加しているとのことでかなり本格的なライブだった。他にも「Dream Music Live」として、住人たちによる締めのライブなども行なわれた。

幕張イベントホールは2日とも朝から晩までステージイベントが行なわれていた
住人達によるステージが行われた。ステージの3枚の写真は大川(@bacter1a)氏の撮影
スペシャルステージの締めは「Dream Music Live」

多くの来場者が駆け付けるビッグイベント

 以上、ざっくりとストグラフェスの会場の様子やステージの模様などについて紹介してきた。ステージイベントについてはほぼ見れていないが、何より驚かされたのは来場者の数とその盛り上がりだ。

 ステージイベントに足を運ぶ来場者たちの数も去ることながら、シティエリアも大混雑とまではいかないまでも、撮影可能なスポットやミート&グリートエリアのフリーエリアなど、人が集中するエリアには多くの来場者が訪れ、行列を作って写真撮影を楽しんだり、配信にちなんだメニューを用意したキッチンカーにも多くの来場者の行列が確認できた。

 また、フェス2日目には、今年の秋から「Season2」が開始するという発表もあり、今後更なる盛り上がりを見せていきそうだ。

開場前の入口の様子。入場待ちの「観光客」たちの大行列が中央付近まで伸びていた
午前中はまばらだったシティエリアも午後になるとかなりの人でごった返す状態となっていた
キッチンカーでは、ストグラにちなんだメニューの食事が販売されていた
自販機も全て「ストグラオリジナルラベル缶」のレモンスカッシュが販売。ラベルは剥がすとステッカーになる仕掛けになっているようだ

 なお、「ストグラ」について補足しておくと、ゲームシステムその物はPC版の「グランド・セフト・オートV」を使っているが、「ストグラ」のRPサーバーに参加するのは、継続的に配信活動や動画投稿、芸能活動などを行なっていたり、SNSやYouTubeのフォロワーが最低2,000人以上などの最低条件があり、加えて主宰のしょぼすけ氏が参加してほしいと思った方など、条件がかなり厳しく設定されているため、自身で配信などを行なっている人であっても、参加は困難だろう。実際に来場者の方にも話を伺ってみたが、ストグラは遊ぶものではなく観る物という感覚のようだ。

 つまりは今回の「ストグラフェス」のファンたちはほぼ全てがストグラに参加するストリーマーたちのファンということになるわけで、ストグラの配信が3年でこれだけの集客ができるコンテンツとして成長している事には驚きを隠せない。

 「ストグラ」について、筆者は正直なところ、配信の切り抜きを何本か視聴したことがある程度だ。しかし、わずか3年前後の期間に多くのストリーマーたちがこのストグラの世界に集まり、数多くのドラマを生み出しており、約10年前に初期の「GTAオンライン」を遊んでいた筆者からすると隔世の感があるが、「グランド・セフト・オートV」がいい形で活用され続け、今なお、盛り上がりを見せているというのは、来年5月26日発売予定の「グランド・セフト・オート Ⅵ」への橋渡しとして、重要な役割を果たすのではないだろうか。

 ちなみにRPサーバーのゲームその物を楽しみたい場合は、事前にPC版の「グランド・セフト・オートV」を用意し「FiveM」のMODをインストールして、自身の「グランド・セフト・オートV」の正規コピーにリンクすればプレイ環境は構築できる。RPサーバー自体はオンライン上に多くのサーバーが立てられており、さらにストグラ公式でも「ストグラFV」という支援した視聴者が参加できるミラーサーバーが用意されている。

 ストグラの配信に興味を持った人は、是非ストグラに参加しているストリーマーの配信をチェックしてみてほしいし、公式の「GTAオンライン」とは異なる、RPサーバーを使った「GTAオンライン」のゲームその物に興味が出た人は、参加可能なRPサーバーを探して、参戦してみてほしい。筆者も近いうちにどこかのRPサーバーを探して役割を演じてみたい。